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別れて、出会い直す

弊社はデザインラボと訪問看護ステーションのふたつの事業を運営していますが、そのふたつで共作しているもののひとつがグリーフケアカードです。

弊社オリジナルで作成したカードに、利用者さんが生前愛したもの(訪問看護師さんなら絶対にわかります)をデザインチームが描き、利用者さんにかかわったスタッフ全員がメッセージを書いて完成します。どちらが欠けても弊社のカードにはなりません。

利用者さんがご逝去されてから、だいたい四十九日が過ぎたあたりに、スタッフたちがお花とカードを持って弔問させていただいています。

葬儀や役所での手続きなどで忙しない時期が過ぎ、ふと日常が戻ってきたあたりでこのカードを見ていただくと、ご本人の人柄、雰囲気、最期の日々、いろいろと蘇ってくるのか、感情をあらわにされるご家族がたくさんいらっしゃいます。また、訪問看護師たちの顔を見て、最期の日々にたしかに自分がいた、大変だった、がんばった、本当のことだった。そう感じられる方も多いみたいです。過去と出会い直すことで、現在の自分の輪郭や体温を取り戻せるのかもしれません。

個人的に思うのですが。
人は、人が死ぬことを知ってはいるけれど、理解するようには出来ていないと思います。初七日とか納骨とか一周忌とか、ああいうことを関係者でひとつずつ進めていく風習も、少しずつ死を受け入れていくために先人が編み出した知恵なんじゃないかと思っています。

ご遺族と訪問看護師は、その後も同じ地域内の隣人としてともに生き、暮らしていくのです。訪問看護という仕事が、どれだけ広範囲に価値を生み出せる仕事なのか、ひとりの利用者さんへのケアでどれだけたくさんの人に影響を与えるのか、それを思うたび、もっと自分たちはがんばらないといけないなと引き締まります。

ヘッダの写真は、サラブレッドを愛した利用者さんへのカードです。



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