特定の計算ができない

発達障害の特性なのか、トラウマが関係しているのか。私の中では後者だと思われる。
子供の頃から算数が苦手で特に小数点と分数は意味がわからない子だったなという薄らとした記憶がある。
大人になり、ほぼ触れることがなくなった苦手なことが訓練の1つとして出てきてしまいパニックを起こしたことは記憶に新しい。

そして商業簿記の授業でも同じパニックが発生する。システムで簡易化が進む簿記とはいえ、基礎知識があってこそ操作ができることであり、無知の人間が意味もわからず操作すればどこかで問題が生じるのはよくわかっている。

ただ今回のケースは障害者向けの訓練校で起きた問題とは思えない、職場であればパワハラであり、学校であればイジメだと思えた内容だった。

10月某日、教員から漢字が間違えていると指摘を受けた。声が大きい教員はいつもの調子でホワイトボードに書き、ここが違うと解説した。その教室には10人近い人がいた。
私は恥ずかしい、こっそり教えて欲しかったというモヤモヤした気持ちが強く残り、何となく血が引くような感覚があった。

11月某日、テキストに年利率計算で小数点や分数の計算が出てきた。
前にも計算実務で問題を解いている際、苦手な問題が視界に入るとパニック(頭の中が真っ白になる)を起こしていた。それを見かねた教員が最終的にはやらなくていいと言ってくれ恐怖心から脱出することができた。

今回も同様、パニックを起こした上、思考停止に陥り震えや動悸が止まらなくなった。
チャイムが鳴り部屋を出る際に「私、小数点と分数の計算が苦手で全く理解できないんです」と訴えた。しかし、「そんなことないでしょう!」鼻で笑われてしまう。
変な汗をかきながら逃げるように部屋を後にしつつ、次回は計算実務で解いたファイルを持参して向き合う覚悟を決めていた。

翌週、ファイルを持ち込み問題集と突き合わせて確認しながら進めていると、鼻で笑った教員が近づいてきて、呆れと少し強めの口調で解き方を教えてくれた。なぜこれがわからないんだと言われているような圧迫感と厳しく指導されているという恐怖感で萎縮してしまい、解いた後の記憶はない。

個別面談も定期的に行われるため、簿記での問題を知らない指導員は何度か簿記の資格取得を勧めてきた。
元々苦手意識が強かったため、来年5月の検定試験にも間に合わないし、受験するつもりもないとハッキリ断った。
しかし、あなたならできるのにもったいない。基本的な知識があるだけでも全く違うのにと、頭ではわかっていても説得される時間は苦痛でしかなかった。

自身の中で沸々と湧き上がるできないことへの苦しみや絶望感。訓練に通ってるのに集中できず凡ミスを連発する日々。このままじゃダメだと思い、指導員に簿記での出来事や経緯、ストレス状況(精神面、身体面ともに)、今後についての願望などを書いて手紙として渡した。

その回答が「普通に泣いていいレベル」とのこと。
しかし、過去のトラウマが大きすぎるため、自身が傷つけられた認識は愚か、痛みすら感じられないことが多い。嫌だな、不快だなというモヤモヤはあっても、そこから泣くという動作に結びつかない。

前職で怒鳴られた際は、昔ながらの会議室で周りからは見えない。誰かにSOSを出すこともできない、2人の上司からとことん責められる環境だった。怒られた内容よりも逃げられない、大声という音の恐怖でパニック、フラッシュバックを起こし震えを抑えるので必死だった。
涙は自然と出たもので悲しいというよりも恐怖心が勝っていたと思う。

なので普通に泣いていいレベルってどういう意味?という疑問が頭の中で回り続けた。
私にはできない事柄について説明したにも関わらず、また違うできないを突きつけられる。
このできないの出所は何だろうか?
それを探ることで今、文章にすることができているが、悩んでいる間も周りからは全く気づかれない。いつもと変わらない対応をしてしまうため、誰も異変に気づかないのが私の特徴でもある。

そのため、突然動けなくなることもしばしばあり、昨日は笑顔を振り撒いてたのに今夜は食欲すらないなんてよくあること。

気持ちと動作が連携してくれない理由は、過去のトラウマにあるらしい。あまりにも多すぎるトラウマと葛藤で解離性障害を発症した。
発達障害だけでも辛いのにトラウマ、解離性障害が加わり生存しているのがキセキなんじゃないかとも思うようになった。

もう少し自分に優しくしなきゃダメなのかもしれない。

ただ、できる分野では同じ訓練生から質問攻めにあう日々を送っている。
どうしたらExcelができるようになるのか、関数が意味わからん(特にIf)。検索しても理想の答えに辿り着かない等。
例えば、人気のレストランに行きたい時はどう調べる?などと身近なものに例えて検索するようアドバイスするなど、教員ではカバーしきれない個別の問題に訓練生であり、苦労してきたからこそ言えるアドバイスをしている。
フォーマットを作るといっても内容によって形が異なる。詳しく説明してくれる人ばかりではない。だからこそ、ネットで調べて参考にさせてもらうことはよくあるとも伝えた。

これがすぐに役立つとは思えないけど、そういえばExcel得意な人がそんなこと言ってたな‥なんて行き詰まった時に思い出してくれたら私はそれで幸せだなと思う。

そんなExcel得意と言われている私は今、VBA取得に燃えている。
目に見える障害ではないからこそ、問題はあるけれど人生で最も充実していて、濃い日々を送っていることには間違いないようだ。

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