制度や組織作り以上に、大切にしている視点 Vol.63
前回(VOL.62)、前々回(VOL.61)と二回にわたって
1年以内に入社した新卒が7人もやめたことで、フォロー制度を変えた話を書かせてもらいました。
今回は、人が辞めない制度や組織を作ることも大切なことなんだけど
それ以上に大事なことを書きたいと思います。
わが社が大切にしている視点
社員たちが自己実現できるように
個人を成長させるための能力(スキル)を身に着けさせる教育環境は
会社として必要不可欠だけど、
モノゴトとの向き合い方や、思想・考え方などは
ハッキリ言って会社のちょっとやそっとの教育では
どうにもならない場合が大半だと俺は思っている。
それは、その子自身が「長年選択を繰り返して作り上げた習慣」そのものだからだ。
沁みついた習慣はそう簡単には変わらない。
積み上げた体脂肪は生活習慣そのものなのと同じことだ。
すごい覚悟をもって、ライザップに入会したものの
数か月は頑張って 一瞬はやせたとしても
退会した途端に元の体形に戻る人をいっぱい見るからね。
自分だけの意志では継続ができない人の多いことを考えれば、
なぜ、いろんな会社で高学歴の人を採用したがるか、その理由が分かる気がする。
あの面白みなど大してない「お勉強」を自分の将来(目的)のために
遊びを我慢して、長期的に、しかも継続的に お勉強を続けられる「努力」は、まさに「いい習慣」だからだ。
学歴・・・
このポイントは一番、判断しやすい材料として
あらゆる会社が見るんだと思う。
わが社は学歴こそ、それほど気にしていないとはいえ、
このモノゴトとの向き合い方、習慣や姿勢を必ず見ることにしている。
求職者の真偽を見極める
積み上げてきた習慣を変えるのは至難の業だけど、入社してからこれらの姿勢を変えられないかというとそうではない。
難易度はあるものの、郷に入れば郷に従うからね。
ただし、その場合、思想や考え方が会社と合うことが最低条件だと思う。
納得して行動し始めやすくなるから。
この思想や考え方の方向性が違うと
人は「給料のためだけに働く」って言いだして
本気にならなくてもいい言い訳として、働く人に成り下がっちゃうことがよくある。
だから、俺が制度作りよりも重要視しているのは
組織文化に合わない人たちを会社に入れないということだ。
なるべく入れないとかじゃなくて、絶対に入れない、だ!
俺が新卒説明会で
自分の会社がブラック企業だって紹介するのも、セクハラが見え隠れするのも、ちょっとやそっとのことで大騒ぎするような免疫のない人は来るな!
って言うメッセージだったりする。
時代錯誤とか言われると思うけど、ハラスメントかどうかの定義なんて言うのは、所詮、本人がそう思うかどうかだからね。
免疫のこともそうだし、わが社の考え方、思想と合うあわないという観点で
求職者の真偽を見極めることをひたすら磨くしかないと思っている。
ほんとにうちの考え方に共感してくれているのか?
向かう方向に互いの利益はあるのか?
ただ単に内定が欲しいのか?
考え方が良いとか悪いとかではなく
多くの就活生の中に入社ゴールの子たちは一定数居る。
その子たちの言っていることを鵜呑みにしすぎてはいけない。
世の中には面接マニュアルもあるし、
ウケのいい方便は何も辞めるときの為にだけあるわけじゃない。
内定を取るためにだって使われるわけだよ。
新卒紹介会社に至っては、付き合いある企業の好き嫌いぐらい把握しているし、それを含めた面接対策だって当然するわけだ。
だから、企業は内定をもらうためなら下駄を履くことぐらい織り込み済みで
ないといけないよね。
騙されない選球眼を持ち合わせることはチョー大事だと思うんだよね。
「姿勢や思想」はそう簡単に変わらないことを思えば、
入社後の制度作りよりかは
この入社前の選考プロセス設計において、合わない人を弾くということは
求職者にとっても会社にとっても むちゃくちゃ大事なんだと思う。
いくら奇麗な女子だとしても、イケメンだとしても、
性格が合わないと、仮に付き合えたとしてもすぐ分かれちゃうのと同じだ。
すぐ分かれる、影響し合えない関係って
互いの長い人生にとってあまり意味をなさないからね。
PS:方向性の違い
週末に、草野球で勝とうが負けようが
汗を流した後のビールを楽しみにしてるおじさん方にとって、
メジャーリーガ並みの激しいトレーニングメニューなんて興味ない。
そんなオヤジチームに居て、ガチでトレーニングした日には
下っ腹が出てるチームメイトに「何を必死にやってんだよ、気軽に行こうぜ!」て冷めた目で見られるに違いない。
でも、なぜかこういうカルチャーのチームなのに
勝ったらもっとビールがうまいんだろな~って、皆が思うし
どっかでプロ野球選手が助っ人で来てくれないかな~って
口開けて願ってたりするものだ。
まずプロ選手はこんなチームに来ないけど、
仮にまかり間違って来たとしても、すぐにやめるじゃんか。
こんなこと当たり前じゃんか。
目指すところが違うんだから、チームカルチャーに合うわけがない。