isatoはいつかなくなるレザーブランドです
こんにちは。
私はジビエ革で小物を作っています。
今回は、isatoの将来について書いていきます。
isatoがなくなるといいと思います
始めたばかりでこんなことを言うのは微妙かもしれませんが、
isatoがなくなるといいなと思います。
もちろん、私が生きている限り、お買い上げいただいた方とのお付き合いは続けたいと思います。ほつれが出てしまったらお直ししたいですし、穴があいたらつぎあてたいです。
そのこととは別で、isatoとしての活動には、ちゃんと終わりがあると思っています。
isatoがなくなる日
ジビエレザーisatoは、獣害対策で捕まえたケモノの皮を、なるべく捨てずに活かす活動です。
獣害対策が必要なのは、山の生態系のバランスが崩れているからです。
いま、鹿が急増して、畑や山林がダメージを受けています。
人が木を切りすぎてしまったり、循環を無視した植林をしたり。
また、鹿が山の植物を食べ尽くしてしまったり、畑の作物がダメになったり。
里山は、いままさにバランスを模索している途中。だから、獣害対策という取り組みが行われています。
必要な資源を必要な分だけ山からもらって、最後は山に還る。
バランスが整うと、そんな循環が豊かになるはず。
獣害対策はいらなくなります。
そうなれば、isatoは必要なくなります。
"革をとるために鹿を殺す、ということ?"
これまでいただいた質問の中でも、特にハッとさせられたものです。この部分は、しっかりとお伝えしておきたいと思いました。
革の確保のために鹿を捕獲することはしません。
isatoは、獣害対策で奪った命を尊重するための取り組みです。
活用できずに捨ててしまうことへの罪悪感から、何かできないか?とスタートしました。
獣害対策、バランスを整えるという言い方をしていますが、
具体的には、鹿を捕まえて命を奪います。
ひとつのアイテムの大元にあるのは、一頭のケモノの死です。
誰かのお母さんかもしれないし、自慢の息子かもしれません。
たくさん作る約束はできません。
獣害対策の現状
個体数の調整を目的に行われている獣害対策。実は、捕まえた個体のうち、きちんと活用されるのはごく一部です。
お肉の活用について
ジビエ食の人気がじわじわと高まってきたこともあり、全体の1割ほどが市場に流通しています。残りは、ハンターの家庭で活用されるか、残念ながら廃棄(埋設)されています。
▲ケモノと対峙したハンターが、ケモノの体を埋めるときの気持ちです。
皮の活用について
皮は、お肉ほど活用が進んでいません。活用するためのハードルが高いのが主な要因です。
皮を腐らない状態に加工するには特殊な技術が必要です。
ハンターの中には、自分で毛皮を加工する人も少なくありません。ケモノと対峙した人にだけわかる、一頭一頭への敬意から来る行動だと思っています。
私の父も、自分でとったイノシシを毛皮にして保管しています。
しかし、家庭で加工した皮はかなり硬く、手に馴染む質感にはなりにくいのが実際のところです。革小物の制作にあたっては、なめし加工専門業者「タンナー」の協力が必要です。
おわりに
今回は、isatoがなくなる日についてお話ししました。
isatoという名前で活動するのは、私が回収できる範囲の毛皮を集めるためです。革小物と一緒に里山っていいながフワッと伝わって、それぞれの里山の小さな循環が豊かになっていけば、ジビエレザーisatoはいらなくなると思うんです。
皮を集めています
捨てたくないけどどうしようもない毛皮が定期的に出るよ、というハンターさん、ぜひInstagramのDMからご連絡ください。
https://www.instagram.com/isato.gibier/
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