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私の尊敬する人

私の尊敬する人物は天才バカボンにでくるバカボンのパパ。

小さい頃から漫画とともに育ち、
漫画家を目指していたこともある私。
トキワ荘のメンバーの中では
藤子不二雄や赤塚不二夫に憧れていた。

バカボンのパパは、常識はずれた行動をするため
毎回奇想天外なオチになってしまうのだが、
最後にパパが言うセリフ「これでいいのだ!」は、
ものすごい深みをもって私たちに迫ってくる。

そう、どんなことだって、
信じられないことが起こったって
「これでいいのだ」

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パパは普通の大人が考えるようなことは考えない。
マイペース。究極の自分軸だと言える。

新聞だって逆さまにして読んで
「また、国鉄ストか…」とつぶやいている。

真面目ぶってまともぶって生きている大人
とは違う感触に、私は夢中になった。

そう、人生は楽しめばいい。
シリアスになるなんて本当はナンセンスなのだ。

運命を受け入れて「これでいいのだ」
という世界観で生きていこう。
深刻になる前に笑ってしまおう。

きっと、幼い私の心の中に
そんな考え方の種を植え付けてくれたのは、
バカボンのパパなのだ。

でも、漫画なんてくだらない。
というつぶやきも聞こえてきそう。

まさに私の母がそんなタイプだった。
漫画を読んで笑っていると、必ず嫌味を言われた。

それでも私が家で漫画をよく読んでいたのは、
誰も構ってくれなかったから。
そのおかげで本も漫画もたくさん読んだ。
違う世界に連れて行ってくれる、
よい逃避場所だったのだと思う。


私の高校時代に、上野の森美術館で
「赤塚不二夫展 これでいいのだ!」
というものが開催されていた。
もちろん通った。

生で赤塚先生がしゃべっているのを見る
機会もあり、この上なくうれしかった。

その時に買ったニャロメとケムンパスのバンダナは、
今でも息子たちが使っている。
もう何十年も前のものだけど、
まだまだ丈夫で捨てられない。

私の人生に多大なる影響を与えてくれた
バカボンのパパ。
「これでいいのだ!」と言いながら、
こちらを見て笑っている。

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