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この森でアカショウビンに会いたい!!

最近よく通っている森に、昔はアカショウビンがいたと野鳥に詳しい知人から聞いた。ネットの情報によると、数年前に鳴き声を聞いたとか。でも今はもう繁殖の記録はないんだろう。奈良県の絶滅危惧種とも書かれている。

だけど、毎日欠かさずこの森全てを24時間見てる人がいるわけじゃないし、実は毎年夏になるとやってきて人のいない所でこっそり鳴いたり飛んだりしてるんじゃないの?なんて思ったりもする。

私はわざわざ見に行かなくても目に入るような、とっても身近な生き物ばかりが好きだったので、あまり他の生き物について詳しくはない。なので、ずっとアカショウビンは南の方、九州・沖縄などに生息する鳥だと思っていた。まさか少し足を延ばせば見れるかもしれないなんて・・・!

私のお気に入りのこの森で、ぜひともアカショウビンに会いたい。

だから、森でサンコウチョウを探しながらも頭の片隅にはアカショウビンをおいていた。もちろん鳴き声もインプットして。

サンコウチョウの尾長バージョンを探すために、この日もずっと鳥の鳴き声に集中していた。時折、ハルゼミの鳴き声が押し寄せてくるけど、ホイホイホイも聴こえる。どこにいるかなぁとサンコウチョウの鳴き声を追いかけていたその時、

キョロロロロロロローーーーーーーッ

えっ・・・うそっっ!?これってアカショウビンの鳴き声じゃ!?何度もネットで聴いたミサイルのような声。すぐにわかった!間違うはずはない。

もう全身しびれるくらい興奮したけど、鳴き声に全神経を集中させる。

キュロロロ キュロロロ・・・ 遠くから鳴き声が近づいてくる。

マジかよ―――!!本当にアカショウビンの声!この森にやっぱりいてるじゃん!!!!とにかく必死に鳴き声のする方向へついていく。

おそらくすごく高い木の、さらに上の方にとまっているっぽい。と思うとキョロキョロ鳴きながら飛び立ってしまうから全然姿が確認できない。飛ぶ時に鳴く法則だなぁ。

そんなことを繰り返し、時々木の隙間から空に見える飛ぶ姿を確認しながら歩いていくと、高い木を見下ろせる場所で鳴き声が止まった。どうやらこの木々のどれかにいるらしい。だけど葉が豊かに生い茂り、どうにも見れそうにない。近くにおそらくいてるのになんて悔しいの・・・。

でも野鳥を追い回して怖がらせたり、ルール違反はしたくない。ここまできたら偶然現れるのをじっと待つしかない。

すると、また鳴き出した。きっと飛ぶ!どっちに飛ぶのかな。と考える間もなく、下から鳴き声が近づきちょうど私の目線の高さを通過していった。

それはすごく一瞬だけど、スローモーションにも見え、飛んでいるアカショウビンとしっかり目も合い・・・言葉に例えるのが難しいほど、すごく素敵な時間だった。まさにネットや図鑑で何度も見たアカショウビンがこの森にいると確信した瞬間だ。

だけど、結局それっきり姿を見せることはなかった。

ちなみに、鳴き声にばかり気をとられていたせいで、動画ではなくiPhoneのボイスメモで声だけ録音してしまうというショッキングな出来事も発生してしまった。これは今でも悔やまれる。目の前を飛んでいったのになぜ音だけなんだ!!!でも音だけでも残せただけマシか・・・。家に帰って何度も繰り返し聞いては感動と切なさを味わっている。

今となっては、あの時はとてつもないビギナーズラックのようなものだったんだと思うけど、まだあきらめない。アカショウビンをこの森でもう一度しっかり見てカメラにおさめたい。

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