「前編:あんこと黒糖とディープなちむどんどんとマクロでオポチュニティな地元」
今月から、NHKで連続ドラマ「ちむどんどん」の放送が開始された。
既にご覧になられた人も多いはず。
私は見るつもりはなかったが、たまたま昨日の朝
自宅のテレビがついていて、
「ちむどんどん」が放送されていたので見てみた。
ドラマ中に出てきた、東京からのお土産として頂いた、
もなかのような、お菓子のあんこの味を述べる女の子の様子に
思わず失笑してしまった。
なぜなら、一言で言えば「沖縄のより東京の方が美味しいさー」という主旨を述べていたからだ。
たしかに、ドラマの時代設定は第2次世界大戦後すぐだと思うが、
それは今も昔も変わらない事実だからだ。
とはいえ、沖縄にも美味しいあんこのお菓子があるのかもしれないが、
私の家族は、むしろあんこのお菓子に限っていうと、
とらやの羊羹や広島の桐葉菓(とうようか)といった沖縄県外のものを
こよなく愛している。
(余談だが、私は京都の阿闍梨(あじゃり)餅が大の好物である。)
そのシーンを見て、あーと思ったことか。
そうは言ったものの、沖縄にも他所にはない美味しいのはもちろんある。
黒糖を原料に使用した「タンナーファックルー」や「黒糖ケーキ」は格別だ。
いずれも、自宅でいただくだけでなく、職場でのバラマキ菓子にも適しているものである。ただ、一つ注文をつけると、一つひとつ小分けされたのが複数個入ったバージョンがあるといいというのがある。もしこのことが実現されるのであれば、今月から施行されたプラスチック資源循環促進法を鑑み、小分け包装をプラスチックではなく紙で、というのが望ましいのが実状だ。
それはさておき、先日地元紙の記事で産学官民連携組織が
ちむどんどんを絡めて、沖縄をPRする取り組みを始めたことが掲載されていた。
この組織が取り組みの参考として挙げるものに、2001年に放送されたドラマ「ちゅらさん」によって生み出された沖縄ブームがある。当時の沖縄ブームを第1とすれば、今回は第2のとなり得る。しかし、決して私は第2の沖縄ブームの創出を否定したいわけではないが、今回のブームの創出には懐疑的と考える。そう考える理由として、3つの理由がある。
1つ目の理由に、依然として沖縄県内におけるコロナウイルスの感染者が下げ止まりしない傾向がみられることが挙げられる。
ちなみに、今日の感染者数は前週を上回った。一方で、最近コロナの感染者は増えているけれど、これまでのコロナウイルスの流行とは異なり、中等症以上に該当する感染者が減少しているほか、国民へのワクチン接種が進んでいるのと、希望さえすれば飛行機の搭乗前にPCRあるいは、抗原検査を受検できる体制が整っているのだから、以前ほど気にしなくてよい、早く5類感染症に分類すべきだ、という声があるのかもしれない。ところが、コロナウイルスの検査体制は拡充されるにしても、状況によっては比較的医療機関が整備されている都市部においても、コロナウイルスと判明するまでには申告から2-3日を要する場合があるほか、コロナウイルスの治療薬を安定的に調達できないという現状である以上、コロナと生活を切り離して考えるのはまだまだ難しいといえる。とはいえ、コロナウイルスの第1波と比較すると、明るい状況になっているのは間違いない。
このことから、短期的にみると沖縄に県外から多くの人に足を運んでもらうというのは難しいと、いえる。しかし、県外にあるアンテナショップのわしたショップや県外のスーパーマーケットやコンビニとの連携した上で沖縄フェアを行うのは不可能ではない。このことをきっかけとし、長期的にはコロナが落ち着いたタイミングで沖縄に県外から足を運んでもらうというのもありなのかもしれない。
ここから話を脱線させて、テレ東が全国放送を装っていたことで謝罪し話題となったのは久しい。実際、その謝罪広告が言っているのは事実で、テレ東が直接放送されない地域では数日から数ヶ月経って、テレ東を系列局としない地方のテレビ局でテレ東の番組を視聴できるからだ。しかし、毎月お金さえ払えばテレ東オンデマンドで何日も待たずに視聴はできたが、地方でテレ東の番組を時差を気にせず視聴するには、お金を払う必要があったのだ。あるいは、BSに対応するアンテナを設置しBSテレ東を視聴するというのでお金を払う必要があったのだ。それがお金を払わずに、時間帯によってはリアルタイムで見れるのだから、それは地方から住む人からするととても嬉しいことだ。大袈裟かもしれないが、テレビのパラダイム・シフトがじわじわと起こったようなものである。
TVerでテレ東の視聴ができるのは嬉しい反面、地方に住む人にとって紛れもない不都合な事実があり、それは何かというと、TVerを通じて録画ができない、ということだ。そのため、TVer内で視聴可能期間の間に、再び番組を見たければ、その期間内に見なければならない、のである。
ここで、上記でパラダイム・シフトと評しているのは、テレ東が放送する番組にはワールド・ビジネス・サテライトという良質な経済情報を放送する番組があり、それを視聴することで人びとの経済に対する見方が変化すると、個人的に思うからだ。ここでいう見方とは、ただ指標や数字を知っているというのではなく、なぜ、どうしてそれに至るのかという流れをも理解している、というものだ。
話戻って、上記で挙げたフェアをするのであれば、TVerとも連携させて、
沖縄だけで放送されている、沖縄のご当地グルメを紹介する「アゲアゲめし」を一定期間無料でTVerを通じて視聴できるのを併せてPRしてもいいのかもしれない。
加えて、アゲアゲめしで放送された内容に関しては一部ガイドブック化されているので、それも併せてPR商品と一緒に並べていいし、
イベントでアゲアゲめしのMCである方を登壇させトークショーが開催されてもいい。このことが、沖縄のご当地飯の認知度上昇となると同時に、アゲアゲめしという番組が沖縄で放送されていることを県外の方に知ってもらうきっかけとなり得るのだ。
そのことが、ゆくゆく、県外の方が沖縄に行くとなって、ご当地飯を味わうならどこがよいか参考にする手段の一つがアゲアゲめしで放送された内容になるのかもしれない日がいつの日か訪れるのかもしれない。
2つ目の理由に、2001年と大きく異なるのが情報伝達手段にインターネットが加わり、テレビやラジオ、新聞といった既存のメディア以上に影響力が増しているという点だ。ところが、インターネットがメジャーな世の中とはいえ、近年テレ東が他局にはない、ユニークな番組を放送しているという点で人気を集めているのは記憶に新しい。そうした点から、インターネットも既存のメディアも活用しながら、どのようにして人々にユニークな形で心を掴むかという視点もプロモーションの施策を企てる中で必要だと、考える。それで最近、面白いと感じたプロモーションの一つに、相互を尊重した上で、なぜかあるサービスが別のサービスをライバル視している広告というのがある。
例えば、下記のリンク先の記事に詳しい説明を譲るが、
東京で掲載された、バーガーキングの広告が挙げられる。
また東京で掲載された、NetflixとTinderの広告も挙げられる。
こうしたジャンルの広告は、沖縄を題材に、というのは現時点で存在しない、と思う。そこで、沖縄を題材に、というのはどうだろうか。
またメディアの枠を超えてというので、今年から公開されて話題を集めている映画、ミラクルシティ・コザとちむどんどんを組み合わせたうえで、広告を打ち出してみるのはどうだろう。
(注意)ここで私は両者を意図的に対峙させたいのではなく、両者の魅力をそれぞれ伝え合うという観点から記している。
大まかにはなるが、ストーリー中に登場する地域や時代設定が両者ともに異なる。広告を打ち出すことで、それぞれの違いを扱った認知を人々に対し訴求できることが見込まれる。また自治体を題材としたものであってもいい。2つの自治体の相違に関して、広告に打ち出すことで、2つの地域に対する、それぞれの地域の違いに対する認知が人びとの間でなされることが期待できる。
2つ目の理由には続きがある。それに関しては、後編で扱っていきたい。
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