コロナ禍の自殺者数増加
こんなニュースがちょこちょこ出ていますね。
こんなニュースの最後はいつも相談窓口の紹介がありますが、そこにでる相談窓口のオペレーターをしていたことがある私からすれば、繋がりにくさの解消を先にしてくれよ…と思います。
私がオペレーターをしていた当時はまだコロナ禍になく、震災もある程度落ち着き、とくに社会問題という社会問題もない時代でした。
それでも電話が鳴り止むことはありませんでした。繋がりにくさはそこのホットラインも問題視しており、毎回オペレーターの増員を国に要請していました。試しにオフの日に自分で掛けてみたことがありました、30分粘っても繋がらず、諦めました。
コロナ禍の自殺者数増加
それもそうだろうなぁ、と実感します。
私のような精神保健福祉士などの福祉職にテレワークなどありません、対人援助職ですから、対人でなければなりません。対人援助職はいわゆるエッセンシャルワーカーです。
一度目の緊急事態宣言中、病院受診が電話受診となりましたが、やはり電話では伝わらないものがある、と感じました。
そんな中、あらゆる職場での研修は中止になりました。
過去の記事☝️にも書きましたが、対人援助職にはSVは必要不可欠だと思っています。
個人的には、日々体当たりで対人援助職を行う中で、研修や飲み会といったピアSVも含むSV、愚痴を言い合う機会はコロナによって失われました。
何かあれば個人的にSVを申し込んだり、電話をすることもできました。しかし「なにかなければ」ならない、というのは少し愚痴を言うハードルが上がったようにも思えます。
そんな中、かつての教え子からメッセージが来ました。彼女は中学生になった途端にコロナ騒ぎになり、行事は全てキャンセル。家と学校の往復ばかりの生活になったことを嘆いていました。いつも遊びに行く友人宅には祖父母がいるため、親から「行かない方がいい」と言われ、自分もそう思い友達との交流も自重しては、「もう受験の話になってきて、気が滅入りそうだ」と呟きました。
大人も同じでしょう。実際に私も、家と職場とスーパーマーケットの往復の毎日に、そろそろ疲れてきています。
児童虐待相談件数、DV相談件数も同じように上がっているというニュースが流れています。
テレビは必死に「それでも明るくポジティブに」、家族の有り難みや良いところに気付けた…なんてことを流したりしますが、実際人にはいかに家族とてパーソナルスペースが必要です。
それが学校や仕事というものがあってこそバランスが取れていたものが、学校や仕事というものが減って家族と共に過ごす時間が増えれば、パーソナルスペースの新たなバランスを取り直さなければならないのです。
そう言った中で離婚を考えようにもコロナ禍で収入が減り、離婚したくてもできない人も大勢いるのではないでしょうか?
一時的なものだから…と最初は思ったコロナも、まさか1年半にもわたって続いているとは、当時誰も予想できなかったでしょう。
コロナ禍の自殺者数増加は、単に経済的な問題だけではなく、ワークライフバランスが壊れたこと、パーソナルスペースのバランスも壊れたこと、ストレスケアしていたものが奪われたことなど、様々な原因が考えられ、またそれらはケースバイケースであるのでしょう。
トランプ元大統領がかつて自身を「War president」…戦争を経験した大統領だと喩えたことがありました。コロナは戦争である、と。
当時は少し大袈裟かな?と思いました。私は戦争を知らないので、戦争はもっともっと過酷で残酷で傷が深いものであるとも思いますが予測でしかありません。しかし、コロナはひとつの戦争なのかもしれません。
テレビは言います、
心を一つに!大切な人を守るために!
そんな綺麗事が罷り通る時期はとっくに過ぎました。
いかに、人が群れの生き物で、人が人・社会とのつながりを持ってして自身のバランスを取っているか、露呈したのかがよくわかる気がします。
コロナというウイルスを利用した人災とさえ思える今日この頃でした。