東方戦~ACL2のやり難さの中での勝利
2024年10月3日 ACL2予選リーグ 東方 vs サンフレッチェ広島 Mong Kok Studium
3日後にもリーグ戦を控えてる中、当然の如くこのアウェイの地にはターンオーバーでメンバーを組んできた。当然と言える処置だがここで出たメンバーにしてみれば絶好のアピールの機会。高いモチベーションを持ってるはずだった。そしてスタンドには紫のレプリカを来たサポーターの姿が。海外まで足を運ぶその行動力にも熱いものを感じた。
そんな中でのキックオフ。規定内にあるとはいえここはピッチが狭くスペースがない。そして芝の質が違うようでボールが異質な跳ね方をしてくる。それ故に選手の戸惑いも大きい。そんな混乱の中ペナルティエリアまで侵入され細谷が対応。切り返しに置き去りにされかけるも見事対応。ただブロックしたボールはラインを越えCKになってしまった。
距離の短いCK。キックが放たれる。山なりのボールがファーに落ちる。そこを東方の長身DFアルマザンが頭に当てる。決まった。開始早々に追う展開へと持ち込まれたのだった。
あまりにも呆気ない失点だった。相手は競ることもなく完全にマークを外していた。失点したこと以上にそこに落胆するのだった。そして相手はこのリードを最大限活用し、引いて守るようになる。狭いピッチに人数を掛けたブロック。そこにはスペースがない為パスで崩せない。アーリークロスを入れても弾き飛ばされる。そんな展開が続いた為に空中戦が多くなり中盤でも浮いたボールが飛んでくる。そこに中島が競りに行くも相手は飛ばずに頭から落下。ピッチにうずくまることになってしまった。
このプレーにおいて相手にカードは出ない。その癖少し触れただけでも大袈裟にこけたら笛を吹かれることがある。正直Jリーグの基準からすると下手くそな部類だ。それだけに笛の基準に合わせないといけない。この辺がACLの難しさでもあるのだった。
崩せない、崩せない、崩せない。一度は右サイドのクロスからピエロスが決めたもののハンドの判定をされてしまいノーゴール。それもあってピエロスのイラつきが大きくなる。そこでイエローカードを貰い一層フラストレーションが溜まっていくのだった。
守備ブロックを迂回するようにボールを回す。回して回して打開を探るものの侵入できない。だがここで後ろから松本大弥が現れる。右寄りから遠めのシュート。無回転ボールが飛ぶ。そして急降下からゴールへ直下。ゴールに叩き込まれていったのだった。
同点。完全に意表を突いたシュートだった。ピッチが狭いだけあってなぜにミドルシュートを狙っていかないか不思議だったものの実はそのタイミングをずっと図っていたのだった。大弥にとっても大きなアピールになった。
これで振り出しに戻すと勢いは続き右サイド越道からクロスが入る。ゴール前でクリア。が、不十分で逆に詰めていた志知の折り返し。それを中島ボレー。滑り込みながらのシュートはゴールに吸い込まれていった。
決まった。逆転。中島プロ初ゴール。しかもここに越道、志知となかなか試合に絡んでこれなかった選手が関わってるというのが嬉しい。やれる、このメンバーでもやれる。
そんな興奮の中にいるものの中島がここで起き上がれない。せっかくゴールを決めたのに。その時は起き上がったもののしばらくするとやはり空中戦の競り合いで相手のファールにより倒れてしまうとピッチを去ることになった。将来のある選手だけにダメージの大きさが懸念されるのだった。
代わって入ったのは松本泰士。そしてハーフタイムでピエロスに代わってヴィエイラが入り後半戦を迎える。すると低い位置での相手のボール回しに満田が追うもサイドに出されるとDFアルマザンのロングキック。これにFWノアが抜ける。細谷が追うが完全に後追い。そして深く侵入されると角度のない位置からのシュート。GK田中、反応できずファーサイドに決められてしまったのだった。
後半開始早々の失点。勿体ない。あまりにも簡単にやられ過ぎる。そして再び勝ち越しゴールを目指すも打開が見られずついに加藤、中野というレギュラークラスの選手を投入するのだった。これによりプレーの強度は上がったもののまだゴールは割れない。そこで越道に代えCBの荒木を入れる。刻々と刻まれる時間。アディショナルタイムに入りもはやこれまでと思ったとこでCK。相手は1回のCKで決めたがこちらは何度あっても決めれなかった。新井が蹴ったボール。ファーに落ちるとそこに出たのは荒木。叩きつけるヘディングはゴールへと入ったのだった。
決まった、決まった、決まった。最後の最後に決めることができた。これで勝ち越した。相手のCKを決められたことによって始まったこの試合はこちらのCKによって閉めることができたのだった。
そして数分をやり過ごすだけと思ったものの最後の最後にゴールへ向かわれる。なんでそんなに簡単にゴール前へ詰められるんだ。FWノアのスピードとアジリティを使ったシュート。これを細谷がブロック。これによりしのいだ。そしてタイムアップを迎えることによって勝利で終わることができたのだった。
勝ってよかった。と同時にレギュラー組を出したのは不本意でもあった。そこには中島のアクシデントもあったので仕方のない面もある。それでもこういう試合で結果を出さない限り出場機会が得られないというのも事実だった。
これにより2連勝。次は山場となるシドニーFC戦。一体この日のメンバーで何人がこの試合に出れるんだろう。リーグ戦も佳境に入ってることもあり色んな思惑の絡むACL2はやはり難しい大会であるのだった。