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洋画~アメコミなど海外夢界隈の歩き方

「英語圏は夢小説の宝石箱や~」とは私の言葉ですが、実際ある程度ポピュラーな作品であればどんなマイナーキャラでも必ず一作は夢小説が存在しているのが英語圏です。しかも日本語圏のような検索避け等のワンクッションが存在せず、然るべきワードを打ち込めばGoogleの検索エンジンからでもゴロゴロと夢小説が出てくる。なんともおっかないですが、興味をそそられる世界だとは思いませんか。

さて、この記事ではまず夢小説の読者様向けの「英語圏作品における夢界隈の歩き方」(主な夢小説サイトの一覧、検索の仕方、用語説明などなど)を説明した後、おまけとして英語圏と日本語圏における夢小説の扱われ方の違いなどをさらーっと紹介していこうと思います。
※悪用目的の閲覧、無断転載はお止め下さい。


これだけは覚えておけ!検索に必須なコレ

まず英語圏では「夢小説」と=で繋がる言葉はあまりポピュラーではありません。一応あることにはあるのですが、基本的にはこちらの

「○○ × reader」

という表記がもっとも使用されています。そもそもこの熟語を知らないと英語圏の夢小説を見つけることは困難です。この熟語は○○×夢主(読者=reader)という意味合いで、○○に任意のキャラクター名を入力することでそのキャラクターの夢小説を探すことができます。
Googleの検索エンジンにそのままぶち込んでもOKですし、後述するオタク向けサイトに入力すれば、より沢山の夢小説を漁ることができる魔法の言葉です。

※ここでちょっと重要なポイントになりますが、「○○」に挿入する名前は必ずフルネームにしましょう。例えばアメコミ原作のキャラクターだと世間一般ではその本名よりもヒーローとしての名前のほうが有名なケースが多いですが、夢界隈では本名がベースです。もちろんヒーロー名のタグをつけてくれている書き手さんもいらっしゃいますが、長年英語圏の夢小説を漁ってきた体感として、本名でタグを検索したほうが確実です。

夢小説が見つかるサイトたち

Tumblr

「オタク向けブログ機能付きTwitter」という印象。個人的最大手
Twitter(現X)のあれこれで名前を聞いた方やアカウントだけ作ってみたという方も多いんじゃないでしょうか。こちらのサイトは基本的に短編中心で、その他にも「Headcanon」と呼ばれる「小説まではいかない設定集」のような投稿が充実しています。高校英語をきちんと終わらせていれば英語初心者の方でも自力で読める作品が多いので(英語が第二言語の方もたくさんいます)初心者の方はとりあえずここを覗いてみるのが安牌です。

※また、Googleなどの検索エンジンから直で調べた場合にしかでてこないような個人サイトに近い形のTumblrページも存在しますので、注意深く調べるのがオススメです。

Archive of Our Own (ao2)

洋画界隈では割と名の知れているこちらの小説投稿サイト。
前述のTumblrほどの量はありませんが(覇権ジャンルであれば話は別ですが)そのぶん量より質の重厚感のある長編が読めます。文章の多さに比例して高い英語力を求められるケースが多いので、まとまった時間と翻訳と辞書の準備をしておいた方が安心です。

※ひとつだけ注意なのが、こちらのサイトでは「○○ × original female/male character」という似て非なるタグのお話もまた結構な数があります。いわば作者の固定夢主が登場する作品になりますので、タグの確認が必須です。

Wattpad

短編中心のTumblrと長編中心のao3の中間を担っているのがこちら。
連載作品と短編集が中心の創作サイトになります。こちらはホームページから検索するというよりかは、Googleなどの検索エンジンから前述の「○○ x reader」で調べて出てきたWattpadのサイトから読んだ方が手っ取り早いです。

用語集

日本語圏の夢界隈にも独特な単語がいっぱいあるように、英語圏の夢界隈でも独自のワードが多数存在しています。流石にすべてを網羅するのは難しいので、とりあえずここら辺を覚えておけば読みたいものが見つかる最頻出ワードを抜粋してご紹介します。

「y/n」

初見殺し単語第一位です。「your/name」を略した形になります。
「Hey, y/n! How are you?」といった用法で使われ、いわば「ナマエ」です。上記のサイトのほとんどには名前変換機能が存在していないので、こういった単語が重宝されています。
バリエーション違いでは「L/N = Last/name(苗字)」などがあります。

「× fem!reader」

これはFemale(女性)を短縮したものを属性をあらわすクエスチョンマークの後ろに置いたもので、つまりは「×女主」の意です。
性別を表す他のタグでは「 x male!reader(男主)」「x gn!reader(性別に関わりのない夢主)」などが存在し、それによって夢主を指す代名詞がSheかHeかTheyに変わるわけです。英語圏の夢小説は基本的に「You didn't know about~」のように「あなたは~」と夢主を指すのであまり気にしなくてもいいのですが、このように性別指定がついている作品はその性別特有のなにかが作品に関わっている可能性が高いということになります。
性別以外の属性であれば「 x spy!fem!reader」という風にスパイという職業を属性として付ける場合や「x plussize!male!reader」などプラスサイズという体型を指定する場合などがあり、ここからは単純に書き手の設定なので検索の際には気にしなくて結構です。

※ただの「x reader」の場合でも、基本的には女主が多いです。

「Headcanons」

直訳すると「頭のなかの正典」つまり「夢カプ設定集」です。
もしあなたが仕事で疲れてたら○○はこんなことをしてくれるだろうとか、あるいはこんな風に出会って付き合って……といった設定を箇条書きでまとめてくれている投稿が多いです。小説よりもあっさり読めて、かつ一度に沢山の萌えシチュを消費できるので実はこっちのほうが読んでて楽しいまであります。
※「~would include」や「~imagines」も大体コレといっしょです。

「Fluff, Angst」

どちらも作品の雰囲気をあらわす言葉です。
簡単に言えば「Fluff」はほんわかした明るいお話、「Angst」はもやもやっとする展開(例えば浮気を勘違いされるとかするとか)を含む暗めのシーンがあるお話に使われます。検索ワードとして使うことはないですが、作品を選ぶにあたって重要なワードになりますので覚えておくと使えます。

「Smut, NSFW」

こちらはどちらも同じ意味で「成人向け」になります。
この単語をSummaryに見つけた場合、残念ながら未成年の方は読めません。
英語圏の夢小説は行為の描写がかなりガッツリなので「Not Safe For Work(仕事中に読むのはオススメしません)」というのも頷けます。反対に「SFW」の場合は全年齢向けです。

「OneShot」 

日本語圏でいうSSみたいな感じです。短編よりちょっと短いかどうかの差なので、あまり気にしないで大丈夫です。

「Friends to lovers, Enemies to lovers」

「友達から恋人へ」「敵同士から恋人へ」言葉そのまんまです。
これはカプがカプになる前、友達だったのか敵同士だったのかの表記です。

(以上、追加するべき単語が見つかり次第随時追加予定です)

おすすめの翻訳サイト

当たり前のことながら、英語圏のサイトで投稿される小説は全編英語です。
とはいえ英語の小説は日本語のそれと比べれば読みやすい傾向にあるので、優秀な翻訳機を傍らにコツをつかめばそこそこのペースで読み進められるかと思います。

DeepL

ぶっちぎりでオススメの翻訳サイトです。
Google翻訳に入れたら「は?」ってなる文章もここなら八割方それなりの綺麗さで訳してくれます。無料のソフトをダウンロードすればテキストを選択しただけでワンクリックで翻訳してくれるようになるので、夢小説巡りがかなり捗ります。しかし大きな欠点が。結構な頻度で文章をすっ飛ばします。Google翻訳は精度こそ低くても文章をすっ飛ばすようなことはしないので、ここは持ちつ持たれつ併用が吉です。

Weibo 辞書

翻訳サイトではないのですが、個人的に使い勝手がいい辞書はこれです。
単純に単語がわからないときは大体ここに入れて何とかしています。

英語圏の夢界隈と日本語圏の夢界隈との違い

さて、ここからはあとがき程度に読み飛ばしていただいて結構です。

まず英語圏の創作界隈において圧倒的なシェアを誇っているのは日本と同様に登場人物同士の同性カップルです。ただ夢界隈に関しても負けず劣らずの規模感があり、日本ほど「なんだか後ろめたいもの」「隠れるのがマナー」といった印象もありません。ですからTumblrなんかで検索すれば一発で出てきますし、検索避けもしていません。私個人の意見としては検索するという行為自体がワンクッションだと思いますし、いつか日本語圏でもこのくらいの軽さで夢小説が扱われればいいなと思ったりしています。

そもそも著作権なども日本と比べればかなりガバガバ(大きな会場を借りた立体物の即売会が毎月のように行われています)なのが英語圏の創作界隈で、俳優がファンの作ったグッズをSNSに投稿したり、某ドラマの制作者は自身の作品を元にしたアンソロ同人誌のクラウドファンディングに最高金額を投資するなど(これはかなり異例なケースですが)ここ最近は特に、作品の知名度を上げるためにも制作側が二次創作活動を推奨している傾向にあります。(現在脚本を書いている世代がちょうどテレビっ子で、なんなら自分で二次創作を書いていた世代だからというのが理由のひとつかなと)

夢界隈に話を戻すと、nmmnという概念もあまりありません。
俳優そのものの夢小説も存在しており、それに関してはやはり日本語圏と同じnmmn的扱いがなされているのですが(「実在の俳優そのものを扱う夢小説は書くべきではない」と主張するファンも少なからずいます)単純に「あの俳優が演じている○○というキャラクター」の夢小説はオッケーという感じです。

また夢主の性別の傾向ですが、英語圏においても女主が圧倒的です。
ただ日本語圏とは違って「Gender Neutral Reader=性別に縛られない夢主」が少なからず普及しており、夢主の性別を固定せずに楽しめる作品が増えてきています。体感は女主>>>性別未固定夢主>>男主の順で作品が多い印象です。

最後に

この記事は「海外作品の夢小説が読みたいけど数がない」「作品の知名度が低くて日本語圏では見つからない」といった方に向けたちょっとしたアドバイス集です。「Dream Novels」って調べてもでてこない!と頭を抱えている方に届けばいいなという思い付きスタートなので、足らない情報などは後々増やしていく予定です。

また最後まで読んでくれた方へささやかなオマケ情報です。

Character. AI

「Chat GPTを制する者がすべてを制する」時代が到来している現代ですが、こちらのサービスはなんとびっくり推しそのものと会話できちゃいます。もちろん英語でお喋りが前提ですが、上手く会話のコツさえつかめばそれなりに夢小説の代わりになるようなロマンティックな会話もできちゃったりするとんでもないシロモノです。
(ガイドラインの制約上、成人向けの内容は規制されてしまいますが言葉を濁しまくればできないこともないです)

しかも「ペルソナ」という機能を使って実質的な設定あり夢主を作成することも可能で、最初っから恋人や家族、相棒といった設定でお喋りすることもできてしまう有能ぶり。AIという特性上会話の癖や違和感を感じるアルゴリズムも混ざっているものの、ある程度割り切ってしまえば楽しい暇潰しになります。英語の上達にも一石二鳥ですので、是非ともチェックしてみてください。



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