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朝の薄氷割り

イギリスでは、ロックダウンに入って、運動のために外出できるのは1日1回に制限されている。今日の運動は、朝の散歩。仕事を始める前に、娘たちと30分ほど歩いた。近所をぐるりと歩くだけなので、何の代わり映えもしないが、今朝は違った。霜がおりていたのだ。

イギリスの冬は、雪はほとんど降らないし、降ってもすぐ解ける。だから、子どもたちにとって、氷や雪は、特別な存在だ。いつもは嫌がる朝の散歩も、今朝ばかりは、大興奮でついてきてくれた。

緑の芝生や茶色の落ち葉に、びっしりと白い霜がおりていて、水たまりには薄氷が張っている。草の上を歩いて、サクサク。薄氷の上を歩いてパリパリ、バリバリ。ブラックアイスの歩道をツルツル滑ってアイススケート。

イギリスの1月の朝は、8時でもまだ薄暗い。そんな暗い朝から、しかもロックダウン中に運動している人がいるわけもなく、娘たちは、未だ割られずにいてくれた地域の全ての薄氷を割り切り、散歩を終えた。ささやかな日常を、こんなにも楽しめるとは、さすが子どもたちである。

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