春はあけぼの、猫はひなたぼっこ
五年生の娘は、土曜日、日本語補習校で日本語を勉強している。イギリスは、いまだロックダウン中なので、Zoomでのオンライン授業を受けている。
今日、娘が習ったのは、清少納言の「枕草子」。娘は「春はあけぼの」にインスパイアされた春の俳句を作っていた。
娘による春の俳句三選
ぽかぽかと 猫とお昼寝 春の風 (娘作)
イギリスでも、あたたかな春の風が吹き始めた。ぽかぽかと陽が差す我が家のベランダで、お隣さん家の猫が昼寝している。娘たちは、ブランケットやクッションを敷いて、ベランダに秘密基地を作った。猫はお構い無しで昼寝を続ける。娘たちもゴロゴロしながら春のひざしを楽しんだ。
花粉症 目薬無しでは 生きられない (娘作)
花粉症のせいか、目の痒みが止まらない娘。アンチヒスタミンの薬を飲んで、目薬をさすのが日課になっている。イライラする日々のようだが、これも春の風物詩。
イースター うさぎとかけっこ チョコレート (娘作)
イギリスの春の行事といえばイースター(復活祭)。イースターバニーがチョコレートエッグを持ってきてくれる。子どもたちの最大の楽しみは、チョコエッグハント。庭や家の中に隠したチョコレートエッグ探しが待ちきれないのだ。
現代版の「枕草子」
春は昼。イースターチョコレートを庭で探すのが楽しい。
夏は早朝。ラジオ体操をしてさっぱりするのがよい。
秋は夜。満月にうさぎを見つけるとうれしい。
冬は朝。まだ誰も踏んでいない雪に足跡をつけるのがよい。
(娘作)
娘は、古典が苦手。ただでさえ日本語を難しく感じているのに、古典が分かるはずもない。ただ、季節の変化を感じること、季節ごとに好きな時間帯があることは何千たったいまでも変わらない人間の情緒なのだろう。清少納言には劣るかもしれないが、娘にも四季を感じる感性や表現力があることが、うれしかった春の一日である。
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