🎬『正義の行方』
GW最終日は8時半過ぎに目覚めたこともあって、朝イチでユーロスペースへ。
飯塚事件を扱ったドキュメンタリー🎬『正義の行方』160分近い長尺作品。
NHKで放送されたドキュメンタリーを元に再構成された作品で、
警察、弁護士+容疑者の妻、地元マスコミ…と三者三様の立場での話を淡々と映し出してゆく。
そこに被害者遺族、裁判官らのコメントはなく、構成されている証言者の証言尺、及び証言の選択にDのスタンスが全く反映されていないとは言えないだろうけど…極めて淡々と。
もちろん、三者それぞれのスタンスがあるから、それぞれの話を聞くたびに、その話に“うんうん”と頷いてしまう。
一点、決定的に足りないのは(死刑執行されてしまった)容疑者自らの言葉。
取り調べの途中からは、ほぼほぼ(否認&)黙秘を貫いていたと、映画内では話されていたから、致し方ないのかもしれないけど。
それと(死刑の執行後に)西日本新聞社の(自らをも含めた)“検証”キャンペーンを行なうという英断は、ア・プリオリに企業体であるマスメディアとして本当に凄いことだと思う。
事実は間違いなくひとつしかないはずなのは分かっているとはいえ…結果的に最後までそれは明らかにはならないから(司法的には死刑執行がなされ、加えて再審請求がされている状態)どうしてもモヤモヤは残る。
ことの大小はあるものの、社会でもこういう構図は毎日のように起こるわけで、人間の営みの中では逃れられないことなのだろうとも思う。
だからこそ生活していく中では、誰にとっての“正義”なのか、自らの“正義”はどこにあるのかを常に考える必要があるはず。
たしかに芥川龍之介の『藪の中』のような構造にも見える事件なのだけれど…鑑賞後、事件のあらましを少し調べてみたら、映画内では触れられていない事実が2、3あり、この2、3の事実は予断を持つに余りある内容のような気も。
木寺一孝監督が自らまとめた著作も読んでみることに。
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