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Intermission(ほんじつはおやすみ)~ものがたりのはじまる…~

市立図書館にはとてもセンスのよい視聴覚資料選定者がおられるのだ、たぶん。自分対世界ではきっと一生かかっても出会わずじまいだったろう好作品がいくつも、綺羅星のごときハリウッド映画群の中に忽然と風そよぐように混ぜられていて、その一つ"Minoes"も、もとはオランダの作品らしい。ワタシはどう少なくミツモッテもその聞き取れない言語のリズミカルなのをたのしみながら50回位はみているとおもうのだけれど、コメディだと紹介されていることに先週ふと気がいった。初めてみてから3年くらい経ってるはずが、そんな風に思ったことなかったので何処がそうかな、と不思議に思えて。確かに全編から聞こえる(読める)普段は聞けない会話が微笑ましかったり、あまりにも敵役のデキがよくてクスリとさせられるところも一杯あるけれど、声を出して笑うようなお話だっけ…
と、思いつつ、うん十うん回めを眺めていて…はっとして、ああそうかー、となった。そうよねそうよね、猫には『猫に小判』と言ってニンマリしつつ、手にした物で何をするかと思えば迷わずインタビューに押し掛ける。もう大猫のふるまい、でもそれが始まりなのだ。考えてもご覧、あそこで『そんなこと』していたら、困らずに暮らしましたとさ、までに一行そこそこしかないもんね。そう気がつくとますますこのおはなしがすきになった。そして案外おおくのひとがそのコメディに気付かずにこのお話を楽しんでるのではないかと思うと、ますますいい。
猫婆々と言われるのはなかなか名誉なことだと思うが、この映画では圧倒的に猫爺が活躍。一方ネコババを体現する敵役の輪郭がとても明瞭で、おおらか(過ぎ?)なその妻とともにー変な見方のワタシかもしれないがーしみじみとこの夫婦名演だなぁとおもうのでした。
それにしても、この作品を置いてくれた図書館のどなたかに、どんな風に言えばいい?この、きもち。