スノードーム~小さな白い街~最後の魔法編【Xmas連載小説】
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2079年12月24日
部屋の壁に飾られてあるオーロラの写真。
色褪せて、赤色が濃い。
もうずっと飾ってきた。
懐かしい時間。
けれど、目を閉じればいつだって鮮明に思い出すことができる。
今日はクリスマスイブ。
毎年かかさずスノードームを窓際に飾っている。
写真と同じように目を閉じれば、その日を思い出すことが出来る。
魔法の使い方もすっかり手馴れたものだった。
アルバムを1冊取り出し、1枚1枚めくっていく。
桜並木の下でギターを弾いた春の日。
アイスクリームみたいな雲を見て、海よりアイスが食べたくなった夏の日。
初めて行ったコスモス畑で雨に降られて、ちょっとケンカしちゃった秋の日。
スノードームをプレゼントしてくれた、あの冬の日。
音楽も一緒に流れ込む、とっておきの魔法。
ずっと私だけの魔法だったけど、今年この魔法をあの子に伝えようと思っている。
時間がそう教えている気がしたのだった。
もちろん、スノードームの奇跡も。
どれも忘れられない宝物。
これからもきっと。
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