【マイペースな】そんなマイペースな英語が伝わらない理由(ハートに刺さるカタカナ英語解説 Vol.9)
・あの人はマイペースな人だなぁ
という表現そのものが英語から外れているのでマイペースだ、というお話が今回の内容だ。自分のテンポを守って生きている人、という意味には残念ながらならない。和製英語を指摘し、正しい表現を代わりに覚えるような記事なら誰でも書けるが、これはSLOVARの記事なのでなぜマイペースという和製英語が生まれたのか、という面についても見ていく。
1.正しく「マイペースな」というために足すべき単語はOwn
2.なぜ日本人はOwnを抜かしたがるのか (Slovar的考察)
3.他の人に迷惑がかかるようなマイペースの場合
本記事は「シルバー記事」です。記事等級についてはコチラから。
https://note.mu/slovar/n/nd175096a55aa
*本プロジェクト詳細はコチラから
https://note.mu/slovar/n/nc5faf988afa4
1.正しく「マイペースな」というために足すべき単語はOwn
My paceにOwnという単語を足し、My own paceと言うことで始めて英語として通じる。Ownは所有者を明確にするために使われる単語だ。店のオーナーという時のOwenerもOwnが元になっている。店のオーナーは自分の店を所有するのでオーナーと呼ぶ。
ということで、
I like to do things at my own pace.
(私は自分のやり方で物事をやるのが好きだ)
のように言う。
2.なぜ日本人はOwnを抜かしたがるのか (Slovar的考察)
実は他にも、Ownを抜かすことで和製英語化したものが多く存在する。
上のように、Ownが落ちて和製英語した表現が多いが、理由は日本と英語圏の文化的背景の違いにある。
英語は個人主義を尊重する文化であるため、所有者を明確にする傾向がある。例えば、
Where is my pen ?
(ペンどこ行った?)
My father is talking on his phone.
(父が電話で話している)
のように、日本語では逐一「これが誰の、あれが誰の」と表現しない。「私の父が彼の電話で話している」と言ったら違和感を感じるだろう。もっとも、和訳の問題ではそのような日本語が目立つが....
いちいち所有者を言わないのは、日本には「察する文化」があるためだ。「言わなくてもそのくらい分かるよね」という暗黙の了承のもと会話をしているのだ。
対して英語は、そのような了解はない。「話す側が全部逐一説明するに決まっている」と考える。
このように考えれば、Ownを付ける英語表現が日本語に入る時、なぜOwnが落ちるのかがきっと納得してもらえるだろう。Ownの考え方は、日本語の文化土壌に合わないからだ。
3.他の人に迷惑がかかるようなマイペースの場合
最後にちょっとしたオマケで、他の人に迷惑がかかるくらいマイペースな (自分のやり方に固執している)人はどう表現するかを扱う。
Set in my/his/her/their ways
(~のやり方に固執している)
という表現があり、Setはセッティングのセットのことだ。一度セットすれば、固定されることから、固執という風にも使われる。
When we get older, we tend to set in our ways.
(年をとると自分のやり方に固執するようになる)
いつまでも柔軟にいたいものです。。
My car→My own carで通じる
My home→My own homeで通じる
My pace→My own paceで通じる