Paradox Liveの音楽、その魅力(1)
近年、推し活ブームやラップブームに乗じて、勢いを増し続けているコンテンツがあるのをご存知だろうか。
「Paradox Live」通称・パラライ
Hip hopをベースにした音楽コンテンツで、最近、四周年を迎えたばかりの、新進気鋭のプロジェクトである。では、このパラライの魅力は何なのだろうか。それを探るために、まずはキャラとチームから見ていこう。
まず、パラライの主人公的チーム、BAE。彼らの魅力はまさしく、ボーダーレスな多様性だ。
卓越したセンスと最新の流行を取り入れたグルーヴで、聴く人を一瞬で惹きつけるような音楽を作り出す。EDMやダンスミュージックのようなノリの良さだけでなく、イージーリスニングの流行を先取りしているかのような音の弾みと柔らかさ。これらの要素を合わせて、一曲に取り入れることに成功している気がする。また、電子音の無機質さを、彼らの声と歌詞が豊かに色づけているのも魅力的だ。基本的にエレクトロニカが多いBAEだが、三人のメンバーのスタンスがそれをさらに輝かしいものにしていると思う。例えばSUZAKUのhip hopへの熱い情熱、48の日韓混合ラップ、AnZの枠に囚われない自分らしさの主張。これらはまさしく多様性を表す要素であるが、同時に三人の過去を思い出させるような切ない歌詞として曲に取り込まれている。それもまた、BAEの色を更に彩る要素となっているのだろう。特に、「EmBlem」は、少し切ないが爽やかな彼らの若い魅力に触れることができる。
また、The Cat's Whiskersの音楽に虜にされた人も多いのではないだろうか。私自身も、TCWの音とリリックの魅力に気づいてからというものの、曲を聴くたびにひたすらに感情が迷子になることが多い。
TCWの第一の魅力は、曲のメロウで艶やかな質感と、ジャズミュージックの片鱗をラップに取り入れていることではないだろうか。聴くたびに新しい音に気づくような繊細なリズムと、オフ・ビートも交えた魂に訴えるようなリリックの強烈な融合には、曲がリリースされるたびに度肝を抜かれる。彼らの曲は、言葉で説明するよりも一つでも実際に聴く方が、その真の魅力に気がつきやすいと思う。特に私が必聴だと感じるのが、「Mercy On Me」、そして「Shooting Arrows」だ。前者はTCWの特徴的な優しく艶感のあるメロディと、過去や今の心情を語るリリックを通して彼ら自身のキャラクター性を垣間見ることができる。一方、後者は打って変わって、勢いのあるノリの良い曲である。まるで音が跳ねて遊んでいるような遊び心満点の曲を通して、TCWのさらなる魅力に気づくことができるだろう。
前提として、Paradox Liveでリリースされる曲は、アルバムやシャッフルの曲などを除いて、多くがバトル用に用意された曲であるため、必然的に「勝つ」「王者」などのワードや、他者を貶すような攻撃的な内容を多少なりとも含む。このようなリリックについて理解を深めるには、やはりボイスドラマやアニメなどでストーリーを追うのが良いだろう。
今月19日には、4回目のリアルライブを控えているパラライ。ボイスキャストの方々が歌う姿を生で見る迫力は、凄まじいものになるに違いない。
私自身、音楽の専門的な知識には疎い者であるため、何か間違ったワードチョイスなどがあるかもしれない。そのため、あくまで一人のパラライヘッズの感想としてここに記したいと思う。