GayaR資金調達物語~後編~ Vol.2_12
お待たせ!
あ、別に待ってないか(笑)
先週の続を書くよー
やっとここから資金調達の話が始まるんだけどね。
■転機
アプリが落ちて迷惑をかけてしまい反省したのもつかの間、
2021年の2月頃、突如アメリカに「Clubhouse」なる音声プラットフォームが登場した。
イーロン・マスクの話を直接聞けるとか
芸能人の誰それと直接会話ができるとか
瞬く間に世界を席巻したように俺は見えた。
その時
俺の脳内に「音声マーケットの幕開けの鐘」が鳴ったような気がした。
それはワクワクもあったが、それ以上に俺は焦った。
わが社の体力ではいつまでもこの緩やかなペースでしか進められない。
このままでは幕開けの波に乗り遅れると思ったからだ。
「はっ!」
「資金調達するしかない。」
俺は若い時から密かに資金調達できる人たちに憧れを持っていた。
日々流れてくるSNS上で
若手経営者が「〇〇億円調達しました!」って言う書き込み。
周りの友人であろう人たちから、賛美と称賛の嵐。
投資家はその経営者に大事なお金を預けるわけで、
無くなるかもしれないのに、だよ。
まさに、イケてる経営者の象徴のように俺は思えた。
俺みたいな3流でしかも中年経営者が
今更、出来るわけがないってずっと思っていた。
なぜならば
俺がやってきた事業は
ずっと馬鹿にされてきた下請けのSES事業だからだ。
口では見返してやろうと言っていたものの
いつの間にか俺がこのイメージに踏みつけられていたことに気づかされた。
気付かされてこうも思った。
なんだかんだ、それでも俺らは足掻いてきた。
俺はこの仕事に誇りをもってるし
このメンバーたちで作って来たし
失敗したって、繰り返し挑んできたはずだ、と。
だから今回は違う。
やらないといつまでも俺は変わらない!!
俺らが変わらない!!
まだ何も始まっていないと思った。
そう思って
気が付いたらいつも世話になってる先輩経営者に電話していた。
その先輩は俺の話を聞いて
2つ返事で
「西田、バリュエーション10億円で2000万出すよ」って言ってくれた。
そのうえで先輩は
「お前を応援する人たちからも資金を集めて見ろ!」と背中を押してくれた。
GayaRには、まだ一銭も売り上げなんてないのに・・・。
そんな言われたらウレしょんするぐらい、むちゃくちゃ嬉しかった。
それから、先輩や友人経営者たちに声をかけさせてもらって
あれよあれよと1億円以上が集まった。
中には
「この事業プランでは無理だけど、西田には1000万なら出すよ」って
言ってくれた社長もいた。
今となってはその社長がふざけてるのか?
それとも俺がふざけてるのかはもはや分からない。
※最終的にはバリュエーションを5億円ほどに落としている。
あれよあれよと集まった資金に
俺はなんだか、イケてる経営者として認められてる気がしたんだ。
資金調達の間にも
CMOやCTOと言った業務を推進してくれる人たちも仲間にしたしね。
■俺の葛藤の始まり
初期の資金はいったん集まった。
これであとは進めるだけだ。
若い頃から憧れていた資金調達がうまく進んで
ウキウキして2~3か月がたった。
日々、いまだにないマーケットを作り上げる壁にぶつかりながら
俺は日を追うごとに出資者たちの言葉が頭をよぎる。
「西田だからお金を出した」
「西田なら何とかするだろ」
西田、にしだ、にし、、、、 だから。。。
出資者の大半は上場会社の社長や資産家などだ。
当然余裕のある人たちなのは言うまでもない。
大人だし、こういう投資には慣れているし、
そのうえで、うちはたくさんある投資先の一つにしか過ぎない。
ましてや、昔から知っている先輩や友人たちだから
俺が仮に失敗したところで、その関係性が壊れるわけがない。
俺はそう思った。
そう思ってるのに
そう思ってるはずなのに
西田、にしだ、にし、、、、 だから。。。
俺は気づきたくないことに気が付いてしまった。
資金調達、それはつまり、
「俺の信用をお金に変えた」だけのことだった。
もし、俺が失敗したら
確かに投資家たちは
怒らないで残念がるだけで済むかもしれない。
みな大人だからね。
応援してくれた彼らがその時になったらどう思うのかは
それは今から知る由もない。
ただ、それ以上に、俺自身が
長年積み上げてきた信用を失うと思うような感覚を覚えた。
そう思うと気が気じゃなくなった。
信用を失う。。。
俺の資金、俺の裁量で使えるお金を
俺が溶かす分には誰にも文句を言われる筋合いはない。
だけど、出資者たちからのお金を溶かすということは
いわば俺の信用を溶かしていることに他ならない。
俺にとってそれは恐怖でしかなかった。
恐怖のあまり、悩みまくってしまった。
折角出資してもらった資金なのに
その資金を返したくなるほどに悩んだ。
失敗したらどうしよう?
資金が底をついたらどうしよう?
その悩みは半年ほど続いた。
貯めてきたちぃっぽけな信用でしかないけど
それほど俺にとって信用というのは大きい存在だと気づかされた。
■現在
長い間、うだうだ悩み過ぎたんだろうね~
ふとある日
「あ、最悪、出してもらったお金を無くしたら働いて返せばいいや」
そう素直に思えたら
なんか心につっかえてたモノがポロっと落ちた。
あれから
1年ちょっとが過ぎた。
あのうだうだとした悩みは何だったんだろう?って今は思う。
そんなこと気にしてないで
「成功させろや!」
それだけだからよ!!
まずは
実況数No1を目指して
スポーツ実況解説 = 「GayaR」 を広めるぞぉ!!