『14歳からのアンチワーク哲学』の読書会をやります
この「ゆっくり本を読む会」では、主に文学を中心とした読書会を開催してきたが、今回はいつもと毛色の違う読書会を企画することにした。
今回扱うのは『14歳からのアンチワーク哲学』という本だ。内容は主人公である14歳の少年とおじさんニートとの対話という形式をとっており、反労働について考察するというものである。興味のある方は以下で要点を抑えることができるので、よかったらどうぞ。
この本は、まとも書房という最近できた1人出版社から発行されている。読書会では、著者でまとも書房代表のホモ・ネーモさんに来ていただき、出版経緯、アンチワーク哲学とは何なのかお話ししていただく。
そのあとみんなで労働についての違和感だったり、アンチワーク哲学への意見だったり、自由にデスカッションする。そんな流れで進めていこうと思っている。
枠はとりあえず20人用意している。本は読んでなくても構わないので、何か話したい人、とりあえず話を聴きたいだけの人、なんか気になったらドンドン参加して欲しい。
なぜこの本の読書会をやろうと思ったのか
ぼくが読書会を開催するにあたり常々考えていることだが、なるべく衒学趣味に陥ることなく、本と自分自身の実感とをシンクロさせるようなそんな会のあり方にしていきたいな、と思っている。なので、読書会では「本を読むこと」自体を目的とするのではなく、そこから如何に考えていくかを重視してきたつもりだ。そのため「読むこと」だけが中心ではなく、自分自身の言葉で「話すこと」だったり、「書くこと」を会の中に取り入れていった。
その自分自身の実感は普段くらしている日常生活の中にある。そして日常生活においてを多く占める労働は、働いていようが無職であろうが全ての人に対して避けては通れない問題としてあるのだ。
そういえば、今まで読書会で扱ってきた、夏目漱石だって、カフカだって、宮沢賢治だって、作品の中で労働についての言及であったり、メタファーがあったりする。労働について考えることは普遍的かつ、個人的な問題である。
ぼくも労働との付き合い方については試行錯誤してきた。5
〜6年前までは正直何も考えずに働いていたが、子どもが生まれ育休をとったり、コロナ禍で将来について見つめ直していくうちに、ぼくの中での労働のあり方が変わっていった。最近でも仕事をやめたり、時短で働いたりしながらどうにか自分と家族の幸せと労働のバランスを考えたりしている。
労働についてじっくり考え、今後どう向き合っていくか考えてみたい。そんな思いで読書会を企画した。
ホモ・ネーモさんについて
著者のホモ・ネーモさんは「労働なき世界」を構築しようとしている。「労働なき世界」とは以下のことだ。
これが実現できると信じている人がいることがにわかに信じがたい。しかも、ただネットで自分の主張を書くだけだったら誰でも垂れ流せるが、出版社を立ち上げ、紙の本を2000部も刷っている。それも全ては「労働なき世界」のためである。とてつもないポテンシャルだ。
ホモ・ネーモさんの主張に関して全てに同意できるわけではないが、このポテンシャルの高さには何か学ぶべきものがある気がする。
これを読んで正直、なんてイカれた考えなのだろう、と思った。しかし、ホモ・ネ―モさんの文章はラジカルで中毒性がある。ぼくは一時期、ホモ・ネ―モさんのnoteを貪り読んでいた。
読書会を開催するにあたりホモ・ネ―モさんには「『14歳からのアンチワーク哲学』を出版した経緯を話してほしい」とお願いした。ここまでアンチワーク哲学に突き動かされるのはどんな経験からなのか気になったからだ。労働は紙の上だけのものではなく、確実に現実に存在しぼく達を悩ませたり、時には喜ばせたり、それに左右されている。ホモ・ネ―モさんが現実でどんな経験をして、どうやって今の考えに至ったのか、それをきっかけにぼくらが考えることは何かしらあるだろう。
とはいっても、「どうなんだろう?」と思う主張は多々ある。読書会でファシリテーターをするので、どこまで意見を言えるかわからないが、きっかけがあれば色々ぶつけていこうと思っている。