〜白血病になった25歳〜 7. 大阪から帰るよ
その日の仕事は長丁場だった。
某ホテルでのイベント開催の運営だったが仕事内容はあまり体力を必要とするものではなかった。
朝から少し体が重い体調、そして顔がほてるような、熱っぽいようなそんな感覚が常にあった。
(きっとホテルの中が温かいからだろう)
(人間は悪い事でも自分の都合に合わせて良い方にしか考えないんだなぁ)
この記事を書きながら思いました。
休憩を挟みつつ仕事をこなしていたが、明らかに熱があるような体調だった。
(またコロナかなぁ)
そんなことも考え感染対策は怠らないようにしていた。
そして業務終了後、東京へと戻る時が来た。
行きは先輩と2人だったが帰りは1人で帰ることになった。
(せっかく大阪に来たのだから観光したいな)
だがそんな事をしている余裕はもちろんなかった。
最後まで大阪を感じたい。そう思って新大阪駅でたこ焼きを食べた。2日連続だった。
ただ体調はというと絶不調。たこ焼きは完食できたが、眠いのか体がだるいのか体が思うように動かない。
(少し寝てみるか)
たこ焼き屋さんで寝てみた。2人席を1人で足を組んで寝始めた。きっとそんな客は他にいないだろう。
10分後、グッドモーニング。特に体調は変わってなかった。
(これはもう東京に早く帰って休んだ方が良い)
観光を諦めて新幹線に乗った。
その日は土曜日の夜。新幹線は8割方埋まっていた。
2人席の通路側に座ったが横には別のお客さんが座っていた。
変わらず鉛のように体が重たく、やっとこ座れた。そんな感じだった。私はすぐに寝にかかった。
目を覚ますと浜松駅周辺を通っていた。
(あと半分くらいだ)
そう思っているのは束の間ですぐに体が震え出した。
(ううう、、、寒い。。。)
新幹線の車内は暖かいはずなのに、寒くて震えが止まらなかった。隣の人も気づくくらいの震えだったと思うが隣の人も寝ていた。
(こんなに快適な新幹線なのに震えてるのは絶対おかしい)
もはや自分の体がどういう状況なのかもわからなかったが、とにかく安全に家に帰ることだけを考えていた。
あともう少しで乗り換え駅に着く。
しかし体はかなり限界に近づいていた。
(早く帰らなきゃ)
その事をひたすら考えて新幹線を降りた。