譜面制作マニュアル -初級編-
こんにちは、しゅらふです。
プロセカの創作譜面を作り続けてもう2年近くになる者です。
この記事では、プロセカに限らず色々な音ゲーの譜面を作るにあたって最低限遊んでて楽しい譜面になるような基礎をまとめてみました。
初級編の内容を踏まえ、十分楽しい譜面が作れるようになったら、トレースノーツの使い方や例外的な配置を紹介したりする中級編を読んでいただければと存じます(まだ書いてない)。
なお、音源の編集やオフセット合わせなど基礎以前の話は省略しています。
0.読み始める前に
最低限の用語と仕様がわかっていないと説明が難しくなるので、腐食氏の仕様解説動画を事前に見ておくことを非常に強くお勧めします。
1.前提
譜面は作るものではない
これは個人的な思想なのですが、譜面制作においては
「新しい配置を作り出す」ことよりも
「既存の配置を当てはめる」ことの方が重要です。
すなわち、譜面制作というのは自分が楽しいなと感じている配置を曲に当てはめていく作業であると考えます。
まずは、曲調が作る曲によく似ていて、自分が楽しいと感じる本家譜面を10譜面程度選んできましょう。
できる難易度で作るべし
アホみたいな高難易度譜面に惹かれて創作譜面を始めたのかもしれませんが、音ゲーの譜面というのは(一部を除けば)テストによる調整を重ねてやっとこさ形になるものだと感じています。
なので、自分がプレイしてクリアはできる程度の難易度を作りましょう。
FCとかしなくてもクリアさえできれば十分です。プレイする気もさせる気もないなら勝手にしてください
ギミックは慣れるまで触るべからず
アホみたいなソフランに惹かれて創作譜面を始めたのかもしれませんが、まずは普通に遊べる譜面をつくるべきです。
文字譜面とかも不親切にしてしまう原因なので控えましょう。
2.使う指の本数を決める
APとFC、それぞれを取るのに常識的に考えて何本指が要るのかを決めましょう。
本家譜面を例に挙げて説明します。
88☆彡のEXPERT(Lv.26)。
この譜面はAPでもおおよそ2本指で十分ですね。
(基本的にEXPERT以下は2本指で事足りるようにすべきです)
つづいて、ビタチョコのMASTER(Lv.31)。
この譜面は同時押しは二点まででFCやクリアを取る分には2本指でなんとかなりそうです。
しかしこのように、APを取るとなると2本指で連打するには厳しい配置が飛んでくるので4本指が必要そうです。
もしこの譜面が作られた時、最初から4本指を使わせる譜面と決めていたなら、この譜面で全体的に指押しが多いことにも納得がいくと思います。
詰まるところ、なぜ最初に使う指の本数を決める必要があるのかというと
「2本指だけでAPまで取れる」→「指押しは控える」
「APには4本指が必要」→「指押しで難易度の底上げ」
というように最初から譜面傾向を大雑把に固めることができるからです。
説明が難しいけどクソ譜面にしないために一番重要なところでもあるので頑張って理解してください。お願いします。
3.不親切な配置を控える
始動が左右どちらか?
一旦APPEND譜面は考えないでください。
こんな感じの譜面があったとしましょう。
この譜面、こうしてエディタ上で見る分にはロングを左手で取ればいいとわかります。
しかし、実際のプレイ画面では奥から流れるように降ってくるのでロング終点と同時に置かれているタップは見えないはずです。
ではこのタップを隠した画像がこちら↓
そうです。左右どちらの手でロングノーツを取るべきかというヒントがありません。もし右手で取ろうものなら交差が必要になってしまいます。
同様に、こんな感じの連打があったとしましょう。
左右交互に押すとして、エディタ上なら右手から入ればいいことがわかりますが、先ほどと同様に考えて実際のプレイ画面ではこのように見えるはずです。
ここしか見えないと、右から入るべきか左から入るべきかがわかりません。
右手から入らないと交互じゃ押せなくなるのに、そのヒントがどこにもありません。
この「ヒントがない」配置を「不親切な配置」とひっくるめて呼んでいるわけです。
しかし、不親切な配置というのはこれだけではありません。
フリックの動きに無理はないか?
一般的にプロセカのフリックはカスだと言われています。
実際カスで、ユメステとかのフリックに比べて大きめな動きを要求され、一定以上動いていないとMISS判定にされるというなんとも残酷なカス具合です。
なので、フリックを置いたあとにはある程度余裕を持たせましょう。
目安としては、8分音符1つ分空けておくと安全です。
ただ、BPMや前後の配置次第で想像以上に忙しくなるので、何度もテストプレイしてやりにくくないかを確かめながら調整すべきです。
方向指定フリックを使う場合は左右も考慮しなければなりませんが、通常フリックと考え方は同じです。
ロングノーツの動きに無理はないか?
ロングノーツとは見た目通りになぞるノーツで、プロセカをプロセカたらしめている特徴的なノーツでもあります。
このノーツは8分音符刻みで判定がありますが、それは逆に8分音符の地点で自然になぞれる位置に中継点を置いていれば無理な動きをしてもいいということです。
どう考えてもロングの形通りになぞることはできませんが、おおまかな動線をなぞったり一定の場所を押しっぱなしにしておけば判定は回収できるようになっています。
交差するロングノーツについても同様のことが言えます。一般に、重なっている場所で持ち替えれば指を交差させなくても判定が回収できるようになっています。
(ちなみに回りくどく説明すると、左右に分割して認識していると捉えれば重なっているタイミングで持ち替えさせる誘導が成り立っているのが分かりますが、逆にそういうとらえ方のできない持ち替えはヒントが足りず不親切であると言えます。)
さて、話がちょっとずれたので強引に戻します。
結局何が言いたいかというと「見た目通りになぞってミスが出ない」ようにすればいい、というだけです。
4.ノーツ幅の変化を生かす
意外といわれることがないのですが、ノーツ幅を制限なく扱えるのはプロセカの大きな特徴です。ノーツ幅の変化は認識難を作るのにつかわれますが、それ以上に曲の盛り上がりを表現するのに使えます。単純に小さければ小さいほど落ち着き、大きければ盛り上がりを表現できます。こう考えるとユメステの5鍵スプリットって欠陥ですね
このとき留意するポイントが2つあるので具体的に説明します。
1.基準の幅を決める
「1~12の中央値を見ると、1~6幅ノーツで落ち着いて7~12幅ノーツで盛り上がるのか」と考えそうになりますが、実際は6幅ノーツを落ち着いたシーンに置くことはそんなありませんし、サビを12幅ノーツまみれにすることもありません。
なぜかというと、たいていの譜面では基準とするノーツ幅が決められていて、それより大きいか小さいかで盛り上がりを表現しているからです。
HARD~MASTER・APPENDでは基準のノーツ幅は2~4幅とされることが多く、その範囲で決めておけばまあ問題ないと思います。
2.小粒の使い方
これは基準を2幅としたときに顕著なのですが、基準より小さいノーツを置こうとして落ち着いたシーンに1幅ノーツを乱用する人がいます。その考え方は全く正しいのですが、少し冷静になりましょう。1幅ノーツは見た目も判定も激狭の小粒です。なので、非常に神経を使う押しにくいノーツになってしまいます。対して2幅ノーツはそこまで神経を使うことなく押せますが、見た目は十分に小粒です。曲の落ち着きを表現するだけなら、たいてい1幅は必要ありません。ほかの幅のノーツを組み合わせないようにすることで十分落ち着きが出せるはずです。
長々と語ってきましたが、結局盛り上がりは感覚的なところに依存するので深いことは考えず「なんとなく」で作っちゃっていいと思います。
そのうえで迷ったら参考にしてください。
以上、譜面制作の基礎でした。
中級編ではトレースノーツや認識難、例外的な配置の使い方を解説していく予定です。
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