〜白血病になった25歳〜 4. 帰り道のフラフラ
それから数日経ったある日。
いつものように仕事場から帰っていた。
職場から1番近い駅までは徒歩で10分くらい。ぼーっとしながら一日を振り返りながらゆっくり歩いていた。
すると突然、
「おっと」
誰かに押されたような感じでよろけた。
もちろん誰かに押された訳でもなく、風が吹いていた訳でもなかった。人通りが多い中で一歩でもつまづき、人にぶつかったら一大事。
(よっぽど疲れてるんだな)
(今日は早く帰って寝よう)
そう思いながら電車を乗り継ぎ、家に向かった。
ここまで連日体の不調が立て続けに起こったのは今までにない。その当時は疲れかコロナの後遺症だと思っていたが、今思えばこれは典型的な貧血の症状だった。
自分の中で「貧血」という言葉はもちろん知っていたが、症状としてどのようなものなのか、フラフラしていたがそれが貧血だとは思ってもいなかった。
今思い出す範囲で貧血と思われるものは
・電車を降りる時につまづきそうになる
・立ち上がって1歩目、2歩目を踏み出した時によろける
・集中力が切れて頭がぼーっとする眠いような感覚
・片足で立った時に少しよろけそうになる
これらを「疲れ」ではなく「貧血」と自覚していればもう少し早く病院に行けたのかもしれない。
そして無事家に着いたところで時計を見れば22時。
ご飯も食べていないし風呂も入っていない。
(こんな日が続いてるから疲れてるんだ)
なんだか確信に変わった気がした。
しかもその次の週には1泊2日の大阪出張が控えている。
(来週は本気で生活リズム整えて万全の体調で迎えなきゃ)
そう決心してその日を終えた。