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歌舞伎町でキャッチの人(客引き)から返金してもらった話

どうも僕です。

それは2009年、社会人1年目の夏の話だ。

友人のイベントの帰りに、会社の同期(男性)4人で新宿に飲みに行った。
もはや10年以上前なので1件目にどこの店に入ったか覚えてないし、何なら本当に1件目いったっけ?というくらい何も覚えてない。

しかし、問題なのは2件目だ。これは鮮明に覚えている。

それは1件目を終えた直後、誰かが言った。

「ゲイバーって面白いらしいよ」

それは僕だったかもしれないし、僕じゃなかったかもしれない。でもたぶん僕だ。

歌舞伎町はぼったくりが多い

そういう話はよく聞く。しかし社会人1年目で歌舞伎町を知らない僕達には、そんな話は関係なかった。

そもそもゲイバーのぼったくりなんか聞いたことない(ついでに調べたこともない)。

何より、修羅の国福岡の夜の街でも一回もぼったくりにあったことないではないか。
そんな謎の自信から、客引きの人にゲイバーを紹介してもらうことにした。

そう、これが間違いの始まりだった。

僕「すみません、ゲイバーが面白いって聞いたんですけど、この辺にオススメありますか?」

客引き「どういう男性が好みですか?」

僕「え?”そういう意味”だと、好みの男性ってのは居なくて、普通に女性が好きです。」

客引き「だったらキャバクラ行った方が楽しいよ」

僕「ですよね。オススメのキャバクラ教えてください」

と、鼻息荒くソッコー目的地を変えた。

同期A「多国籍パブだけは嫌だ。マジで嫌だ。絶対嫌なんでそこだけはやめてください。」

そういったのは、唯一生まれも育ちも東京の同期Aだ。彼曰く、多国籍の店は十中八九ぼったくりらしい。

客引き「分かりました。えーっと、じゃあ・・・最近、こ〇ん星っていう店が出来たので、そこにしましょう。1時間4千円飲み放題!」

こり〇星!!!!!!!!めちゃくちゃ危険なにおいがする名前だ。しかも歌舞伎町で1時間飲み放題4000円て安くないか?絶対やばい店だよな

とか言う会話にはならず、僕たちは二つ返事でOKを出した。

お兄さんコニチハ

こ〇ん星は雑居ビルの2階にあった。そこは薄暗く、僕が想像していたキャバクラの雰囲気とは異なり、中は薄暗く、生暖かい空気が流れていた。
客層はというと、金持ちのおじ様たちばかりだった。

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おじ様達と女性がちょいちょい一緒に外出?している。お持ち帰りか・・・・?

何とも異様な雰囲気の星だ。

あ、店だ。

僕たちは席に通されて、各々飲みたいお酒を注文。

僕「ウイスキー水割りで」

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5分程経っただろうか。お酒と共に女性が席に着く。

女性「オニーサン、コニチハ!」

コニチハ!!!!!!!!?

ここでしばし小声で同期と話す・・・

僕   (おい、日本人じゃないぞ)
同期B(どうなってんだ?よく見ると日本人居ないじゃねーか)
同期A(あのやろー、多国籍だけは絶対嫌だっつったのに)
同期C(まぁまぁまぁ 笑)

・・・、とりあえず会話を楽しむか。

僕「どうも、こんにちは。ここって多国籍Barですか?」

女性「ソヨ。デモ見テ、カワイイ子バッカリヨ」

僕「なるほど。そう来たか」

まるでカンペに書かれた文字を棒読みしているような声で僕は言った。

僕「だまされた」

そんなことはお構いなく、女性は話を続ける。

女性「私タチモ何カ飲んでイイ?」

値段を見ると、3000円/杯くらいだ。。。

「もちろんOK」

と言うわけもなく、女性のおねだりを断った。恐らく最低な客だろう。

いや、それ以前に高けぇよ。キャバクラ行ったこと無いから相場がよくわからない。しかし、1杯3000円というのは直観で高いと感じた。

そして断った瞬間女性の態度は急変し、一言も口を開かなくなった。

「この際1時間は飲み放題なんだし、飲みまくって楽しもう」

それが、僕達の解だった。

そうして、5分後。つまり入店して約10分程の時間が経った頃、いかついウェイターが席に来た。

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ウェイター「延長、どうします?」

僕たちは、罰ゲームでシュールストレミングを食べろと言われた瞬間のお笑い芸人のような表情でウェイターを見つめた。

僕「え?1時間4000円で飲み放題って聞いてるんですけど」

ウェイター「いや、うち30分が飲み放題なんで、先に延長聞いてます」

僕「え?どういうことですか?」

ウェイター「いや、システムなんで?」

僕「は?どういうシステムですか?」

ウェイター「システムなんで。延長なしでいいですね?」

そう言い残して、去っていった。

当たり前と言えば当たり前だが、客引きのおじさんはこの店の人間ではない。店に人さえ連れてくれば、あとはお客をどう料理しようが店の勝手なのだ。

つまり、店の裁量で値段と時間を勝手に変えられるのだ。

それが歌舞伎町という町だ(←これ以来歌舞伎町で飲んでないので、実態は分かりません!)

さらに10分後。。。つまり、店に入って20分経った頃、再び奴が来た。

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ウェイター「そろそろ時間なんで」

僕「いや、やっぱおかしいだろ」

ウェイター「システムなんで」

僕「30分経ってないでしょ」

ウェイター「システムなんで」

僕「だから、どういうシステム何ですか?」

ウェイター「いや、システムなんで」

僕「・・・」

ウェイター「・・・」

時間にして、そう・・・10秒ほど僕たちは見つめあった。これがいわゆるメンチ切りというやつだ。

でも、このままここに居座っても美味い酒なんか飲めねぇ。
そう思って僕たちは支払いを済ませるために出口へと向かった。

すると同期Aが何やらブチ切れている。猛烈に何かを睨んでいる。。

それは店の奥にいた一人の男性客に対してだった。イメージはこれ↓

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この男が、

男「お前ら金無いんだったらここに来るんじゃねーよ。ここは女の子に大盤振る舞いして楽しむところなんだ。貧乏人はさっさと帰りな」

と、言わんばかりの表情でこちらを見ていた。
すなわち、彼は何も言ってない。

それなのに同期Aは激怒していた。ちなみに同期Aは元アメフト部。そんな奴に暴れられたら困ると思い、急いで外に出して支払いを済ませた。

店を出た瞬間・・・

僕は激怒した。必ず、かの客引きおじさんに一喝せねばならぬと決意した。僕には歌舞伎町の相場は分からぬ。僕は、地方の人間である。割とのらりくらりと遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。

↑そう、もはや走れメロス状態だったのだ。

歌舞伎町を全力疾走

「俺は奴を探す」

同期に一言告げて、歌舞伎町を走り回った。全力で。

そしてついに、こ〇星を紹介してきた客引きのおじさんを探し出した。

僕「おじさん、どういうことですか?」

客引き「お、お兄さん。楽しかったでしょ?^^」

僕「いやいや、1時間飲み放題って言って、30分しか経って無いし、そもそも多国籍じゃねーか」

と、口調も荒くなる。大人げない。

客引き「いや、おかしいなぁー。そんなハズは・・・」

僕「事実が物語ってるだろ、金返せよ。」

そうこうしてるうちにあっという間に人だかりができてこんな感じになった。

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客引き「いやいや、私にそんなこと言うのはおかしいでしょ」

そう、おかしかったのかもしれない。でも僕にはもうそんなことどうだっていいのだ。誰がおかしいか分からないけど、騙してお金をとるような客引きを撲滅したい。

そんな正義感ではなく、単にお金を返してほしかったのだ。

そこに、鳩が豆鉄砲食ったような顔で客引き仲間のお兄さんが来た。

鳩「ねぇねぇ兄ちゃん落ち着きなよ。喧嘩しにきたわけじゃないんだろ?」

そうだ。僕は喧嘩をしに来たわけではない。そんな思いとは裏腹に出た言葉がこれだ。

僕「喧嘩しに来たんだよ」

これが俗にいう本音と建前だ。

鳩「おいおい、いい加減にしろよ?」

そこにようやく同期が追いつく。しかし、なぜか静観。

僕「で、どうすんの?お金返してくれるの?」

客引き「喧嘩って・・・お兄さん、ちょっとここじゃ目に付くからこっちきて」

雑居ビルの陰に連れていかれた。

僕(あ・・・ちょっとやばいかも。)

そう思った瞬間、

客引き「一人4000円だったよね?4人だっけ?まぁ、お兄さんみたいにキレる人もあんまりいないんで・・・。」

と言って16000円を取り出した。

僕「え?全部?返してくれるんすか?さすがにそれは・・・おじさんも生活掛かってると思うんで、一人1000円だけ返してくれればいいですよ。実際お酒もちょっと飲んでるし」

と、僕の謎の良心が出てきて4000円だけ返してもらった。

相手が反省の色を見せるとすぐに許してしまうのは僕の甘さだ。

こうして、僕たちはその4000円を原資に3件目に行った。

結論、

①歌舞伎町はぼったくりに合う確率が高い(N数は1)
②本音と建て前(と勢い)は使いようが大事

現場からは以上です。

#キナリ杯







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Sky Hand@UI/UXライター
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