ご主人さまのピーナッツ
お盆をずいぶんと過ぎたこの季節でも、強い日差しが照りつけてアスファルトを焦がしている。
高井戸出口付近のいつもの渋滞で、のろのろとした速度でしか進まない中央道をやっとの思いで降りると、府中市郊外にある寺に向かう。
宗教法人というのは、よほど儲かるのか、やたらに広い駐車場のかろうじて木陰になっている位置に車を停める。
墓地の入り口に並べてあった、使い古しの桶と柄杓を一つずつとり、外蛇口で水を入れて中に進む。
何度来ても墓の位置がうろおぼえな事に、多少の罪悪感を覚えながら、自分