【推し活ELECTRA】日曜日の募金
3月10日のお昼になる前、小田急線・新百合ヶ丘駅のデッキで川崎フロンターレの選手たちが来ていた。
フロンターレが長年続けてきた東日本大震災の復興支援の募金活動でした。
来ていたメンバーは、前日の京都戦でスターティングメンバーとして登録されていた10人(橘田選手以外)
選手たちは最初に10人集まって写真を撮ったあと、5人ずつ分かれて2箇所(駅前のマクドナルド側、OPAとエルミロードの間あたり)で立っていた。
新百合ヶ丘駅には、多くの人たちが並んでいて私が来た開始10分前だと、かなり長い列が出来ていたほどだった。
選手たちを見て、募金をしての繰り返し。
数日前の応援番組でもお知らせしていたのか、普段なかなか試合にこれない人たちも「フロンターレの選手が来るから」といって、新百合ヶ丘駅に来てる人がたくさんいた。
知り合いにも会って、彼女は募金を終えたら麻生グラウンドでのトレーニングマッチを見るといってた。
募金活動に来ていたメンバーには、ご贔屓の選手も来ていた。
推しは来てなかったので、多分トレーニングマッチに出る予定だろう(前日は途中出場だったので)
普段なかなか見られない選手たちを、じっと眺めながら時間を過ごす。募金に当てていた小銭も気がつくとなくなっていた。
――今日の目的は何だっけ?
そんなことを考えながら、時間を過ごす。麻生グラウンドでのファンサービスじゃあるまいし、募金することが第一の課題。
そして、東日本大震災のことを風化しちゃいけないということ。
今年のお正月に起きた能登半島地震が新しい記憶になってしまったこともあり、気がつくと東日本大震災のことを忘れそうになる。
あの日、仙台のスケートリンクで震災を体験した羽生結弦は、オリンピックでメダルを取って引退してしまった。
あの大規模な震災を知らない子どもたちが増えているという。
時の流れは残酷だ。
フロンターレは、東日本大震災の直後から支援活動に力を入れてきた。
『Mind-1ニッポンプロジェクト』ということで、試合の前後にも募金活動をやってきた。
選手たちは年に1度、岩手県陸前高田市を訪れて、震災のことを知るという『体験』をしてくる。
ホームゲームでは年に2~3回、『陸前高田ランド』と銘打ってイベントをする。そこでは陸前高田市での美味しそうなものをたくさん販売されるのだ。
とにかく、風化させないために力を入れているのだ。
『支援はブームじゃない』
震災直後から、私達は何でも買い続けた。東日本大震災では東北のものを、そして今度の能登半島地震では北陸のものを。
それは支援という形になるが、いつの間にか『ブーム』という軽い言葉にすり替わっていないだろうか。一瞬の熱病のようになっていないだろうか。
フロンターレの活動を見ていて、地道に続けることが大切だと教えられる。
あの日も、去年も、今年も――
募金活動が終わって、選手たちは1つに集まって別の方向へ向かっていった。今年もこの募金活動は成功したといえる。
多くの人に、東日本大震災を風化させないよう伝える。まだ被災している人たちのことを忘れないように、と。
選手たちがいなくなった新百合ヶ丘駅は、いつものような賑やかさのままだった。
このまま麻生グラウンドでのトレーニングマッチを見るのも考えていたが、ちょっと考え事をしていたのか行くことなく、近くのスタバに向かった。
【追記】翌日も溝の口駅で募金活動をしていたとのこと。