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オトナの感情の行き先
ランニングの途中で、児童公園の前を通った。
滑り台の下で、2〜3歳くらいの男の子が顔を真っ赤にして泣いていた。男の子の目の前にはお母さんがいて、彼の手を握りながら一生懸命あやしている。それを、同じ歳くらいの2人の子供が心配そうに見つめていた。
お母さんがなだめようと笑顔で話しかけると、さらに火がついたように泣き声が大きくなった。全身を突っ張らせるようにして両手に握りこぶしを作り、空を見上げて大きな声で泣いている。
「僕はそういう理由で泣いているんじゃないんだ」とでも言っているのか、「僕が泣いているのに、どうしてお母さんは笑うの」と思ったのか。
全身で不満を表しているような様子がとても愛らしく思えた。
そういえば大人になると、こういう感情はどこにいってしまうのだろう。
大人になったからといって嬉しいとか悲しいとか不満だとか、そういう感情が小さくなる、というわけではないはずなのに。
思春期で恥じらいの気持ちが育ち、大人になって見栄や世間体を気にすることを覚えて、感情に蓋をすることが当たり前になっていくのかな。
大人があんな風に、火がついたように泣いていたら面白いのに。
そんなことをふと考えた。
立派な体格の大人が、体をつっぱらかせて顔を真っ赤にして、大声で泣く。
嬉しい時に小さな子供が体中で喜びを表すように、大人も飛び跳ねて喜んだりすることが、普通にできたら楽しいのに。
たまには感情も欲望も解放してあげないと感覚が鈍るんじゃないかしら、と思いながら走っていて、大きな橋の上から夕焼け空を見上げたら、クレヨンしんちゃんの『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』という映画を思い出した。
あれは、とても良い映画だったなぁ。
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