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人は多面的。今見ている面は何色?

コーチングを学んでいるわたしはきっと、他の人よりちょっと「誰かの役に立って喜ばれたい・感謝されたい」という思いが強いのかと思う。

相談された限りは、解決したいし、話してよかったと思われたい。
抱えている問題やら解消したいモヤモヤを整理して、
わたしのアイデアも参考までにお伝えして、
解決のヒントになってほしいと、つい思ってしまう。

「この人にとって解決しなければならない問題は何だ?」と思って、相談にのってしまいがちだ。

「相手にとって役に立つ支援がしたいという善意溢れた行動」なんだと思う。

が!!!しかし!!
一歩間違えれば、というかだいたい多くの場合、自分の考えの押し付けだったり、独りよがりだったりになっているといえる。

コーチングの世界で、「その人全てに焦点を当てる」という表現をするが、まさに、独りよがりだなーと思う問いに対する答えだ。

コーチが向き合っているのは、解決すべき問題ではなく、一人の人間だ

お役に立ちたいと強く思うあまり、
相手の話を頭を使って聞いて、問題点や課題を探して、自分なりに解釈・理解して、できるだけ論理的で実用的な解決策をひねりだそうとしてしまう。

先日のセッションで、クライアントさんに、「どうしたらいいと思う?」と聞かれ、正直困った。

こうしたらいいんじゃない?というわたしのアイデアはあったけど、
それはたった10分ぐらい話を聞いてでてきたものなので、全然的外れかもしれないし、本人の気持ちをしっかり理解できていない思いつきなして

「質問を質問で返して申し訳ないけど、どうしたいって思ってる?」

と聞いてしまった。

そもそも「こうしたらいい」なんて回答は、表面をさらっとなめたわたしがアドバイスできることじゃないと思う。参考程度にこう思うぐらいのことしか言えない。

それにも価値はあると思うけど、プロのコーチとして答えるには注意が必要がと思う。

いま、持っている悩みや課題は、それ単独で生まれたものではなくて、今までの経験や育った環境、いまの生活環境などいろんなものに影響しているから。
目の前に出ていた課題はその人のあくまでもほんの一部。

人生のある一つの領域における決断が、
人生の全ての領域に影響を及ぼすことは避けられない

憧れの企業に転職できたとして、胸躍る充実感があるかもしれないけれど、同時に、仕事がハードになって健康面に不安がでたり、一緒に過ごす家族との時間に変化があったり、住む場所も変わることだってある。

どんなテーマや課題も、それ一つで存在しているわけではないので、大事なことは、目の前の課題がすべてと思わず、気に掛ける範囲を増やして、その人すべてをいろんな方向から観察し続けることだと思うようにしてみる。

目の前の一面だけ見ない、その面はある一面に過ぎない。
その人まるごと、今までもこれからも、全部の人生を意識して関わる。

次からのセッションでは、その人すべてに焦点を当てることに集中してやってみよう。何か違う思いが芽生えるかもしれない。

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坂口佳世|ぐっち
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