#31 ベルリンマラソンスタート!
~ゆっくり行く者が遠くまで行く~スロージョギングで世界6大マラソン
いよいよ本番!
待ちに待ったベルリンマラソン当日。
昨夜は、なかなか寝付けず、興奮気味。
外は快晴でキリッとした空気。
ちょっと肌寒いくらいの良い気候。
ホテルからブランデンブルク門まで、徒歩20分くらいと程よい距離なので、ちょうどいいウォームアップになる。
スタート地点が、A~Kまで指定されている。
もちろん私は最後のK地点から、10:40のスタート。
国会議事堂を背にしつつ、入口から入る。
手前のトイレは長蛇の列。
おそらく奥にもたくさんトイレがあるだろうと、どんどん中に突き進んでいく。
これ以上進めなくなったところで、トイレに入っておく。
トイレットペーパーも普通に残っていた。
寒さ対策で着ていた捨ててもいいトレーナーは、寄付の箱が見当たらず、みんな、その辺にある柵にかけている。
私もギリギリのところまで着ていて、同じようにした。
ジーゲスゾイレ(戦勝記念塔)を遠くに見ながら、スタートの時を待つ。
デンマーク戦争での勝利を記念して建てられた塔で、ティーアガルテン(全長約3キロの広大な公園)の中央部にそびえ立っている。
ニューヨークマラソンの時は、海外のフルマラソンが初めてだったので、まずは完走する事を目標に置いていたし、制限時間もゆるやかだった。
そして、5時間30分のペーサーを気にしつつ走った。
でもベルリンマラソンは、制限時間が6時間15分。
1番遅いペーサーは、5時間らしい。
ついて行こうとすると、途中で苦しくなりそうな気がする。
ここは、いつも以上にマイペースを心がけるのが良いと思う。
スタート地点でかかっている音楽は、Viva La Vida by Coldplay 。
どうしても気分が高揚してくる。
でも、周りにつられて速く走ってしまわないように、心の平穏を保っていきたい。
そんなことをぼんやり考えていると、Fridorin(フリードリンというベルリンマラソンのマスコットキャラクター)が、スタート地点にある大画面に出てくる。
みんな、「ウォー!!!」と盛り上がっている。
そして、みんなでエクササイズの時間!
左に7回、右に7回、手を上げたり、軽くジャンプしたりして、身体をほぐす。
そして、ついにカウントダウン!
10、9、8、7・・・スタート!!
炎が大画面の上にボワッと出てきて、ヤル気に火が付く🔥
このスタートの一連の流れも、きちんとしていて、ドイツらしい。
コースには、1キロずつ表示が出ている。
やはりキロ表示は分かりやすくて、走る感覚をつかみやすい。
一番最初の給水所は、5キロ地点。
そこまでは、ゆっくりと足慣らしをしていこうと思う。
それなのに、自分のすぐ近くを4時間30分のペーサーが走っている。
1キロ通過、2キロ通過、3キロ通過、ずっと4時間30分のペーサーがすぐ前にいる。
自分ではゆっくり走っているつもりでも、皆の雰囲気に合わせてしまっているのか、少し速めになってしまう。
ようやく5キロ地点の給水所。
ここでは、お水のみ用意されている。
のどを潤す。
次の給水所は、9キロ地点。
お水の他に、リンゴ、バナナのフルーツ、紅茶、スポーツドリンクもある。
紅茶が置いてあるのは初めてだな、と思いながら全てもらう。
食べながら、自分でストレッチやマッサージをする。
沿道の応援は、音楽をガンガンかけてくれている人もいたけれど、それよりも、ブラスバンドや和太鼓などを演奏してくれているのが目についた。
華やかな雰囲気になって、気分も盛り上がる。
こうしてみると、ニューヨークマラソンの応援(特にブルックリン地区)は、なかなかヤバかった!と思う。
コンサート会場かライブか、とにかくノリがすごくて、踊っている人も多くて、音楽が天まで反響していたのを思い出す。
ドイツの人もキノコが好きらしく、「キノコをタッチするとパワーアップする」というサインをいくつか見かけた。
タッチしながら、進む。
この辺で、4時間30分のペーサーは、どこにも見当たらない。
いつの間にか4時間45分のペーサーが近くにいる。
少しずつ、いつもの自分のペースに向かっていく。
ところが!
15キロ地点辺りで、早くも足に痛みが!
ハーフ(約21キロ)の距離にも到達していないのに、ここまで足の痛みを感じていたのでは、この先の展開にかなり不安を感じる。
やはり、猛暑でなかなか長距離の練習が積めなくて、25キロくらいしか走りこんでいない事が、如実に現れたのかもしれない。
ふと、沿道を見ると、プラカードを掲げて応援してくれている娘がいた!
「どうしよう!もう足が痛くなっちゃった~!!」と伝えると、その場で足を揉んでくれる。
あまり心配をかけてもいけないので、無理やり出発。
その後は、2.5キロずつ給水所があるので、必ず停まって補給した後、自分でもよく足を揉む。
そして、とにかく足を1歩1歩前に出す。
21キロまで来た。
ようやくハーフの距離。
1キロずつの表示を励みに、ゆっくりでも進む。
歩かなければ、どんなにゆっくりでも、それなりの時間(1キロを7分ちょっとの時間)で走れている。
スロージョギングの本領発揮!
ゆっくり行く者が遠くまで行く!!
25キロまで来た。
普段の週末に走っている距離。
次の目標は30キロ。
そこまで来たら、カフェイン入りのスポーツジェルを飲むことにしている。
カフェインにうまく作用してもらいたい。
沿道からシャボン玉を飛ばしてくれている人がいる。
何だか夢の中のよう。
自分のspotifyの音楽も、大きな助けとなる。
好きな曲をランダムに聞いていく。
足が痛い事よりも、意外と前進していることの方に気が向いている。
(続く)
最後まで読んでくれてありがとうございます。「スキ」も押してくれると嬉しいです♡