マウスと初夏
左腕に筋肉注射、右手にマウス。その右手の中の赤いマウスはとうとう壊れてしまった。そもそもPCのタッチパッドは壊れてしまってマウスをやむなしに購入してやってきたが大学卒業を前にこのパソコンが息絶えそうになっている。そう思えば、このバーガンディのパソコンは一緒にアメリカに行った相棒だ。アメリカに行くことになるから、その時間をできるだけ楽しんでできるだけ記録をしたくて、思い浮かんだことをスマホより大きなラップトップに詰め込みたくて、両親に大体1年前倒ししてこのラップトップを買ってもらった。アメリカ留学には費用が掛かるわけで、両親が納入したあとに留学のことを聞きつけた父方の祖父がその費用を私にくれた。あんなに分厚い栃木銀行の袋、初めて見た。目の前の膨らんだ封筒には金額以上のものが入っていることは明白だった。あれだけそばにいろ、遠くへ行くなと言っていた祖父は今誰も手の届かない遠くにいる。アメリカよりも遠いところにいる。
手の届かない人のことは想っていればいい。そして、左腕の話。上腕に白い四角が鎮座して、その奥が鈍く痛い。腕が貫かれたようにその反対側も少し痛い。筋肉注射は想像より痛かった。
きっかけは、そういや子宮頸がんワクチン打ってねえなあ。という年に数回ふと思う、そんなタイミングでシェリーのお風呂場というyoutubeチャンネルを見たことがきっかけだ。ちょうど考えていたタイミングにshellyさんのそのチャンネルを見ることがあり、真剣に考え始めた。そこから割と自分の体のことを考えるようになり、そして月曜日、シルガード9の初回接種にこぎつけた。子宮頸がんワクチンとは何ぞや、となってる人。ちょっとアピらせて下さい。
そもそも子宮頸がんのほとんどはHPV、ヒトパピローマウイルスによって発生するといわれいていて、おもに性交渉によって感染するらしい。そして、このウイルスも巷で騒がれてるあいつと似て、「型」が存在し、150近い型が存在する中でも、「ガンに変化しやすい」ものがあると。詳しいことはshellyのお風呂場を見てください。そのなかでも私は9の型に対抗できるシルガード9という9価のワクチンを接種しました。いま中高生が無料で打てる定期接種の物は2価もしくは4価。結局私は副作用が騒がれ積極推奨が中止されたころに接種のじきをむかえた子供だったので、足踏みしたまま私は一度も打たずに成人した。だがしかし、ガンに対抗できるワクチンなんてそうそうなくて、ワクチンを打ったときの副作用と、いずれガン化する可能性を抱えることのふたつを比べ、そのメリットを完全に理解し、メリットの方がめちゃめちゃにでけえじゃん、と思ってワクチンを打ってきました!
みんな打てよ!って話ではなくて、私たちはもう少し自分たちのヘルシーさについて考えるのがいいんじゃないかって話。子宮頸がんワクチン打つ打たないはそれこそ自分で決めるものだけど、親と話してみたことある?パートナーと話してみたことある?(私に現在パートナーいねえだろという突っ込みは受け付けません)ちなみにガーダシル4価は男の子も打るんよ。しってた?子宮頸がんワクチン、男にも効くんだぜ、知ってた?HPVは性別問わず感染するってさ。わたし、二十歳超えるまで知らなかった。
体の守り方はいろいろあるってさ。ワクチンを打たずに定期的にがん検診を受けていくのも一つ。自覚症状が出にくいガンなので。ワクチン&検診でダブルガードするのも一つ。ワクチン打ったからってガンにならないわけじゃないし。
私たちがヘルシーでいるためのワクチンや薬は、マウスとかラット、ウサギ、その辺が実験に使われている。右手の中で壊れたマウスと、左腕のために壊れたマウスと、うちらよりよく生きるために動物犠牲にしてしまうところ多いよな。まあ食事とか薬とか、体内に摂取するための動物の犠牲は仕方ないと思っていて、なぜなら私たちは人間だけど動物なのでね。動物は動物を食べて生きてるのでね。ただ。皮とか、シャンプーとか、時にはコスメとか。その辺はちょっと気を付けていけたらいいかなと思ってみたり。そういいながら私は小岩井のカフェオレを飲み、あさぎり牛乳のバター飴舐めて、悪夢にこじ開けられた眼をブルーライトに浸しています。