経営者が孤独なわけ Vol.70
この間、人事から聞いてびっくりしたんだけど、年間で新卒応募が2000人ほどいるそうなんだ。
うちの癖にびっくり!!
おいおい!学生諸君、正気??
俺が面接するのは最終選考だけだから、まぁ~年間で50人ぐらいかな。
この間、面接で学生さんに「なんか質問はありますか?」って聞いたら
「経営者って孤独なんですか?」って斜め上から質問が飛んできたから
今回は少し趣向を変えてこれを書こうと思う。
経営者と社員の違い
一般的には
経営者と社員では
役割と責任の違いからモノゴトの見え方が異なると言われる。
見え方が変われば、判断も変わるし、判断が変われば行動は変わる。
体験が変わるんだから価値観の違いが生まれるのは当然だ。
経営者:やる事業を決め、人を集め、人を動かし、対価をもらって、お金を払う
社員:やることを決められ、集められ、動かされ、評価してもらって、お金をもらう
極論を言えば
『決断する人』と『他人の決断にゆだねる人』に分かれていると
言えるんじゃないのかな~って思う。
なんか嫌な感じに見えてたらすまん
だけど、役割の違いから
こんな見え方なんじゃないって話だ。
社員の多くが経営者と同じ価値観なら
経営者もわざわざ、外部の社長と交流しなくても精神衛生を保てるんだろうけど、残念ながらほとんどの中小組織の中には経営者と同じ役割はそんなに必要ではないから経営者と同じ価値観の人は生まれない。
・経営にかかわる重大な決断をしないといけない
・お金の危機や経営の悩みは社員と共有できない
・倒産=自己破産
・逃げられない、他責に出来ない
・信頼した社員に裏切られる
・・・などなど
どんな状況においても決断とリスクテイクを繰り返す、
その代わりにより多くの利益を獲得するのが経営者だ。
社内に理解者がいないことによって生まれる孤独感
ちなみに俺はここ数年、孤独感を感じたことはない。
経営者としてイマイチだからなのか
中年になって鈍くなったからなのか、
ただ単に不感症なのかは分からないけどね(笑)
経営者の肩書を持った23歳ぐらいの俺は理想の経営者像を持っていて、その役を演じていることに必死だった。
この演じている間はずっと孤独を感じていた。
無知な自分、
出来ない自分、
非を認められない自分、
意味のないこだわりが捨てられない自分、
ダサい自分を他人に見せられない、
特に社員に見せられないモノゴトを多く抱えてた時の俺は孤独を感じてた。
その孤独感を埋めるために、一部の限られた近しい社長たちとつるんで夜な夜な飲み歩いてた。
ただの傷のなめ合いのためにね。
自己開示出来たきっかけ
何年かして作ってる自分では意味がないと理解した。
無知な自分でいいじゃん 学んでいけばいいだけだから
出来ない自分でいいじゃん だから社員に助けてもらうんだから
非を認めればいいし、こだわらなくてもいい、モノゴトが進むんであればね。
そう思えるようになってから、
自己開示ができるようになった。
社員の知識を増やす意味でも
俺が説明責任を果たす意味でも
財務を社員に開示すればいい。
経費でキャバクラ行く意味を問われれば説明すればいい。逆に言うと説明できないことにお金を使うなってことでもある。
社員の視座を上げる意味合いで
経営にかかわる俺の悩みだって共有すればいい。
俺がどう悩んでどんな葛藤があって、どういう価値観を大事にしてモノゴトを決めているのか?知ってもらえばいい。
俺が女好きなのも、適当なのも
隠したところでどうせ見透かされるんだから、
だったら、最初から開示すればいい。
開示したがために離れた社員もいたけど、
所詮それぐらいの関係性だし、
所詮は俺が人としても経営者としても未熟なだけの話だ。
開示してから何年もかかったけど、社内で俺の理解者は増えた。
理解者というよりかはどうせあいつは・・・って
諦めた人たちが増えたのかもしれないね。(笑)
その結果、俺は孤独を感じなくなった。
これは経営者に限らないと思うけど
サークルでもバイト仲間でもママ友でも家族でも
どんなコミュニティに属しようが、理解者が居なければ孤独を感じるんじゃないかな。
最後に
孤独を感じたくなければ
自己開示して理解される努力ってのが大事なのかもしれない。
となると、一番は自ら先に相手を理解することを努力することを欠かすことはできないよね。
次回は、社内で理解者を増やすために
価値観の共有や視座の上げ方でとってる方法を共有するね。
PS:
経営者:やる事業を決め、人を集め、人を動かし、対価をもらって、お金を払う
社員:やることを決められ、集められ、動かされ、評価してもらって、お金をもらう
お客様:発注することを決め、業者を集め、業者を動かし、対価をもらって、お金を払う
この観点で行けば
実は経営者もまた社会から評価をもらうってことは、社員のそれとは変わらないから悪しからず。