【創作】ラーメン味戦争2
この戦いは、神の御許に捧げられし聖戦である!
伝統を捨て、代々の味を忘れ去った不敬者達に、私たちの手で大蒜の鉄槌を下すのです!
私たちは異端の者として、この世界において謂れなき迫害を受けてきました。皆はそれをいつか、かの約束された地へ至る未来を信じて耐え忍んできました。
今、その忍耐が実を結び、こうして反旗を翻す時が訪れたのです!
スープに浮かぶ背脂のように散って逝った同胞達の無念、もやしのように積み上げられた戦友の屍、悔しくて噛み締めた極太麺……。これらは失ったものでは無く!私たちの進みゆく道を指し示す光となるでしょう!
異教の者であるシオ・ラーメン派達と、一時とはいえ手を取り合う事をお許し頂いた、指導者たるジロワ・シャルル様の寛大な心に、改めて感謝致します。
彼らもまたこの戦いで死することによって、我々の神の赦しを得ることでしょう。
我々は死を恐れない!
例えこの戦いで死することあろうとも、その魂は神の加護の元、永遠に安らぎの中にあり続けるだろう!
口にすることすら憚かられる、かの異邦の教えを受け入れた背教者には決して屈服してはならない!
乳化した白濁なるスープの元に、私たちの神の威光を信じて!
―インスパイア過激派 聖少女ジャンク・ダルクの演説