#8ニューヨークシティマラソンを遂に走る!
~ゆっくり行く者が遠くまで行く~スロージョギングで世界6大マラソン
スタートでは、ここまで無事に到着したことにホッとしつつ、この地点に立てる喜びをかみしめていた。
家族をはじめ、気にかけてくれた人たちのお陰、職場の方々の思いやり、ご協力で、ここまで来られた。
音楽が鳴り続ける。私の好きな“Empire State of Mind by Alicia Keys“
やっぱりニューヨークはこの曲!
音楽のボリュームが大きくなってきて、否が応でも気持ちが高まってくる。前の女の子が曲に合わせて踊りだして、“そうだよね、踊っちゃうよね!わかる!”と思った途端、スタート!
イエ~イ!!!という雄たけびが、あちらこちらから上がって、その叫び声と共に、みんな一気に走り始めた!
ついに始まった!今まで走ってきた通りに走ればいい!!
いつも周りにつられて、速めに走ってしまいがち。
でも、ここは敢えて、遅すぎると感じるくらいノンビリペースで行こう!と自分に言い聞かせる。
後半に苦しくならないよう、イーブンペース(一定の速度で走るペース配分)で、1キロを7分くらいで、ずっと走り続けられたら本望!
5時間30分で完走できるぺーサーが前方にいる。
それくらいのペースでいけば、6時間を超えることは無いだろうと思う。
なるべく見失わないように、指標にしていこう。
ゆっくり無理なく、「胸の少し下からが足」というイメージを崩さないように走り出す。
まずは、Verrazano-Narrows Bridge(ヴェラザノ=ナロ-ズ・ブリッジ)を渡る。
2マイルを過ぎたあたりで、ようやくBroooklynに入る。
“Yo! Welcome to Brooklyn!“のサインで迎えられる。
そして、3マイル(約4.8キロ)のところで、やっと初めての給水所。
Gatoradeのスポーツドリンクとお水の用意がある。
1マイルずつ給水所がある。
喉がそれほど乾いていなくても、必ず立ち止まる。
お水かGatoradeを交互に飲む。
そのあと、足が痛くなくても、念のためストレッチとマッサージをする。
痛くなってからでは取り返しがつかなくなるので、その前に。
沿道の人たちが、ランナー以上に元気にノリノリで声援を送ってくれる。
音楽を生演奏したり、大音量でならしたり、まるでライブのよう!
特に道幅が狭いところは、両サイドから声援の嵐を浴びて、音が天まで反響している!こちらのテンションもどんどん上がってくる!
ランナーのことを、皆が自分のこと以上に、夢中になって応援してくれる。
それはちょっぴり不思議で、元気がモリモリ湧いてくる世界。
12マイル(約19キロ)で、“SIS”のエナジージェルが用意されていた。
初めて、お水とスポーツドリンク以外のものを口にする。
エナジージェルを飲みつつ、意外とあっという間に13マイル(約20キロ) !
ようやく半分まで来た。
ここから2つ目の橋Pulaski Bridge(プラスキ・ブリッジ)を渡る。
その先には、Queens(クイーンズ)地区が広がる。
ほどなく3つ目の橋、Queens borough Bridge(クイーンズ・ボロー・ブリッジ)に入る。
JFK空港からイエローキャブで、マンハッタンに入る時に渡る橋。
どの橋も真ん中に向かって上り坂になっているから、最初は走らないで持参しているスポーツドリンクを飲みながら歩く。エネルギーの温存。
真ん中を過ぎて下り坂になったところから、また走り出す。
橋を渡りきったところはマンハッタン。
道幅が広い!応援してくれる人たちが沿道を埋め尽くしている!!
途中、「頑張って~!!!」という日本語も聞こえてきて、大きく手を振る。赤ちゃんを抱っこしている日本人の女性だった。
「ATSUKO」さんという方が、腰のところに日の丸と富士山を描いたゼッケンをつけていたので、話しかけると「声をかけてくれて嬉しい~!」と言ってくれた。お互いに励みになる。
「今日がお誕生日」というサインを背中に張っている方には
“Happy birthday!“と声をかけつつ走る。
この辺りから、スピードダウンしているランナーもかなりいた。
自分はゆっくりペースでも、少しずつ前にいるランナーを追い越すことが増えてきた。
お菓子を大きなお皿に入れて、自由に取れるように沿道で差し出してくれている人たち。
クリネックスのティッシュペーパーを持って、取り出しやすいように持ってくれている人たち。
手作りのボードには、笑っちゃうようなサインが描いてあって、それを持ちつつ応援の声をかけてくれる人たち。
「元カレが後ろから追いかけてくるよ!」
「MTA(ニューヨークの地下鉄や鉄道)より速い!」
「これをタッチすると、パワーアップする!」
読むのに夢中になって、演奏してくれている音楽に耳を傾けているうちに、自分の用意しているspotifyの音楽を聴くタイミングが全然ない。
18マイルで2回目の“SIS”のエナジージェルが給水所に用意されているので、もちろん飲む。
いい気分転換になって、そのまま走り続けると、ほどなく目の前に19マイル(約30キロ)のサイン。
練習では30キロまでしか走っていない。
ここからは久しぶりの未知の世界。
ランナー仲間からのアドバイス通り、持参してきたカフェイン入りのスポーツジェルを飲む。
カフェインにうまく働いてもらって、「自分はまだまだ元気!」と思い込ませる作戦。(続く)
最後まで読んでくれてありがとうございます。「スキ」も押してくれると嬉しいです♡
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?