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尊敬するA医師に感謝#3 A医師との別れ
A医師は癌治療を開始してからというもの、病状は駆け足で体を蝕んでいきました。
A医師はもう1人では外に出られないほどに体を病み、自宅で療養という名の終活を進めていたようです。
そこで驚いたことがひとつ。
亡くなる前にA医師は、よくお酒を交わした職場仲間で最後の食事会を開いてくれたのです。
A医師の奥様が先生の代わりにお店を予約してくださっていました。
A医師は奥様と娘さんに体を支えられながら、予約した店に入ってきました。
仲間たちは見るに忍びない変わり果てたA医師の姿を目の前にして、涙を堪えながら必死に笑顔を作っていました。
A医師はこれまで仲間と一緒に頑張ってきた仕事のことを力の無い声で、言葉にならない言葉で、でも想いを込めて語ってくれました。
そして私たち仲間に感謝の気持ちを伝えてくださいました。
この食事会はA医師が私たちにお別れをするためだったのです。
A医師は水を少量口にするだけで、力を振り絞りそこに座っているようでした。
その1週間後にA医師が亡くなったことを知らされました。
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お葬式には多くの医師、看護師、医療関係者、そして長い期間関わった患者さんまでが顔を出しA医師の死を惜しんでいました。
患者さんは「こんな医者はいない、だから先生の行く病院ならどこにでも受診しに行った」
「先生に生かしていただいた命なんだ」「ここまで患者のためにやってくれる医者は会ったことがない」そう語っていました。
そうなんです。
そうなんですよ。看護師の私も同感です。患者さんのことを1番に思いやるA医師です。
先生がいたから私もキツい業務を乗り越えられてきたのです。
先生は看護師の業務への理解も示して「ありがとう、いつも悪いね」「俺ひとりじゃ何もできないんだよ、ありがたいよ」といつも言ってくれました。
私はその言葉に何度救われたか。
本当に心から感謝しています。
A医師からはたくさんのことを学びました。私が看護師として大きく成長した時でもあります。
天国にいる先生、私は先生が厳しくて怖くて、先生との業務に緊張した時期もありましたよ。
でも、看護師の私を認めてくれましたね。
私は先生のおかげで、看護師として白衣を着る自分を誇りに思えるようになりましたよ。
先生から得た医療看護の学びと、先生の医師としての志は、私の中で生き続けますからね。
あなたは本当に尊敬できる医師です。
病気になって辛かったですよね。悲しかったですよね。
私は忘れることはありませんよ。
心から感謝しています。
先生、本当にありがとうございました。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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