風の調べ
朝焼けは知らない街の海の匂いがする
夕焼けは心揺れた笑顔を運ぶ風が吹く
夜になれば噂話に花を咲かせる星が瞬く
随分賑やかそうな声
哀しみも喜びも嬉しさも寂しさも
全部
拾い上げてしまうという
お見通しなのは困りもの
それでもやっぱり
賑やかな声に敵わない
あなたの涙の場所になる
都合のいいこと言っては
ほら
また今日も噂する
星の声はいつも大袈裟なの
守秘義務の誓いはあるものの
うっかり噂好きの風が運んでしまうらしい
夕焼けに心揺れた笑顔を運ぶ風が吹いたのは
きっとこのせいだ
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片耳が聴こえにくくなって、寂しく感じることの一つが自然界の音が分かりにくくなることだった。
雨の音
鳥の声
風の音
当たり前に聴こえていた音。
片方だけ聴こえてくる世界。
こんなにも音色があったんだと気付かされる。
微かな風、それさえも。
目を閉じて音に耳をすませる時間が好きだ。
歌詞を眺めながら聴くのもいいけど
まずは目を閉じて聴く。
音の海を自由に泳ぐの。
現実は泳ぎが下手だけどね
音の海を泳ぐのは得意なんだ。
どこまでも自由で心地がいい。
音が聴こえにくくなったときに
音楽を楽しめる
唯一の方法がある。
それは記憶の中で音楽を流すこと。
覚えている限りいつでもどこでも。
風の音も
音楽も
好きな人の声も
忘れなければ
聴こえてくる。
もう歌えないかもしれないと
作れないかもしれないと
何度も過ぎった。
でも、好きな気持ちをしまっておけなかった。
何でもいい。
ずっとただ、歌っていたい。
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