イブン・バットゥータの壮大すぎる人生 ― 地球を旅した男が見たもの
想像してみてください。14世紀のモロッコ、タンジェの海辺で、一人の若者が未来の地図を眺めているところを。いや、地図なんてありません。紙の上には想像力と野心しかないのです。「そうだ、メッカに行こう!」と彼は決意しました。21歳、当時の基準でいうと立派な大人ですが、今でいえば大学を卒業してすぐに世界一周を始める旅人みたいなものでしょう。そう、この若者こそ、今回の主人公 イブン・バットゥータ です。
地図はないけど、冒険心は無限大!
1325年、彼はタンジェから旅立ちました。ラクダに乗り、砂漠を越え、川を渡り、何十年もの間、止まることなく歩き続けたのです。どうしてそんなに歩けるのか?それはきっと、知りたいと思ったからでしょう。現代なら凄腕ブロガーやYouTuberとして活躍していたかもしれませんね。
北アフリカではスルタンに会い、エジプトではナイル川に感動し、メッカでは巡礼を達成。その後も、彼の冒険は止まりません。インドでは高官として雇われ、スマトラ、ジャワを経て中国では広州で商人たちと話し、モルディブでは島々の裁判官にまでなりました。世界がどれだけ広いかを知り尽くした彼は、まさに「旅する百科事典」だったのです。
トラブル?もちろんありました。
さて、30年も旅をしていれば、トラブルがないわけがありません。
たとえば、インドでは「この人、法学者らしいから採用しよう!」とスルタンに言われ、なぜか裁判官になりました。でも、現地の文化や人々の習慣と合わず、揉め事も多かったとか。これ、現代なら「異文化適応能力」が低いと見なされて、ビジネススクールで鍛え直されるパターンかもしれませんね。
また、モルディブではさらに深刻。美しい島々での生活は楽園のようですが、現地の人々に「そんな厳しい法律いらないよ!」と反発され、結果として早々に離島する羽目に。いや、文字通り「島流し」ではありませんが、彼は自ら出て行ったのです。
最後にたどり着いた場所と、その教訓
ここから先は
¥ 200
是非応援お願いします! いただきましたチップは クリエイターとしての活動費に使わせていただきます!