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【インプット】業務改善の問題地図
読んだ本
業務改善の問題地図
【この本をインプットする目的】
・業務改善をやったことないから何から試せば良いか分からない
・正直現職で営業活動やったことないから全容が分からない。
・少なくとも情報インプット量が多そうなのは感じる
→つまり何が本質的にいらないか分からない。
【この本を読んだ後に思いたい感想】
なるほど業務改善ってこのような思考法でやればいいんだ
必要か不必要かを判断する基準は〇〇である
改善する際には〇〇に沿って整理し、□□の方法を以て対処していくものだ
→業務改善に関して持論が語れる状態
【読んだ後の感想】
業務改善の阻害要因で現場・本部・経営とそれぞれの立場でどういったものが挙げられるか分かりやすく書かれていて共感できた。
こういう人が往々にしている環境なので、【ロールプレイングのように楽しむ】ことが大事だと思えた
改善反対モンスターマップ(=ステークホルダー)とそれに対するコミュニケーション方法などは試してみる
効果の手前の導入プロセスで【ECRS(イクルス)の思考で整理整頓できるおのは新しい発見だった】は初めて知った。これも試してみる
●:章単位
★:章の中のアジェンダ単位
■:アジェンダの中のサブカテゴリ単位
●はじめに
沢渡あまねはオフィスコミュニケーション改善士として300を超える企業・官公庁・自治体を歩いてきた
→業務改善の嘆きの声をよく聞く
★【改革】と【改善】の違いとは
改革:価値創造。現状否定。あるいは自組織あ有するリソースをベースにかけ合わせによって新たなもの創出
改善:現状肯定。現状のビジネスの前提を変えずに、その範疇で仕組みや仕掛けを創意工夫していく
→ここで伝えたいのは【改革】したいのか【改善】したいのかで関わる人の役割範囲や方向性やアプローチまで
何から何まで違うよと
改革:トップの仕事、改善:現場の仕事(改善を進めるにはトップによるメッセージングや改善が起こりやすい環境や制度整備も大事)
★業務改善が起こらない/定着しない組織の安置パターンTOP4
①中間管理職が邪魔をする
②言ったもの負け
③どうしたらいいかわからない
④勇者頼み
改善が進まない。定着しない組織の多くは、改善を個人の気合と根性に依存しすぎ
業務改善が大事!とトップが叫んでいれば、そのうち手をあげてくれる奇特なボランティア勇者が現れると思っている
→ろくにお金も時間も与えず評価せず、抵抗勢力がわらわら出てくる中で正解平和を取り戻せと言われてる
勇者はさすがに心折れますよね?と
★改善が続く組織を支える4つの視点
①制度
→定時退社日設定、残業規制
②個人スキル
→プレゼン研修、管理職研修
③プロセス
④場
→足りない知識やスキルをインプットしたり、ふりかえりをする【場】も大事
この本では4つの視点をふまえ、自分の組織で改善をフライトさせるには、
さらには組織文化として定着させるにはどうしたらよいかを書いてくれている
●一丁目_問題意識がバラバラ
「働き方改革」「生産性向上」「業務改善」「ワークスタイル変革」
この手の言葉が日本全国津々浦々駆け巡るが「言葉遊びに」
経営陣、人事部門、その他本社スタッフ、現場の中管理職、それぞれ問題意識がバラバラだから
●人事や経営企画単独で進める施策はなかなかうまくいかない
日本の多くの組織において、人事部は人事制度および育成の一部にしか手を出せない場合が多い
「制度」と「個人スキル」の一部のみ
個人スキルは現場のニーズに黄綬いて必要な知識や能力や経験は、現場すなわち各部門で要件定義して
計画して育成しなければ充分なスキルアップは難しいから
経営企画部門とて事業部門の細かな課題や悩みを熟知できるわけでない。現場が主役となり、
社内各部署に支援を求めながら、問題や課題を特定して解決していく必要がある
■一部門に丸投げして解決できる問題ではない。
仕事のやり方を変える、イコール
・ビジネスモデルやビジネスプロセスを変えなければならない
・ビジョン/ミッションを再確認しなければならない
・意思決定のプロセスを変えないといけない
・煩雑な事務手続きを削減しなければならない
・部門のコミュニケーションのありかたを改めなければならない
・情報システムを最新化しなければならない
このようなふりかえりと再設計。すなわちアップデートを伴う。
↓
これをドライブするには経営の意識変革が肝
・組織としてビジョン/ミッションを再定義して浸透させる
・中長期の視点を持ち、改善を利益創出および組織と個人の成長のための活動として位置付ける
・改善を業務プロセスに組み込む
このようなマインドチェンジが必要
■そもそも「働き方改革」なる言葉がビッグワードすぎる
組織の階層が変われば、問題意識がかみあわなくて当然。立場が変われば見える景色が違うから
それを「働き方改革」なり「生産性向上」なり大げさなキーワードで包もうとするからうまくいかない。
★意識合わせよりも、景色合わせを~問題を書き出しやすくする7つのポイント
著者は「改革や改善の初期においては、意識合わせより、景色合わせを」と伝えている
立場が違う相手同士、問題意識はなかなか合わないものですが、景色は合わせられる
景色合わせの第一歩。それは「書き出す」
部署別、チーム別、職種別、あるいは層別などリアルを洗い出したいグループを組んで
・問題だと思っている事
・生産性を下げていると思うもの
などテーマを決め。その原因や事象と思われるものを付箋で書き出し、模造紙やホワイトボードに貼り出す。
「課長の問題意識はこれなんだ」「なるほど、現場の若手はこういう情報がなくてモヤモヤしていたのか」
など景色の違いが明確になります。
「じつはみんなこの作業嫌だと思っていたんだ」→「だったら自動しよう」などその場で改善の合意同性がなされるシーンもありえる
心の中でモヤモヤ思っているだけで、言語化するスキがなかっただけ。問題の共感と合意形成ができていなかっただけ
■進め方として下記ポイント7つ
①グループの人数を多くしすぎない(3名から5名)
②場合によっては役職者は退出
③書き出し(個人ワーク)→共有までの流れで進める
④ファシリテーターをおく(その場で出た意見を否定しない、新たな視点や切り口を提示して意見を引き出すのが得意、暗いムードにしない)をアサイン
⑤テーマを設定する
⑥やりっぱなしにしない。必ず「向き合い方」を決める。
┗「待遇の問題は人事部の検討課題」とか「この問題は現場メンバーのスキルアップで解決」とか。
ポイントは「誰か一人に押し付けない」「気合・根性論に倒さない」
その場で決まらなければ、いったん主催者や事務局が持ち帰って検討して報告するでも可
やりっぱなしだと参加者は無力感を募らせ、二度と本音を言わなくなるので注意
⑦その場で問題が十分に洗い出されなくても「失敗」と決めない
どんなにファシリテーターががんばっても参加者から意見が出ない事もある
・意見することに慣れていない
・上司がいると言いにくい
・テーマがピンときていない
もし「書き出し」の場で意見が出なかったとしても「ああ、自分の会社の社員の問題意識はこんなものなんだ」
と思うくらいが健全。最初の「書き出し」は社員の問題意識のアセスメントくらいに前向きにとらえる
現状が分かれば打ち手が考えらえる
・より現場にピンとくるテーマを再設定することができる
・上司のいない場で意見を言い合う場をつくる
■自分たちの困りごとをテーマ設定する~「部課長以下の世界のリアル」に正直に
「問題だと思っていることを書き出せ」「生産性を下げている原因や事象を指摘してくれ」
テーマが大きすぎる
著者は「部課長以下の単位のリアルなテーマを設定してください」「あなたの半径5km以内の困りごとをテーマ設定してください」
とよく言っているらしい。基本や部単位、課単位で基本的にはみな仕事をしているので職場の問題もその単位で
言語化した方が良い
営業:お客さんと接する時間が少ない
研究開発部門:研究する時間がない
うまく改善課題のテーマ設定ができないようであれば、ひとまず部署長以下単位での困りごとを
テーマ設定してみよう。「はたき方改革」「生産性向上」では目的語が大きすぎる
■浮いた時間で何をするのか?も考える
現場のリアルな問題の言語化と対策検討も大事だが、メンバーに「その先を見せる」マネジメントも必要
営業:マーケティング手法を勉強する時間をとる
研究開発:外部のフォーラムに参加する。1人あたり月1回が目標
「組織の個人の本来価値は何か?」「景色合わせをしつつ、具体的に次何をするのか?」「私たちはど成長するのか?」
これこそが組織と個人のヘルシーな成長につながる。
■外の風を入れて「おかしいって思っていいんだ」「問題だと思っていいんだ」と気づく
中の人たちだけではなかなか「無理」「無駄」「おかしい」に気づけなかったりする
外部の専門家を呼ぶ、業界他社の人の話を聞く、他業界、同業種の人たちと交流する、外部ファシリテーターを呼ぶ
本屋記事を題材にするのもよいでしょう。
★2丁目_無力感
●現場が「改善提案しない」「本音を言わない」背景9つ
現場が意見を言わない、改善提案がおこらない、本音を言わない
それどころか日常のヒヤリ・ハットすら共有されない理由は9つ
①怖くて言えない
②空気を読んで言わない
③テーマがない
④言語化できない
⑤気づかない/気づけない(含:前任者に気を使って気づかないふりをする)
⑥無力感(頭ごなしに否定される、実行された試しがない、報告書を作成する作業や説明が面倒)
⑦得しない(評価されないし、残業代減るだけ、何もしない方が得策)
⑧サポートしてくれない(提案したら最後、自分がすべてやる羽目になる。「言ったもの負け」
⑨愛着がない
意見や提案が行われない=この組織を信頼していませんのメッセージかも
⑥にフォーカス。⑥は⑦⑧⑨もにも関連している。
ここに向き合わずして、「心理的安全性」などと騒ぎ、1on1ミーティングしても虚しい
仕事ごっこに終わってしまう危険性がある
●無力感はなぜ生まれるのか?
・「奇特な勇者のボランティア活動」状態
無力感がある組織にも稀に表れる勇者
┗上司が提案や本音を聞くポーズは見せるが、やらせてくれない
┗いったお前がやりと改善をすべて本人に押し付ける
┗挙句の果てにはしごを外される
・改善能力不在
問題や課題はわかっているが、改善する能力はない
・改善がうまくいった試しがない(部門長が変わった瞬間終わる、抵抗勢力・無関心勢力が邪魔)
・改善の進捗共有や情報共有がされない(特に何をどこまで進めているのか明かされないまま、「あなたが自職場で非効率だと思っている仕事および改善案を記入してください」
とアンケートが飛んでくる。これはモヤモヤするだろう
●アンヘルシーな組織風土を放置するとどうなるか?
・業務を俯瞰して改善できる人材が育たない/定着しない
・社員のエンゲージメント(帰属意識や愛着)の低下
・コンプライアンスのリスク
●チームミーティングに「KPT」を取り入れてみる
改善のための会議や検討を「わざわざ」行うのはハードルをあげてしまいがち。
とはいえ改善を行うためには、いったん時間の流れを止めて仕事を客観視する
好きやきっかけづくりが必要。これがジレンマ
そこで「どうせやっている」慣習に目を向けてみる。
例えば「朝礼」や「週次のチームミーティング」これらはどうせやっている取り組みの典型事例
中には形骸化して、いったい何のためにやっているのか分からない場と化している職場もある
このどうせやっている場を「ついでに」問題提起、改善提案、改善の実行と振りかえりの場に変えるのはどうか?
■例:乗換案内サービス「駅すぱあと」を展開している株式会社ヴァル研究所
KPTを全部門で採用。朝礼やチームMTGでメンバーが気づいた問題や課題を言語化、および改善検討や改善行動を
してふりかえりを習慣化していく。
K:Keep→よかったこと(今後も続けること)
P:Problem→問題だと思う事(今後はやめること、あるいは新たな改善課題)
T:Try→試してみたい事/チャレンジすること
→すぐに改善できないものは「長期保管T」に分類するなど
現場から出た改善提案を風化させない工夫もされている
●提案者と実行者を分ける
「言ったもの負け」の文化が根強い組織では中々問題・課題を意見しにくい為、提案者と実行者を分けましょう。
マネージャーがいったん問題・課題を受け止め誰に改善を担当してもらうか別で決める
このような分離が功を奏するケースもある。
●旗振り役をおく
旗振り役がいるかいなかでも、組織に改善意識や行動が定着する/しないは大きく変わる
旗振り役って何か?
・KPTの進行役
・提案者と実行者を分ける判断
・改善活動の進捗管理
・組織内のナレッジマネジメント(個人の気づきや改善ノウハウを、組織の知識に変える取り組みの企画と運営)
【勉強会、意見交換など】
⇒無理にマネージャーがやろうとせず、興味ある若手や外部の専門家に任せるのもあり
●改善を仕事と認め、リソースや権限を与える
改善の風土を定着させるには、環境整備も肝。
足りないリソースを明確にしたうえで、調達する。現場に権限を与える
「そんな予算も時間もない」ならその予算や時間を確保することをチームの改善テーマに設定して見るのもよい
●改善した、その先の世界を明確に
「業務改善したら、自分の仕事がなくなってしまうのではないか」
「自分が好きでやっている仕事なのに、標準化したスリム化が進んだらその分面倒な仕事が来ないのか」
⇒将来のモヤモヤも問題提起や改善提案へのブレーキになりえる
改善したその先の世界をマネージャーは示す必要ある
●トップは「伝え方の景色」を変化させる
改善が定着している/し始めた組織は、トップ(社長、部門長)も正しく汗をかいている
・改善がなぜ大事なのか、自分の言葉で語っている
・改善が大事であることをしつこく発信し続けている
・改善のいい取り組みや、改善を率先している人に激励の言葉をかけている
・現場のいい改善事例を社内報で特集し、トップの激励コメントを添える
・社外の人に、自社の問題や課題やいいところ(可能性)を語ってもらう
⇒このような伝え方の景色を変化っせるもの改善風土の醸造に大きく寄与する
●本気であるおとを行動で示す
・改善している組織や人を評価
・社員の育成に投資する
・環境整備にお金をかける
・改善を邪魔する儀礼的な慣習や事務作業を減らす
●成果より変化を
改善の組織への定着は組織風土改革そのもの。10年20年30年以上かけて
培われた組織文化が1ヶ月や2ヶ月で変わるはずがない。
「即の成果を追わない」マネジメントが必要
「だれも意見を言わなかった会議。改善による仕掛けの工夫により、自分の意見を人が増えてきた」
成果よりも「変化を追う」べき
言葉にすることで「改善していいんだ」「チャレンジすることは楽しいんだ」という共感を生める
成果は、数値化によって評価
変化は、言語化によって評価
組織風土や文化の変化は、中々数字で評価できるものではない。定性的だからこそ
変化を率先して言語化し、正しく光が当たるようにしてください。
★3丁目_中間監理職ブロック
●ブロックする中間管理職の言い分
・制度面:改善しても評価されない
目先の売り上げや予算達成のみ必死。改善をしたこともないのに
わざわざ未知の世界に足を不見れて時間を使うより、過去の成功パターンに
フルコミットした方が効率が良い。
●意識・風土面:根強い気合、根性主義
スポコンに代表される気合主義、美徳
●組織構造面:本社が無駄な管理業務を増やす
コンプライアンスやガバナンスの名のもとに、
本社さまが現場の管理業を次から次に増やす。
●中間管理職の意識と役割のアップデートを
気合・根性論で部下に残業させてでも数字を達成すればよかったが時代も変わった
5つのマネジメントと9つの行動が求めらえる
マネジメント:コミュニケーション、リソース、オペレーション、キャリア、ブランド
9つの行動:ビジョニング、課題発見、育成、意思決定、情報共有、モチベート、調整、生産性向上、プロセスづくり
●評価制度の見直しも必要
業務時間の〇%を改善に充てる
年間〇時間は、改善のために時間を使う
改善のための目標設定と活動をおこなう
⇒これを部門評価項目、管理職や社員の個人評価項目に設定するだけでも、改善に取り組まざるをえなくなる。
●中間管理職の負荷軽減も大事
「やめることをきめる」これも大事なマネジメント
●中間管理職をはずした、特命改善プロジェクト組織を立ち上げるのも手
トップ(社長や担当役員や部門長)と現場の中堅社員
改善マインドも、改善に対するスキルも思いもない、中間管理職を介在させたところで、不幸。
似たような方法は、イノベーションを掲げながらも、従来の組織文化や制度がネックで
イノベーションが起こせない日本のレガシー企業において取り入れ始めている
★コラム 何の為に働き方改革をするのか
「働き方改革」の最終ゴールは、ビジネスモデルの変革
いままでのやり方を見直し、イノベーションを起こし、新たな収益モデル、すなわち
新たな稼ぎ方を創る。その為には各々の組織が「自分たちはどこで勝っていくのか」
「どんな相手と繋がっていくのか?」すなわちブランディングをしていく必要がある
・どのような顧客に、自社あるは自部署を向いてほしいか?
・どのような取引先や協業パートナーとつながっていくか?
・どのような価値観やスキルを持った人に、自社あるいは自部署に参画してほしいか?
・どのような株主や投資家に協力してほしいか?
↓
すなわち、だれを自社ファンにするか?それを決めるために、自社について
・何をこれからも大切にするのか?
・新たにどこを目指すのか?
・どこでとがっていくのか?
を決め手話し合って、社内外に発信し、自社ファンを開拓するあるいはつながっていく。
一方現場、すなわち部課単位では、自分たちの業務の価値と社内外に対するプレゼンス(認知および存在価値)を高めていく必要がある
・自分たちの仕事のやり方は時代遅れになっているか?
・無理、無駄がないか?
プロとして世知用できる環境か?これらを言語化し、業務改善を計画して実践し、業務改善できる人材を育成する
★4丁目_ソリューションありき
効果があると聞いて導入したはずのソリューションなのに、まったく役に立たない
「定着」を無視すると効果にたどりつかない
ソリューションを導入して効果を感じるまでのステップは次の内3つ
開発→導入→定着(=効果)
ITベンダーと話をしていると「効果」ばかりが強調される。どのように「定着」させるのかについて語られることはない
なぜなら「定着」というステップは、導入後に自分たちがやるべきことだから。
これを理解しないと「他社も使っているから」という理由で使いこなせないまま利用料だけ払うケースがある
●散らかった業務から目を背けたままでは役に立たない
ぐちゃぐちゃに散らかった部屋にルンバを導入するようなもの
●業務を引っ張り出して目の前に出してみる
「業務棚卸表」が役立つ。こいつは過去1年間に発生した業務すべてが「大」「中」「小」の3段階で分類され、
それぞれに発生する頻度が入力されたもの
●業務棚卸表の作り方
①1年間の流れを思い出しながら、大分類と中分類を書き出していく
②中分類・大分類に含まれる作業(小分類)を書き出していく
「作業の手順」とそれにかかる「業務の量」を見えるようにすることがポイント。細かく作りこまなくていい
標準的な業務に絞ろう
③書き出した小分類を見て、大・中分類の追加、削除、統合をする
④それぞれの業務に対して、誰が、どのくらいの時間をかけているのかを記す
⑤担当者の名前と所要時間を入れて、「業務量」を見えるようにする。ざっくりで良い。
●ECRSで業務を整理整頓する
業務棚卸表を作って業務の全体像が見えるようになったら、次はいらないものを処分し、整頓していく
ここで役に立つのが、業務の大掃除や整理整頓を手伝ってくれる「ECRS」(イクルス)というフレームワーク
EからSの順番に沿って、業務を廃止したり、合体させたりコンパクトに整理したりする
E:廃止(Eliminate)~仕事自体をなくせないか
まず考えるのはその仕事や作業自体を廃止できるかいなか?
↓
その際に「まずなんのためにやっているのか?」「思い切ってなくしたらどんな困ったことが起こるか?」
↓問いただす
ほげほげは必要だけど、わざわざ承認しなくても月末の〇〇を確認したらわかるとか
C:統合(Combine)~作業を同時にできないか?
仕事が廃止できない場合は、
「仕事を同時にできないか?」「ばらばらに管理しているデータや仕事はないか?」
例→定例会をほかの定例会と合わせて一緒にできないか?
R:入れ替えと代替(Rerrange)~手順や担当を替えられないか?
仕事を統合できないのか考えつつも
・A→B→Cという順序で実施していたプロセスをC→B→Aに変更する
・担当者(担当A→担当B)や部署(部署A→部署B)を変更する
ことで効率化できないか検討
S:単純化(Simplify)~もっとかんたんにできないか?
ここではじめて業務をより簡素化できないか考える。システム化や自動化などの
ソリューションを検討する
以下視点で考える
「時間が半分しかなければどうする?」「頻度を減らせない?項目を減らせない?」「丁寧すぎたり、体裁にこだわりすぎていない?」「もっと楽にできるソリューションはない?」
このように「いらない業務を捨て(E)、配置し(C,R)、整理(S)していくイメージ」
E,C、Rと進めていくに従い、問題が徐々にはっきりしてくるため、Sにたどりつくときいは「これらを解決するソリューションは何なのか」と具体的な
議論に進んでいけるはず
●導入のステップではトップが「未来の姿」を何度も語る
ECRS(イクルス)の手順を踏んでも、ソリューションの導入を成功させるのは難しい。
現場の業務は今までとは変化する為。だれしもが変化は苦手。
たとえば顧客管理システムを営業部似れたとしてもこれまで自分だけで管理していたものが、「システムに入力する」という工数が増えるように
導入段階では「決めの問題」が多くなってくる「やるかやらないか」「やるとしたら、どのようにやるのか」このような意思決定を細かく
スピーディになる必要がある
ソリューションの導入を成功させるためには、トップ層やマネジメント層の「絶対に使いこなす」という強い覚悟が必要
●導入後はボトムアップでふりかえり、ソリューションが役に立っているかを見極める
所要時間:30分~60分
事前に共有する内容:QCDの数字
進め方の例
→定量(QCD)と定性(RPAの場合は新しく取り組めた業務など)評価の共有(10分)
→評価に対して良し悪しと問題点の洗い出し(20分)
→上記に対して対策や継続していく事の整理(20分)
★5丁目_抵抗勢力
●抵抗勢力のモンスター分布
業務改善を進めていると、いろんな人が出てくる。
嫌なことを言ってくる人、わけもなく反対してくる人。話しかけても無関心で反応がない人
どのようなタイプのモンスターがあるのか分類されている
①ネゴシエーションモンスター
ミーティング中は反対したり自分の意見を言わないのに終わった後にリーダーなどに「相談」という形でネゴり、自分の思うように活動を進めようとする
②ネガティブキャンペーンモンスター
あんなのはどうせ失敗するよとネガティブキャンペーンを実施し、仲間づくりをする
③評論家きどりモンスター
あぁーその案は昔やったorリスクあるねとできない理由をもっともらしく述べて改善案をことごとく打ち消す
「〇〇部がきちんとしてくれたらいいのにねぇ」と自分たちが何をすればいいのかという具体的な解決案は出さない
④当事者意識ゼロモンスター
それは君の本業でない!現場がやるべき!と興味を示さず、仕事として認めない
⑤腹落ちしていないモンスター
とにかくすぐに定量的な結果を求めてくる。役員や経営者などトップ層に多い
■なぜ変化に抵抗するのか
私たちの体には「ホメオスタシス」という機能が備わっている。生命を維持する為に「安定的な状態」を
保ち続けようとする反応
例は20分ほど走ると呼吸があがり汗を書き始める。これは運動によって上がる体温を「心地よくない」と
判断し、体内の水分を蒸発して通常の対応に近づけようと調整する
このホメオスタシスは心理にも作用するといわれている。
あるときは不安、あるときは怒りの感情を生み出し、変化を止めようとする。これがモンスター化の要因
・できてあたりまえのモヤモヤ
・仕事がなくなるモヤモヤ
・影響力がなくなるモヤモヤ
・お客さんが逃げしまうモヤモヤ
■信頼ができない
現場→トップ(いっても無駄)
個人→個人(嫌われてしまっては怖い、チームメンバーともめたくない)
トップ→現場(自分たちに都合の良いことばかり言いだしそう)
結果的に関わることを避けたりはしごを外したりする
●そんなモンスターをどのように退治するのか⇒「なぜ変わらなければならないのか?」情報と体験セットで理解してもらう
モンスターたちとコミュニケーションを取ると、だれよりも現状に不満や不安を抱いていることが多くある
それなのに変化に抵抗するのは、今よりも期待値の高い選択肢を知らないから
↓
「ほげほげすることが損になる」という発想から「ほげほげした方が得である」に発想を展開してもらい
踏み出すきっかけを与える。「今よりよくなるはずだ」「変化しないことこそがリスクだ」と思えるような
情報を収集してモンスターに届ける
加えて
視野を広げる体験をしてもらうことも大事。同じ業界の他社の働き方を見学に行ったり、
バックオフィス業務の人が営業動向して直接お客さんの声を聞いたりも視野が広がります。
情報と体験のセットで変化を腹落ちさせることが大事
■個人にとってのありたい姿について話してみる
自分たちのありたい姿について語ることも打ち手の一つ
働き方改革は個人にとっても人生改革そのもの
組織のあるべき姿ではなく、個人として半年後や1年後のありたい姿について考える時間を作りましょう
・どんなことに価値を感じているのか
・何が大切なことなのか
・何を成し遂げたいのか
「英語を勉強して半年後に給料アップしたい」「結婚して、子供がほしい」
するとそこに向かうためには今何をするべきなのかが見てくる
「変わることでほげほげのリスクがある」というモヤモヤに対して「変化は自分にとってプラスになる」とパラダイムシフトを起こす
■結果の前に「関係の質」を高める
業務改善活動が始まると「結果は出ているのか」と経営層や管理職が効き始める
しかし今まで何年もかけて壊れてきた組織が、数か月でよくなるわけがない
イギリスの歴史学者、シリル・ノースコート・パーキンソンは
「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」と語っている。(パーキンソンの第一法則)
目の前の仕事を取り除いても、意図は新しい仕事を自ら増やす。
色とりどりのExcel表、念のため確認やお願いメール、芸術の域に達したパワポなど
時間があればいくらでもやることはみつかる
そんな事態にならないために知っておきたいのがマサチューセッツ工科大学のダニエル・キムが提唱した
「組織の成功循環モデル」です。
組織の成功をもたらす考え方で、成果を挙げ続ける組織は、まず関係の質を高めていく。
そうするとメンバーがお互いに尊重し合えるようになり、「思考の質」が高まり、アイデアや気づきが生まれる。
結果「行動の質」が変化して自発的に行動するようになるそれらが積み重なり「結果の質」が高まる
①お互いに尊重し、いっしょに考える(関係の質)
②気づきが生まれる(思考の質)
③自分で考え、自発的に行動する(行動の質)
④成果が得らえる(結果の質)
⑤信頼関係が始まる(関係の質)
このような好循環ができ成果が高まっていく
■関係の質を高める為には→グランドルールを作って意見を出しやすくする
まずはいろいろ出てくるモンスターの意見を、不平不満も含めて聞く事
否定されることがなく、意見を率直に声に出しても大丈夫という空気を作る
大事なのは出てきた意見に対して積極的に質問を投げかける事人はだれでも
自分が発言した内容に対して質問してもらと興味を持ってもらっているのだと感じる
ただすでにモンスター化したメンバーがいると横やりで足を引っ張ってくることがある
その際はグランドルールでかわそう。
①現地で問題解決
何か決まらないことがあっても、それに対しての何かしらのアクションを決めてからミーティングを終わらせるようにしましょう
リーダーはミーティングで決まったことを「正」として公平に改善活動を回す
これによってネゴシエーションモンスターとネガティブキャンペーンモンスターを抑制できる
②人を責めるな。仕組みを疑え
なぜミスが起こったのか考える時に人のやる気や意思に頼った改善案を出しても基本的には変わらない。
「なぜミスがおこる仕組みになっているのか」
「もっと標準化、ロボットで機械化できたのでは?」と仕組みを疑うようにする
③即実行、即実感
即実行できないことはひとまず施策一覧に記録
もっと気軽に、日々の「めんどくさい」「大変だ」という業務を出していく。目安は2週間以内に実行できる改善案
例
・社内メールに毎回「お疲れ様です。」と入れているのが大変なのでやめよう
・会議の資料を毎回印刷するのが面倒なのでやめよう
・担当者あての電話が毎回会社にかかるとめんどうなので自分の携帯番号を教えよう
自分たちで即実行して即実感できるアイデアを考えてみ麻生
■「自分のトリセツ」を作って自己開示する
抵抗勢力が生まれづらい風土を作る手段の一つに「自己開示」しあうという方法がある
自己開示すると業務改善の始まりや終わりにちょっとした「雑談」が生まれます。
自己開示をかんたんにする方法をとして「自分のトリセツ」を共有すること
・自分のライフに関するトリセツ(イラスト描くのが好きなのでチラシなどがあれば書ける)
・自分の仕事のスタイルを共有(効率的なことが1番なので細かな丁寧語とか前置きはいらない)
これをみながらコミュニケーションを取る事で、ダニエル・キムの成功循環モデルでも説明した
ステップ1の関係の質が向上するきっかけづくりをになる。
■モンスターマッピングでステークホルダーを整理
モンスターはいつどこで出現するかわからない。業務改善を進めていくさなかに嫌な予感を感じたら
現在関わっているステークホルダーをマッピングしておこう
縦軸→影響度(組織図における権力とイコールでないことがポイント)
横軸→関心度(活動にどれくらい関心の高さがあるのか?)
4象限に分ける。攻略する順番は1→2→3→4
関心度高い×影響度高い:1
関心度高い×影響度低い:2
関心度低い×影響度高い:3
関心度低い×影響度低い:4
■1人1人整理して、コミュニケーションの攻略法を考える
優先順位がわかったら、次はどのようにコミュニケーションを取っていくのかを考える
彼ら・彼女らを攻略する場所はプロジェクトの中だけとは限らない
①モンスターマッピングを優先順位順に並べ、現在の業務改善活動い対するスタンスを「賛成」「中立」「反対」で書き出す
②仕事を進める上で重要だと考えている事、大切にしている、モヤモヤだと思うポイントを書き出す
③どのような状態でプロジェクトに関わってもらえるのが望ましいのか書き出す
①~③を整理した上でコミュニケーション方法をみんなで議論する
★6丁目_三日坊主で続かない
最初は盛り上がるが途中から何かと理由つけて出てこないひとが出てくる
●なんでそうなるか
緊急中毒症にかかっている
目の前に現れる「急かされ仕事」に合わせて優先順位をころころ変えて仕事を進めていく
無意識に緊急度の高い仕事にやる
このような組織はものごとを戦略的に考えない。中長期に成果が得られるような仕事でも
緊急になるまで無視し続ける。効率的に成果をあげることがよしとされない風土もある
何から始めて良いのか、誰がいつからやるのか決められない
愚痴大会が始まるパターンも往々にしてある
●どうしたら脱却できるのか?
なぜこの仕事をするのか?まずは日々の仕事から12分を確保する
緊急中毒に陥っている人は「常に時間がない!」と考えています。ただ誤解
イギリスの歴史学者パーキンソンは、時間があっただけ我々は再現なく仕事を増やしてしまうと述べている。
常に戦略的に仕事をとらなければいつまでたっても緊急中毒症から抜け出せない。
生産性の高い組織では、次のような仕事を自分たちに常に投げかけている
「そもそもなぜこれをおこなうのか?」
↓
「忙しすぎて1時間もMTGに関わっている暇なんてない」よく考えてください
週に1時間は、日々の業務に置き換えるとたった12分。日々の業務から12分の仕事を捨てれば
緊急中毒症から抜け出せるのだと。日々の業務を整理して12分を確保することから始めてみるとよい
●情報格差を作らないよう、ミーティングの内容を残す
ファシリが次の項目を事前に準備
・本日のゴール
・内容
・実地日時
・出席者
・場所
→本日のゴールは曖昧なことがを避ける。「~について」「~の件」
業務改善活動で集まって話すときの話題は大きく次の3つ
・連携→報告や共有、意識合わせを目的にしたもの
・判断→承認や決済、合意形成を含む意思決定をするためのもの
・議論→アイデアを出し合ったり相談しあうもの
→内容については「会議の目的を達成するためにはどのような内容にどのくらいの時間をかけて話せばよいのか?」をイメージする
●実行することの決め方を決める
コスト:金かかること
巻き込む範囲:自部門でできるかどこかをまきこむか外部いるか
ベネフィット:廃止か削減か変更か
期間:今月中、上期中、来期