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intermission(ほんじつはおやすみ)~よるのおさんぽ~

この夏には熱帯夜という言葉をついぞ聞かず、ただ雨は降ればそのたびにスコールを思わせていて、あがれば、まちはすっかりそれまでの日差しのたくわえを忘れ、そこにすむ人は暑さに途方にくれたおぼえも、カラっと乾いた熱風に愉快ときめいた記憶も持てない夏で…
そんなことでいいの?
夏!
と、無用な心配をしてもみて、昼間の日差しを見送る頃には頭も手のひらもじゆうにして歩こう、三日月細い三日月赤い三日月三つ、乱視の視界は寂しくないなあ。