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家を建てる その1:全体概要とリスニングルーム の初期構想

いろいろな縁があり、小さな(想像を絶するほど小さな)家を建てることにした。
元のオーナー(奥さんの知り合い)のご家庭で色々な事情があり、中心地にほど近い場所の土地を早急に手放さなければならないということで仲介なども通さず、相場よりもかなり安く購入できることになった。
しかし、今建っている建物はかなり古くて小さく正直住めるレベルではないので一度更地にして家を建て直す必要がある。

昨年末に前回までの記事で掲載していた6年間住んだ借家を一旦引き払い、現在は土地を購入させていただいたオーナーが所持していた建設予定地近くのゲスト用の家(金持ちにはそんなものがあるんだなぁ)を借りて仮住まいをしながら建てる家の計画を建てているところだ。
とにかく金がないので、やりたいことはたくさんあるが一旦見積もってみて金額を明確にしてからどんどん削る予定でいるのでここで書くことはすべて「予定」であり実現可能性は未知だ。
ちなみに、すべての計画が大幅に遅延するまったく計画性のない文化圏なのでどうせ見積もりよりも高くなるのを想定している。

デザイナーと初期構想に使ったムードボード抜粋

新しい家の計画

当然ながら建築計画はすべてオーディオ関連の部屋を中心にすべてを決めることになる。
オーディオ中心に考える必要がある部屋は2つ、リビングとワーキングルーム兼スタジオだ。
そもそも、我が家は夫婦二人と猫2匹の暮らしなので大きな家は必要ない。
ふたりとも友人が多い方ではないので(当然奥さんのほうが友人は多いが)たくさんの人が出入りするような家造りも不要。さらにはとにかく目立ちたくないのであまり外観を目立つ作りにしたくない。
飽きっぽい性分なので変に流行りを取り入れず、とにかくシンプルな家にして日々手を加えながら暮らしたい。と思っている。(多分10年くらいは住むことになる)日本よりも改修費用も安いしね。

奥様の古い友人がフランスから帰ってきて建築デザイナーをやっているのでその人に色々と相談しながらデザインを決めてもらっている。
最近は当地での各種制限がかなり厳しくなってきており慎重に規制に合わせた計画を立てる必要があり大変だ。(違法建築だらけ・違法取引だらけで昨今は政府がかなり厳しくチェックしていて、ローン審査の取り消しなどが相次いでいる)
基本的には夫婦ともに独身時代と対して変わらぬ暮らしをしている趣味人間であるので新しい家の要望は以下の通りシンプルなものとなった。

  1. できる限りでかいウォークインクローゼット:洋服オタクの奥様の要望

  2. 大きな窓がない家:プライバシーと防犯上の理由によりあまり大きな窓を作りたくない

  3. キッチン/ダイニングとリビングルームを完全に分ける:リビングはオーディオリスニングルームとする

  4. ワーキングルーム兼スタジオルーム:ある程度の防音をする (83db SPLでの視聴、ステレオ+サブウーファーを鳴らせる部屋を目指すが多少の音漏れは問題なし)

  5. 奥様用のワーキングスペース:個室である必要はないがベッドルーム以外にどこかでデスクワークや打ち合わせできるようにしたい

  6. ゲストが来たときに寝れるスペース:主に地元の家族や友人が来たとき用に簡易的なゲストルームがほしい。ただし余裕がないので奥様のワーキングルームなどと兼用を検討

  7. 猫用のトイレやキャットウォークの設置など、猫が幸福に暮らせる空間であること

  8. テラスは雨漏りするし掃除が面倒なので一切作らない

  9. 仕事がリモート半分のため運動不足がいちぢるしく、また10年計画で考えれば老後を捨てて階段多めにむしろする

  10. 防音を考えると地下だが、予算以上にスコールと海抜と都市インフラの関係で洪水・浸水リスクが高いため地下室はNG

猫がいるので結局あちこちにドアがあっても閉めない。
冬はなくスコールがある地域なので、気密性よりも通気性を重視。
また、人間は夫婦だけなので大してプライバシーがない。(最低限はある)
来客があっても基本的にはグランドフロアのリビングか2階のキッチン・ダイニング、ゲストルームで完結することが多いので上階には基本的に人が来ない
ということで、あんまり仕切りやドアをあちこちには作らずできるだけオープンな間取りにしようと思っている。とにかく登場人物すべてがズボラなので今の家でも結局玄関以外のドアを閉めたことがない。トイレを含めて。

本記事では主にリビングルームについて記載する。

リビングルーム兼リスニングルームの計画

土地の関係から当地では一般的な区切りのしかたで、家の作りはかなり細長くなる。地震があればパタンと倒れる。が当地での一般的な作りでは左右の家と壁が接している(!!)ので隣近所と支え合って生きていく所存だ。
高さ制限とフロア数制限があり、その関係で家は全体的にスキップフロアになっていて前後に分かれるような形になっている。
そしてメインのリスニングルームになるリビングはグランドフロア、玄関を入って少し土間的な空間があり、吹き抜けになった階段とその下にトイレ。
そこから先はドアや壁は作らずそのまま一階がリビングになっているようなひらけた作りにしようと考えている。
窓がない代わりに採光を考えて、リビングの奥の天井はまた幅の狭い吹き抜けになっていて階段の下にトイレと分けるような形でリビング側からアプローチする小さなストレージルームがある。
窓がない分換気扇があったほうが良いのか、吹き抜けなので問題ないのか…はまだ悩み中だ。(音漏れの原因や虫の出入り口になりやすくなるので)

リビングに設置する設備や家具

  1. レコード+αの壁面収納棚:拡散・吸音を兼ねているのでスピーカーを挟むように奥の壁の中央に1.8~2mほどの高さx幅で設置することを検討しているが、後述のDJブースを壁に向ける場合は低くして横の壁沿いもしくは上部に吊り棚として設置することになる。(吊り棚はあまり好きではないが)

  2. スピーカーは棚を挟んで左右の角に設置する:もともと購入を検討していたフロア型の中型のTannoyのビンテージスピーカーを高めの位置に設置。音の響き重視でリスニングルームとはいえフロアやスタジオっぽい鳴りのする設置を考えている。
    まずはTannoy Monitor Goldの12インチで良いものがあれば最悪キャビネットは周りにサウンドシステムをオーダーして作っている人たちがいるのでLancasterタイプをオーダーして作ってもらうか…と探しているところ

  3. アンプはDJミキサーがあるためプリアンプは不要なので本当はシンプルなパワーアンプがよいが、高能率のTannoyを鳴らすことを考えると高出力は不要でせっかくならA級の高級アンプということになってしまい手が出ないので中央の棚に置いても見た目の良い中古の真空管のアンプ(当地には自作真空管アンプや日本から輸入した真空管アンプを愛用するオタクがたくさんいる)を探している

  4. サブウーファーは小型:爆音は出さないので10インチのスタジオモニタータイプのアクティブサブウーファーを設置する
    基本的にはビンテージ方面の音にするためメインスピーカーを活かす形、クロスオーバーを低めに設定してサブベース帯域の補強程度に利用予定

  5. プレイヤーとミキサーの設置:壁に向けて配置するか、部屋に向けるかはまだ悩んでいる。壁に向いていた方がソファからアプローチがしやすくリスニングルームとしては使いやすいし部屋を広く使えるがやはりDJブースっぽく部屋に向けたいという気持ちもあり決めきれていない。

  6. DJブース棚:奥行きや幅など色々と機材のアップグレード(XDJ700をXDJ1000MK2にしたい)を思うともう少し大きく作り直したいと考えているがまずは現在のものを利用。CDJを設置する二段目を木工でDIYしようと考えている。追加で下の棚部分は一つつぶしてラックレールを設置してスピーカーマネジメントシステムなどをマウントできるようにしようと思っている。

  7. 当地はそもそも朝から晩まで外がうるさいので目指す音量71~77db SPL程度であればがっつりとした防音は必要ないが、隣家と接する側は一応厚めの壁にする予定だ(住んでみて問題があれば遮音シート・ロックウールと石膏ボードを利用して100~150mm程度の防音層を増設する)

  8. ローソファとローテーブル:夫婦ともにとにかく縦になって過ごすのが苦手ですぐ横になってゴロゴロする性分かつ家が狭いので空間を広げるため食事と仕事以外の空間は基本的にはクッション系ソファなどにして地面に近い暮らしをする

  9. 吸音パネルは当地の音響スタジオ建築会社にオーダーして作ってもらう(スタジオも防音層などを施工してもらうか現在検討中)

  10. ソファの後ろに階段の吹き抜けがくるので、そこには今育てている観葉植物(背が高い系メイン)を置いてそれも一部吸音の働きをする

と言ったところだ。
機材の接続は以下のようになる。
将来的にはXDJ700を1000MK2にアップグレードしデジタルアウトからDACを通してミキサーにいれる予定。

赤文字は購入予定のもの

どのように計画を建てるか?

とにかく家を建てるのに関わるなんて10代のころに経験した実家の建て直し以来のことで、自分が主体でやるのは初めてのことなのでデザイナーから出てくる書面や3Dイメージだけだとイマイチ実際の自分の各種機材が収まるのか?何が必要なのか?広さは十分なのか?など想像が付かずドアや窓の位置など決めづらい。
そこで、計画上の各部屋の広さのデータをデザイナーにもらってSketch Upで簡易的に部屋をシミュレーション。
持ち込み予定の既存の家具や購入・構築予定の家具を合わせてそれぞれモデリングしたりComponentにあれば探して配置しそれをもとにスピーカースタンドの高さの検討、理想どおりの配置になったときの部屋の広さの確認、ソファの位置検討、吸音・拡散パネルの必要サイズと枚数などについても検討をしている。
Sketch UpはComponentがたくさんあるのでBlenderなどのような細かいモデリングはできないが、簡易的な家具や家などであれば十分シミュレーションができてスピード感があり私のような素人にはむしろやりやすくおすすめだ。個人向けFreeプランはブラウザベースで無料で使える。作ったモデルはiPadアプリなどでも閲覧できるので外で人に自慢や相談ができる。

リビングルームはスピーカーをTannoy Monitor Gold12インチにLancasterを参考のスピーカーとして実寸でモデルを作成し以下のように想定している。
これはDJブース的な配置にしているイメージだ。
ソファは奥様の担当家具なので任せており、イメージに近そうなものをおいてみてサイズ感を伝えている。
3Dモデルを作るときは実寸代の適当な人のモデルのコンポーネントを置くとサイズ感が掴みやすい。

玄関側からの風景
壁を非表示にして横から見た風景

ちなみに、本当に作るかはわからないがいつかは作りたい理想のDJブース棚についてもこのように設計してみた。
24mm厚のMDFをカットして組み合わせるだけで作れるようにすることを想定、横幅を広げてCDJ3000 2台でも配置できる大きさにしたり、棚板の後ろにスペースを設けてケーブルを通せるようにしたり、機材のラックマウント、重みで天板が歪まないように一本角材を横に通す、などなどの改善点が盛り込まれている。
とはいえ、今回は他にもお金がかかることばかりなので最初は今あるものを改良して利用しようと思っている。

改善版DJブース

スケジュール

旧正月前に大枠の計画を建て終え、旧正月明けから業者や資材等の発注などの準備を行い
2月末で現在住んでいる方々(現賃借人)の引っ越しが完了してから着工の予定だ。
そのため2月中旬には遅くとも大枠の建築計画(政府に申請して承認を取るためあとからの変更が許されない)を決めなければならない。というスケジュールだ。
実際に立ち上がって住み始められるのは9月末くらいだろう。と言われたのでおそらく現実的には11月がいいとこだろうか?と思っている。

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