サッカー少年たちの笑顔を追いかけて ~発達心理学~
最近、少年サッカーのサポートを始めました。子供たちの成長を促すには、どのように接し、どんな働きかけをすれば良いのかを調べています。その中で、「発達心理学」という考え方に出会いました。今回は、発達心理学を詳しく紹介しながら、サッカー練習にどのように取り入れられるかを考えてみます。
発達心理学とはなにか?
発達心理学は、人間が生まれてから成長し、老年期に至るまでのライフスパン(生涯)を通じた心の発達や変化を研究する学問です。
特に子どもの発達においては、次のような点に注目します。
認知発達: 記憶力、思考力、問題解決力の成長過程
社会的発達: 他者との関わり方、コミュニケーション能力の向上
感情の発達: 感情の調整や共感力の発達
身体的発達: 運動能力や体力の向上とそれが心に及ぼす影響
さらに、小学生年代における具体的な発達段階と特徴を以下にまとめました。
小学1,2年生(6~8歳)
特徴:
・好奇心が旺盛で、遊びながら学ぶことを好む
・集中力が短く、細かいルールの理解はまだ難しい
・仲間との関わりが増え、協力よりも個人での成功を重視する接する際の注意点:
・褒める場面を多く作り、簡単なルールで進行する
・「楽しい」と思わせる練習を重視する
・失敗を責めず、やり直しの機会を与える
小学3,4年生(8~10歳)
特徴:
・認知力が向上し、ルールや戦術の基礎が理解できるようになる
・仲間との連携を意識し始める
・達成感や競争心が育つ時期接する際の注意点:
・チームプレーを重視し、協力の大切さを教える
・具体的な成功体験を提供し、自信を育む
・短い指示で明確なゴールを設定する
小学5,6年生(10~12歳)
特徴:
・抽象的な思考が可能になり、戦術やプレーの意図を理解できる
・自己意識が強まり、他人の評価を気にするようになる
・感情の起伏が激しくなる場合もある接する際の注意点:
・個々の役割や責任を明確にし、達成感を持たせる
・失敗やミスを責めず、建設的なフィードバックを与える
・自主性を尊重し、考えさせる場面を増やす
発達心理学を活かすためには、具体的にどうしたら良いか?
少年サッカーのサポートに発達心理学を応用するための5つのポイントと、それぞれの具体例を挙げます。
1. 個々の発達段階を理解する
子どもたちは、同じ年齢でも発達段階が異なることがあります。技術指導をする際は、個々の認知力や運動能力の違いを把握し、その子に合った目標を設定することが大切です。
例:
・小学1,2年生には、「ドリブルでコーンを避ける」など遊び感覚の練習を取り入れる
・小学5,6年生には、フォーメーションを取り入れたミニゲームを通じて役割を理解させる
2. 成功体験を積ませる
小さな成功体験を通じて、自己肯定感を育むことができます。「うまくできたね!」と褒めたり、目標を少しずつ上げることで、子どもたちのやる気を引き出せます。
例:
・シュート練習でゴールを広めに設定し、ゴールを決めやすくする
・できた技術をチーム全体で拍手して称賛する
3. 失敗をポジティブに受け止めさせる
発達心理学では、失敗を成長の糧と捉えることが重要です。「失敗しても大丈夫、それが成長の証だよ」と伝え、失敗を恐れずチャレンジする姿勢を育てます。
例:
・ミスしたプレーに対して、「どうしたら次は成功するか考えてみよう」と前向きな問いかけをする
・練習後に「今日の一番悔しかったこと」を共有し、励まし合う場を設ける
4. 仲間との協力を重視する
サッカーはチームスポーツです。社会的発達を促進するために、仲間とのコミュニケーションや協力を重視した練習を取り入れると、プレーだけでなく人間関係のスキルも高まります。
例:
・パス回しの練習で「全員が1回以上ボールに触る」ことを目標にする
・チームごとに作戦を考えさせ、発表させる
5. 感情を尊重し、自己表現を促す
子どもたちが試合や練習で感じた喜びや悔しさを表現することを支援します。「今日はどんな気持ちだった?」と問いかけることで、感情を整理し、自己理解を深めさせることができます。
例:
・練習の終わりに「今日一番楽しかったこと」を話してもらう
・試合後の振り返りで、「次にどうしたいか」を一人ずつ発表させる
まとめ
発達心理学を学ぶことで、子どもたちがどのように成長し、何を必要としているのかをより深く理解することができました。特に少年サッカーでは、身体的な成長だけでなく、感情や社会性の発達も大切です。そのため、ただ技術を教えるだけでなく、彼らの心に寄り添ったサポートが求められます。
これからも、子どもたちの成長に少しでも貢献できるよう、学びを深めていきたいと思います。
読んでいただきありがとうございました!少年サッカーや子どもたちとの接し方についてのアイデアがあれば、ぜひコメントで教えてください!