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【ケッコンカッコカリ】どうしてソロウェディングなのか

気がつくと人生の半分を折り返しとなっていた。人生100年というので、その間に何をしてきたか殆ど覚えていない。
ただ、結婚してもいないし、子孫を残してきたわけでもない。ぼんやりと生きていたといってもおかしくない。

そんな自分が将来のことを考えたときに、後悔をして死にたくないと思った。やりたいと思ったまま諦めてきた人生。全部やりたいと言ってしまったら、わがままだとみなされて注意されてきた人生……私の人生は、どんなことでもやりたいと主張したら、「それはわがままだ」「大人になるに向けて、我慢することも大切だよ」と否定されて生きてきた。学校でも、家庭でも、そういう環境だった。ただ、家庭はどんなことを言っても最終的には受け入れてもらえた(そこでも折衷案を設けたが、敢えて割愛)自分の人生と言いつつ、他人にウケる人生だった。認められないから、認めてもらおうと必死で頑張ってきた。しかし、そんなのは偽りで自分の人生は自分で歩むしかなかった。

若い頃は人の流れに乗って、お見合いも経験したが多分「一生愛されない」という呪いを受けたから、選んでくれる人間を勧めたのかもしれない。しかし、その選択肢はあっさり消えて、『結婚しない人生もあるんだよ』『もしかしたら、50歳になっても養ってくれる人が出てくるかも』と言う言葉がたまに出るぐらいになった。私自身、『養われる』人生は嫌だった。餌を自分で獲りに行けないひな鳥のような人生を80歳、90歳になってもし続けるのかと……どうせなら自分の足で歩みたい。結婚はできないと思うから、そういう人生を送るに向けて、わがままに生きようと思ったわけだ。

そんな時、推しに出会った。
彼に出会って、少しずつ話せるようになって。
気がついたら本気で好きになっていた。
ただ、これは『永遠の片想い』であって、彼とクロスする人生は描けない――それは十分わかっていた。だから、片想いが当然だと思っていた。

もともと自己肯定感も低いし、メンタル不全や持病も持っていたので太陽の下で歩く人生は送れないと思っていた。リアルで結婚すると、相手に迷惑をかけてしまう。家族にも、その先の人間にも迷惑をかけてしまうのだ。よく『結婚は2人の問題』というけど、現実はそうじゃない。パートナーと自分だけで片付けられる問題じゃない。周りの人間がついてまわるし、そこから派生する考え方で問題が生じるのだ。
だから、自分は結婚できないと気付いたし、その時はすでに適齢期をとうに終えていた。このメンタル不全や持病のせいで、みんなに迷惑をかけたくないと思ったから、結婚をするという選択肢を選ぶのを放棄した。

推しが好きだという気持ちはそういう状態になっても変わらず、性自認とかの問題はないけど、彼に対しては『永遠の片想い』であり続けることを選んだ。もともと夢女子の傾向もあり、自己投影しては恋愛モードだったらどうだろうかと思っていた。リアルでは大切にしてくれなくても、妄想の中なら大切にしてくれる。それが夢という形なら自分の都合に合わせて形を作っていけるから。
そもそも夢女子であるし、元カップリングコンビ厨でもあったので、描くのは簡単だった。傷つくこともなく、楽しい感覚で過ごすことが出来たからだ。

――その『楽しい感覚』の延長線上に出会ったのが、『ソロウェディング』だった。

きっかけは忘れたが、ネットで検索してみたことで知ることが出来た。noteで実際に経験した人の話を読んだ。その時、頭の中でなにか弾けたような錯覚に陥った。
(私、一生このままなの…?)
結婚も経験しないまま死ぬのだろうか。『こだわってない』『興味がない』と言って逃げるのか。あちこちで本音と向き合おうといってるのに、向き合ってないのは私じゃないのだろうかと。

自分の心に正直になろうとずっと思っていた。
偽っていたのは今までで、本音と向き合いたいとずっと思っていた。結婚はできないけど、そういう体験はしたい。パートナーは見つからなくてもいいから、心のままに向き合おうと。

じっくり考えると、女子に生まれたからにはドレスは着たい。結婚式の経験をしたい。キラキラとしたものは大好きだった。自分では体験したこともないし、他人様の結婚式も殆ど出ていない。そんな人間でも、結婚式ができるというのは経験値を上げるチャンスなのかもしれない。

しかし、世間で言う『ソロウェディング』は「ひとりぼっちの結婚式」というイメージが先行するが、それは「可哀想」「みじめ」「パートナーはどうしていないの?」という従来の形に基づいていたからだ。結婚式はふたりが祝福されるためのものではない。いつ、そんなことが決まったのだろうか……?

ここ数年、『おひとりさまビジネス』というのも出ていた。人生の多様化を求められるような世界になって、「わざわざ結婚しなくてもいいじゃない。ひとりでも楽しめるよ」というコンセプトで出てきたのが『ソロウェディング』だった。実際に衣装を着て、写真を撮ってもらう。リアルでの結婚式が思うようにいかなくても、ここで再挑戦すればいいじゃないかと。

ソロウェディングの魅力はこんな感じ。

ウェディング姿を堪能できる
きれいなうちにウェディング姿を残せる
ソロウェディングは未婚でも既婚でもOK
パートナーが乗り気じゃなくても
友だちとの思い出作りにも
家族と一緒のソロウェディングもあり!
前撮りや結婚式写真の撮り直しにも活用できる
授かり婚でお気に入りの衣装が着られなかった方も
コロナ禍で簡単にしかできなかった方にも
推しとソロウェディングができる

ソロウェディングの魅力やメリット10選

成人式も結婚式も出来ないままここまで来た。そう思うと、やり直しということがピンときた。そして挑戦するということも思いついた。
それ故の、ソロウェディングなのかもしれない。

あとは『推しと疑似恋愛して、結婚もしたい』というやつなんだろうか。先程も書いたが、私は夢女子の要素を持っている。そのまま人生の折り返し地点に立ってしまった。それを満たすためにやりたいと思ったのかもしれない。

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