朝目が覚めると、南伊豆にいた。
すでに営業をやめ、今は管理されていないペンションからは海が見えた。
子供の頃、夏休みの家族旅行でいつかこんな場所に泊まったような気がする。
どこか家庭的な客室に、ブラウン管のテレビが時を止めたまま置かれ、電話室と書かれたテレフォンボックスには今は電子レンジが佇んでいるだけ。
隣の客室から、シタールの音が聞こえてきたのをきっかけに、いつの間にか部屋を超えてのセッションがはじまった。
その中を、犬が走り回っている。
海に行く女の子。お腹がすいた頃、僕らは動き出そうとしたけれどもう一度寝ることにした。
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