カタール戦~力の差を見せつけられた準優勝
2019年2月1日 アジアカップ決勝 日本 vs カタール ザイード・スポーツ・シティ・スタジアム
帰化選手8人以上。かつて日本もやってたとはいえさすがにそこまで帰化させるというのはどうなんだろう。そんな疑問を感じながらもそれを金の力で平然とやりのけてしまうのがカタールとも言えるのだった。
もわーんとした立ち上がり。どことなくスペースがあるようでいてボールが回せるもののいざサイドから縦に進もうとすると摘まれてしまう。ショートパスを駆使しようともカットされる。真ん中の大迫に入れても複数のDFによって防がれる。どこをどうやっても前を向けない。そんな攻めあぐねの中ボールを奪われるとカウンター。そのスピードには着いて行くのが精一杯。たった1人のFWに振り回されてしまうのだった。
更には後ろからの押し上げがあると日本のDFはつかみ切れない。そしてゴール前に浮き球が入る。吉田がマークに着くもリフティングからバイシクルシュート。入った。入ってしまった。何でこんなんが入るんだ。信じられない。どうしてこれが入るんだ。
まるで狐につつまれたように失点してしまった事実を受け入れるのが困難だった。でもこんなのはたまたま。事故。偶然の産物。気を取り直して追いつこう。
そんな仕切り直しの気分でいるとまたしてもバイタルエリアに入られる。マークに着ききれてない。その隙にミドルシュートを放つと弧を描いたボールはゴールに吸い込まれてしまった。ああ、入った。吉田が遅れてブロックに入ったものの完全に振り切られてた。ブレミアリーグでプレーしつつもカタール人の個人技は防ぐことができなかった。
2点差。それがあまりにも途方もない点差だった。日本はまるでシュートまでいけない。対してカタールはワンチャンスあればそれを簡単に決めてしまう。どこをどうやっても勝てそうにもなかった。
ところが後半を迎えると前線までボールが運べるようになる。もしかしたら2点差あることでカタールは守備に重点を置いたのかもしれない。それでもサイドを突破する。ドリブルで切り込む。そんなプレーを続けてる内に塩谷の中盤からの縦パスから最終ラインを抜けると南野が抜け出しシュート。飛び出したGKを超えるループシュートを決めた。よし、決めた。1点差なら追いつけるぞと希望を見出すのだった。
依然日本の攻撃は続く。それでもあと一押しの為に原口に代わって武藤が入る。前線でのターゲットを増やした作戦は功を奏し次々にヘディングシュートを放つシーンが生まれる。ただ、入らない。枠に収めることができない。最後の最後で決めきることができないのだった。
伊東が入り乾が入り攻撃にテコ入れをするもゴールに至らない。それどころかカウンターを受けるとやはり止めきれない。何とかCKに逃げたものの身長の高いカタールの選手は脅威だ。そこで一旦は弾き飛ばしたものの笛が鳴りプレーを止められる。VARにより吉田のハンド、PKとなってしまった。これをあっさり決められるとまたしても2点差。もはやこの時点でカタールは勝ちを確信したらしくベンチを含めてお祭り騒ぎだった。攻めて攻めて攻めまくった挙句決めることができず一発のCKで決められてしまったことに虚脱する。まるでそれは全ての努力を無に帰したかのような無力感だった。
試合はそのまま1-3で終わってしまう。日本準優勝。惜しいとかそういうものもない完全なる敗北だった。せめて後半の戦いを前半からできていたなら。せめて相手のマークに対してもっとタイトに着けていたなら。ここまで力の差を見せられたことがアジアカップであったろうか。まだまだ足りないところを見せつけられてしまったことがこの試合での収穫。この敗戦をその後につなげていけたならと強く願うのだった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?