天皇杯ガンバ戦~天皇杯敗退

2024年9月11日 天皇杯準々決勝 サンフレッチェ広島 vs ガンバ大阪 エディオンピースウィング広島


 ルヴァンカップ敗戦の傷も癒えない内に天皇杯。120分の死闘の後の中2日、さすがにメンバーを入れ替えた。とはいえ満田、中島、塩谷、茶島と4人だけ。2週間近く試合の開いたガンバとはコンディションの差が圧倒的に違うことが予想される。試合はそんな中で行われた。

 前からプレスを掛けていく。だがガンバはGK一森を絡めて上手く切り抜けていく。そして前でプレスを掛ける分中盤でフリーになる選手ができそこに日オールが渡るとウェルトンに渡りサイドを駆け上がってくる。右サイドからカットインにシュートを警戒すると横パス。中央に待ち構えていた山田に入りシュート。ストレートのボールはDFの寄せがまるで効果なくゴールに突き刺さってしまった。失点。あまりにも早い失点。あまりにも呆気ない失点なのだった。

 もう負けた。そんな気がしたのも加藤のワントップだったからだ。ルヴァンカップ名古屋戦で試したもののまるで機能しなかった。しかも最もシュートの上手いトルガイがボランチのポジションに落ちている。一体これでどうやって点を取ればいいのか皆目検討がつかないのだった。

 ところがあれだけサンフレッチェのプレスを掻い潜ってたガンバDFのパスがズレた。その隙を逃さなかった。ボールを奪うと加藤が最前線で受ける。DFのブロックを掻い潜ってシュート。ペナルティエリア前からゴール隅に真っ直ぐ飛ばして行ったのだった。

 同点。早い時間に振り出しに戻した。このままずっと追う展開が続いていたなら勝てる見込みはなかっただろう。しかも追いついた方が勢いが出る。ここで押し込みたい。攻勢を掛けてやりたい。

 右サイドに入った茶島がスルーパスを出すと満田が出ていく。角度のないとこからのシュートはサイドネット。続いてペナルティエリア前で受けると間髪入れずシュートは枠外。確かにシュートを打っていくのは相手に脅威を与えるものの枠に入らないのでは果たして脅威になってるのだろうか。その後も加藤もシュートチャンスを得るもののやっぱり枠に入らない。だとすると中島はどうかと思ったら座り込んだ。足を痛めたのか、一旦は立ち上がってプレーに戻ったもののやはり続行は無理と判断してヴィエイラと交代。せっかく出場機会を得たというのに大したアピールもできずにピッチを退くことになってしまうのだった。

 そして代わったヴィエイラ。その大きな身長に反して空気感が漂う。正直相手にとっての脅威になっていない。それでも相手陣地でボールを回すことで崩していきたい。が、そんな時に今度は茶島が座り込む。足を攣ったか痛めたか。これにより新井に交代したものの2人も負傷交代をしてしまったことで戦略的な交代枠を2つも費やしてしまったのだった。

 これに対してガンバは宇佐美、ダワンといったジョーカーを入れてくる。これによってガンバのギアは一段上がることにより、再びウェルトンのドリブルがサイドを駆け上がるのだった。

 馬力のあるドリブルを止めようと縦を警戒し食らいつくと横パス。これを岸本が受ける。慌ててブロックに入ろうとするDF。が、弾道の低いシュートが放たれるとゴールの隅に向かう。GK川浪も飛んだものの触ることもできずゴールに吸い込まれて行ったのだった。

 終わった。正直そう思ってしまった。2失点とも似たようなパターンでやられた。そしてサンフレッチェに点の取れそうな雰囲気は微塵も感じない。その為のテコ入れとしてパシエンシア、川辺、柏が入ったのだった。

 しかし、トルガイとの交代はパワーダウンの感があった。ゴール前は守備でガッチリ固められ刻一刻と時間は過ぎていった。それによりサイドのクロスと放り込みだけに頼るようになってくる。ヴィエイラとパシエンシアの高さを使いたいのだろうがまるでゴール前で触れない。この袋小路の状態に剛を煮やした中野はDFラインからオーバーラップ。左サイドを駆け上がり時きりで抉ってクロス。ゴール真正面に入る。そこに合わせたのがパシエンシア。が、そこに合わせたワンタッチシュートはゴールの上高く飛んでいってしまった。ああ、パシエンシア。こんな絶好のチャンスボールを枠に飛ばせないとは。ヴィエイラと相まって決めるべきところを決めれない。改めてチームに主軸となり得るワントップが欠けてるのを目の当たりにするのだった。

 ゴール前に入れたボールは全部クリアされる。そして焦れば焦る程に安直な放り込みが多くなる。それによってガンバはますます守りやすくなり無意に時間ばかり経っていくのだった。そして最後には絶好のファーへのクロスにヴィエイラが飛び込んだものの合わせることができない。ああ、ヴィエイラ。ここでそれを決められないのか。そんな嘆きが出てしまうのだった。

 そしてあえなく試合は終わりベスト4への道は断たれてしまうのだった。ああ、こんなことならターンオーバーをしていればよかったのに。ただそれも出場機会の少ない中島と茶島が負傷交代したことを思い出すのだった。

 公式戦2連敗。どちらも敗退したことによりただ疲労感を重ねただけの結果になってしまった。これが週末のリーグ戦に影響しなければいいが。2つの大会を連続で敗退した事実が負のスパイラルの始まりにならなければいいが。そんな不安ばかりが残る天皇杯敗退なのだった。

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