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残業と働き方の関係性について

いま日本は残業を抑制する会社が増えています。従来であれば、残業を暗黙的に推奨する会社は多かったと思います。しかし近年、未婚率増加、出生率急落によって、ワークバランスの重要性が増しています。果たして、残業と働き方にはどのような関係があるのでしょうか。

本記事では、残業と働き方について関係性を深堀していきます。


※本コンテンツで使用している画像は一部『Chat-GPT(DALL-E3)』により生成しています。

1.現状把握

まずは、近年における日本の状況を整理するところからはじめます。ワーキングホリデー、出稼ぎ、GDP転落、円安、生産性・給与横ばい、IT後進国、人手不足倒産、2024年・2025年問題、未婚率増加、出生率急落、週休3日制など関係するキーワードはこれだけ多くあります。少しコンパクトにまとめてみましょう。

どのような話題も集約すると以下の3つのいずれかに当てはまるのではないでしょうか。

高齢化社会
低い生産性
ストレス社会

①高齢化社会

2025年問題が該当する話になります。もちろん、高齢者になった人数に比例して労働人口も減ることも考えられます。高齢者になっても働き続ける人もいますが、働かない人も一定数いると予想できるからです。

高齢者になると老後2,000万円問題に直面いたします。

②低い生産性

日本は1996年以降、1人当たり名目生産性が横ばいです。1人当たり名目賃金・実質賃金も横ばいになっています。生産性が上がらず、給与も上がりませんが、生活必需品にかかるお金や税金は上がっています。いまや1人1台の時代になっているスマートフォンが一番わかりやすい例でしょう。

去年から日本から海外に出稼ぎにでる人が急増しており、金銭面的に2倍~10倍ほど変わったという声もあります。ワーキングホリデー制度を利用して海外で働く18歳~30歳も増えており、日本と海外の違いを実感している人も多くいるようです。

働く世代が年々減っていく中、さらに海外に流出する危機を迎えているということでもあります。

ただ、やはり良い事例ばかりではなく、住む場所が見つからない、事前の提示額より少ない額が渡されるなど、多くの問題もあることは間違いありません。

③ストレス社会

日本だけではなく、世界全体に言えることですが、文明が発展して、社会環境や生活環境が安心・安全になればなるほど、法令が厳しくなり、仕事に必要なものが増えていき、覚えることが多くなりました。仕事をするという行為には多くのことを学ばなければいけません。時代を重ねるごとに覚えることが増えていきます。

つまり、仕事をするためのストレスが年々増加することになります。従来と同じ感覚で仕事をしていて、ついていけるのでしょうか。その答えが、未婚率増加、出生率急落という形で数字に出ているのではないでしょうか。

年々変化する社会についていき続けている人材やついていくことを諦めた人材と違い、イチから学ばなければいけない現世代は、いままでと同じ感性で仕事を教えてもストレス負荷が高すぎてついていけないということかもしれません。週休3日制が普及してきていることが良い証拠でしょう。

2.残業に関する考え方

現状を把握してみると、いままで高齢化社会や生産性についてはよく見聞きしますが、ストレスとどう向き合うかということは、DXを進めている企業でも意外と記事化していないのではないでしょうか。

ストレスと向き合うためにまずは、残業について考えてみましょう。

建設業においては、30代以下と40代以上で残業に対する意見が分かれる傾向にあるようです。2024年問題による残業規制について、30代以下の世代は賛成が多いですが、40代以上は反対が多いです。

ワークバランスを考える、あるいはプライベートを重視したい人材と、仕事に責任を持ち、結果を出したい人材で意見が分かれているように感じます。

日本の職場では、会社に対して献身的な働き方を行い、長時間労働が期待される働き方をしてきました。それにより労働者の健康や生活の質に問題を引き起こすことも多かったでしょう。

残業をしてはいけないわけではなく、残業しないことを前提として計画を立てて、間に合わないものは日程調整を行い、日程調整ができないものは残業をして処理をするように思考回路を切り替えなければ、2024年問題は乗り越えられないかもしれません。

3.残業と働き方の関係性

仕事に対してどのような考え方を持っていたとしても、残業をすることを前提として考えることはよくないということがご理解いただけたと思います。

それでは、残業と働き方にはどのような関係があるか考えてみましょう。すでに予想している方も多くいることでしょう。

当たり前のことですが、1日は24時間しかなく、1週間は168時間しかありません。食事・睡眠時間、移動時間、仕事時間などを考えると、自由に使える時間は限られます。高ストレス下においては、行動意欲が抑制されるため、この自由時間は心身を休めるための休憩時間にせざる負えません。

そのように考えてみると、週休3日制を採用する企業が少しずつ増加している理由が見えてきます。

毎日残業をさせて2日休みを取るよりも、1日の業務時間を増やして週3日休むほうが、心身ともに休まり、仕事に対する行動力・意欲が改善されるからです。行動力・意欲が改善されることで、結果的に仕事をこなせる量が上がる、つまり生産性が上がるということになります。

メリットはそれだけではありません。週3日休めるようになることで、自由時間は休憩時間だけではなく、本当の意味で自由に使える時間も生まれてくるはずです。

これこそが、未婚率増加、出生率低下を改善することにもつながり、社会貢献にもなるのではないでしょうか。

もちろん、業界や会社の状況により、週休3日制が必ずしも良い結果をもたらすわけではありません。重要なことは週休3日制がなぜ良いのかを知ることで、週休3日制を導入せずとも現状の改善に活用できるか検討することができます。

建設業においては従来の文化があるため、週休3日制導入はまだ先の話になるのではないでしょうか。しかし、週休3日制がなぜ少しずつ導入企業が増えているかを知ることで、建設業においてもその考え方は適用できるでしょう。

その一つが残業すれば、がむしゃらに仕事をこなしつづければ、必ずしも結果をもたらすわけではないということだと思います。

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