ダイナミックプライシング
2018年8月1日 横浜Fマリノスvsサンフレッチェ広島 ニッパツ三ツ沢球戯場
試合があった直後、『ワールド・ビジネス・サテライト』でこの試合の報道があった。だがそれは試合内容についてではなく試験的に導入された変動価格販売についてである。実はこの試合のチケットの内4分の1がそういった価格設定だったらしい。実は妙にアウェイゴール裏の席が少なくビジター用指定席が広いような気がしてたが、実はそれと関係してたのかもしれない。
こういう価格変動制による需給のバランスを取ることをダイナミックプライシングと称するらしい。その特徴はというと、天候・日程・チームの順位などを基本情報とし、AIが分析、最適価格の提示ということをやるらしい。どのような条件でも画一的に同じ価格で販売する今までのやり方とは大きく異なり各座席の販売枚数と価格をAIが割り出すことによって稼働率を上げて集客力アップを目指すというもの。席数の増減もトータルで売ると増えるという設定である。スタジアムの裏で実はそんな目論見がされていたのだった。
元々これは三井物産がヤフー、ぴあと共同で新会社ダイナミックプラスを設立したところから始まったらしい。欧米では2009年頃からスポーツエンターテイメント市場においてすでに導入されてきたというのであるが、これを日本に広めたいということらしく今後試合毎にチケット価格が変動するというのが一般になるのかもしれない。
例えば優勝の掛かった試合は価格が高騰するだろうし梅雨時期のナイトゲームなんかはもっと安くなってしまうかもしれない。サッカーなんて来る奴は絶対に来る競技であるのが分かった上でぼくはこの試みを歓迎したい。それはこの制度が秀逸とかそういうことではなく新しいことをJリーグが始めるというのが嬉しい。元々サッカーのプロ化として始まったJリーグは時代の最先端だった。それがいつしか旧態依然としたスタジアムで地域と行政の支援によって成り立っているようなものになってしまった。もっと意欲的にチャレンジしてもらいたい。新しい息吹を感じさせて欲しい。少なくとも世界は凄い勢いで変わりつつあるのだ。
でもこのダイナミックプライシング、天候など当日にしか分からない要素がありながらどうやって販売するんだろうという疑問も残る。そこも含めてどうやって運用していくか今後の動きに注目ではないだろうか。