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車のアンテナ。フィルム・ドルフィン・ロッド・ブーメランなどアンテナの種類と交換方法

3級整備士の闇です!
第104回の今回は車のアンテナについて書いていきたいと思います。

車にカーナビゲーションやカーテレビを取り付けたものの、受信感度が悪いことがあります。

電波を受信するための車のアンテナには、さまざまな種類があり、カーテレビの感度を向上させることが可能です。

本記事では、車のアンテナについて、フィルム・ドルフィン・ロッド・ブーメランなどアンテナの種類と交換方法、テレビの受信感度を上げる為の方法、アンテナが折れたときの対処法をご説明します。

〈車のアンテナの種類と特徴について〉


車のアンテナは主に以下の5つの種類があり、それぞれで特徴が異なります。

〈ロッドアンテナ〉

ロッドアンテナは伸縮可能な棒状のアンテナのことです。

簡素な構造ですが、必要に応じてアンテナを伸ばして電波の受信感度を高めることが可能です。

また、アンテナを縮めると収納がしやすく、周囲の邪魔になりにくいのも特徴です。

ロッドアンテナは、ポータブルカーナビの背面に装備されていることもあり、ワンセグ(フルセグ)用のアンテナとして使います。

〈コンパクトポールアンテナ〉

コンパクトポールアンテナは、国内の軽自動車やコンパクトカーの大半に採用されているアンテナです。

アンテナの長さは20~30cm程度であり、伸縮はしません。

コイル状のアンテナを樹脂製のカバーで覆った形状となっています。

アンテナは通常、長さがある方が感度もよくなりますが、コンパクトポールアンテナは素材や製法により感度を保っています。

また、前後に倒せたり、ネジを緩めてアンテナだけを取り外したりすることも可能です。

〈フィルムアンテナ〉

フィルムアンテナは地デジ用であり、フロントガラスに貼り付けるタイプです。

製品はフィルムアンテナ部とアンプ部からなり、フィルムアンテナ部をフロントガラスに貼り付けて、アンプ部分はフィルムアンテナ部に取り付けます。

なお、フィルムアンテナを貼り付ける際は、国土交通省が定める保安基準に適合させ、ドライバーの視界を妨げないように貼り付けなければなりません。
(道路運送車両の保安基準第29条4項第6項)

フィルムアンテナの詳しい貼り付け位置は、カーナビなどの取扱説明書に記載がありますので確認するようにしましょう。

〈ドルフィンアンテナ〉

ドルフィンアンテナは、シャークアンテナと呼ばれることがある種類で、イルカの背びれのような形状から名付けられています。

国産の高級車を中心に取り付けられていたアンテナのタイプですが、最近では軽自動車も採用しています。

また、コンパクトポールアンテナを取り外してカバーをつけることで、ドルフィンアンテナに変えることも可能です。

ドルフィンアンテナは、カーテレビだけではなく、リモコンキーの電波、カーナビのGPSなどのワイヤレス通信を受信する機能があります。

〈ブーメランアンテナ〉

ブーメランアンテナは、車のトランクに取り付けるブーメラン型をしたアンテナです。

最近は見かけなくなりましたが、1990年前後にはカーテレビ用のアンテナとして使われていました。

現在も製品が販売されていますが、復刻版になっていることがあり、アンテナの役割を果たさない場合もあります。

〈テレビの受信などの感度を上げる方法〉


カーテレビやカーナビなどの受信感度をあげるには、以下のアンテナを取り付けることが有効です。

〈車内に取り付けるアンテナ〉

フィルムアンテナ

フロントガラスに貼り付け、コード端子と接続してカーテレビなどに接続します。

エポキシ基板アンテナ

ウインドウピラーに、棒状のアンテナを吸盤などで取り付けて使用します。

ウィンドウアンテナ

棒状のアンテナをガラス面に貼り付けて使用します。

フラットアンテナ

ダッシュボードや後部座席後方に設置する薄型のアンテナで、両面テープで貼り付けます。

〈車外・車内のいずれにも取り付けられるアンテナ〉

吸盤付きアンテナ

車の屋根に吸盤で取り付け、洗車の際などは取り外しができます。吸盤式のため車内使用も可能です。

ショートアンテナ

長さが20cm前後の短いアンテナで、両面テープにより車の好きなところに取り付けることができます。

〈車外に取り付ける〉

ロッドアンテナ

フロントガラス脇のピラーに取り付けます。アンテナの伸縮で感度の調節も可能です。

〈カーアンテナが折れたときの補修・修理について〉


車のアンテナが折れたり、故障してしまったりした場合について、その対処方法をご説明します。

〈折れたカーアンテナのポールはそのままでも平気なのか?〉

折れたカーアンテナのポールは、そのままにしておくと車検に通らない可能性があります。
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(車枠及び車体)第 178 条2)により、折れたアンテナは「鋭い突起を有し」交通の安全を妨げる恐れのあるものと考えられますので、テープなどで補修しても車検に通らないこともあります。

車検に通るかどうかだけではなく、安全面を考えてもアンテナが折れた状態は危険です。

〈カーアンテナの破損や折れ防止策〉

カーアンテナの破損や折れを防止するには、ドルフィンアンテナ仕様にしてカバーをかけることが有効です。

また、ロッドアンテナであれば、先端を保護するために、アンテナボールを装着するのもよいでしょう。

アンテナボールはさまざまなデザインや形状があるため、愛車のカスタマイズにもつながります。

〈折れたカーアンテナは補修や修理よりも交換が一般的〉

カーアンテナが折れた場合は、修理よりも交換が一般的です。

補強や修理を施しても受信感度が回復することは難しいため、ディーラーや整備工場などの専門業者にアンテナの交換作業を依頼しましょう。

〈カーアンテナの交換について〉

カーアンテナの交換手順はアンテナの種類により異なります。

たとえばロッドアンテナの場合は以下の手順となります。

  1. アンテナが固定されている部分のネジを外す

  2. 運転席の足元のカバーを外す

  3. アンテナがつながっているのでコード類などとひもで結んでおく

  4. 古いアンテナを外して新しいアンテナに交換する

以上の手順により、業者に依頼すれば10分程度で作業が完了します。

〈まとめ〉


車のアンテナはさまざまな種類があり、カーテレビやカーナビなどの受信感度を左右します。

もし感度が悪くなったら、後付けでアンテナを接続して対応してみるとよいでしょう。

また、アンテナが折れてしまったら、速やかに専門業者に交換作業を依頼することをおすすめします。

今回は車のアンテナについて話させていただきました。
ぜひまた見に来てください!

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