【創作小説】飢餓不死鳥喰 第六夜
十五、虚言
侍女「はい、妾は確かに聞いたんです。奥様の割れんばかりの悲鳴を…。でも何事かと駆けつけた時には、既に奥様の姿はそこには御座いませんでした。なにしろ最近、奥様は常にお人払いをなさっていて……ええ、そうなんです、あの雛を拾ってからというもの、奥様の雛への愛着ぶりは…不謹慎を承知で言いますが、あの先に身罷られた黒王様を思い出させる程で…。雛に与える食事だって、喪中なのにも関わらず奥様が表立ってあちこちの国から取り寄せてらしたし、御自分の手をわずらわせてお作りになってい