
ヘッドライトの黄ばみを除去するには? 黄ばむ原因やクリーニング方法を紹介
3級整備士の闇です!
第145回の今回はヘッドライトの黄ばみについて書いていきたいと思います。
〈ヘッドライトの黄ばみや曇りとは?〉

〈放っておくと危険!! ヘッドライトの黄ばみ〉
1台の車を長く大事に乗る方からよく聞く悩みにヘッドライトの黄ばみや曇りが挙げられます。
ヘッドライトが黄ばんだり、曇ったりする原因については後述しますが、太陽光の紫外線が主な原因です。
そのため、こまめに洗車し、車を大事にしていたとしても、屋根の無い青空駐車の車の場合はヘッドライト表面が劣化し、黄ばみや曇りが発生するのは避けられません。
〈黄ばみを放置するとヘッドライトの交換が必要になる場合も〉

気が付かないうちにどんどん汚れ、黄ばみが進むヘッドライトは見た目が良くないのも気になりますが、そのまま放置するのは危険です。
汚れ&黄ばんだまま、夜間走行をしていると、ライトを点灯しても光量が少なくなってしまい、視界が悪く見えづらくなってしまうのです。
最近何となくライトが暗い…と感じたら、それは汚れ&黄ばみのせいかもしれません。
〈定期的にクリーニングし、大掛かりな作業になることを防ごう〉
樹脂表面の劣化がさらに進むと、細かいひび割れができたり、ヘッドライトのふちに隙間ができたりしてしまい、ヘッドライトの内側まで黄ばみや汚れが発生してしまいます。こうなると処置がますます大がかりになります。
ヘッドライトを外し、内側からクリーニングするか、最悪はヘッドライトごと交換することも考えられます。
また光量が足りないことにより、車検に通らなくなる可能性もあります。あなたの愛車に大がかりなメンテナンスが必要となる前に、定期的にケアを行ったほうがいいでしょう。
〈ヘッドライトが黄ばんでしまう原因と防止策〉

そもそもなぜヘッドライトは年数が経つにつれて黄ばんでくるのでしょうか。
一番の原因は、太陽からの紫外線を受けることでヘッドライトの表面が劣化するためです。
その他、ヘッドライト表面に入った傷によるダメージや、ライトの熱による影響も原因に挙げられます。
〈最近のヘッドライトは昔より黄ばみやすい?〉

車のヘッドライトの材質の違いによって劣化度合いは変わってきます。ヘッドライトは、昔はガラス製品が主流でした。
しかし、現在の市販車のヘッドライトの多くは樹脂製(ポリカーボネート)が使われています。ポリカーボネートとは熱を加えると柔らかくなり、冷えると固まるプラスチックの仲間です。
ポリカーボネートは、ガラスの数百倍の頑丈さや、事故の際にプラスチックの飛び散りを最小限にできるメリットがあり採用が進みました。
その一方で、ガラスよりも紫外線に弱く、傷が付きやすいというデメリットがあるのです。
ヘッドライトの表面にはあらかじめ、特殊なコーティング塗装がされていますが、長期間、紫外線にさらされたり、洗車などで擦ったりすることにより、次第にコーティング塗装がはがれていきます。
そうなると、紫外線によるダメージを直接受けてしまうようになり、ヘッドライトの汚れや黄ばみがますまず進んでしまいます。
〈洗車によって傷や黄ばみがついてしまうことも〉
洗車時の傷については、傷を付けているつもりはなくてもスポンジでゴシゴシとヘッドライトまわりを洗っていると細かい傷がついてしまいます。
また洗車時に、ワックスやコーティング剤が残っていると、それもコーティングの劣化の原因につながります。
黄ばみを防ぐためには、こまめに洗車を行い、洗車の際は傷がつかないように優しく洗うのが望ましいです。
〈ヘッドライトの内側に黄ばみ・曇りの原因がある場合も〉
ところで、黄ばみや曇りの原因は必ずしもヘッドライトの表面や外側だけにあるとは限りません。
なぜなら、ヘッドライトの内側で起きているトラブルが原因となっている場合もあるからです。
トラブルの例としては、ヘッドライトと車体の間に小さな隙間が発生してしまい、そこから水や汚れなどの異物が入ってしまうことが挙げられます。
それらが内側に付着することによって、ヘッドライトの劣化や黄ばみ・曇りが発生してしまうというわけです。
ヘッドライトの黄ばみ・曇りの原因がある場合は、このあと紹介するヘッドライト磨きを行っても効果がないので、ディーラーやプロショップなどに相談するのがよいでしょう。
〈黄ばみを防止するには、紫外線を避けるのがベスト〉
ヘッドライトが黄ばんでしまう原因は紫外線による劣化である、ということは既に本記事で説明したとおりです。
ということは、ヘッドライトの黄ばみを防ぐ最も良い対策は、紫外線をできるだけ当てないことであるといえます。
もちろんヘッドライトを四六時中塞いでしまうわけにはいきませんが、車を停めるときに日陰を選んだり、駐車時に車へカバーをかけるなど、日常生活でできることは意外と多いのではないでしょうか。
日々の少しの手間が、黄ばみのないピカピカのヘッドライトを保ちます。
〈ヘッドライトの黄ばみ・曇りを落とす方法(除去方法)〉

ここからは、どうすればヘッドライトの汚れ&黄ばみを掃除(除去)し、綺麗で透明なライトが復活するのか、その方法をご紹介します。
黄ばみや汚れ、曇りを落とす(除去する)のは、いろいろ方法があり、各メーカーからさまざまな商品も発売されていますが、一番スタンダードな方法は、耐水ペーパーによる研磨です。
耐水ペーパーだけではなくコンパウンドも用いて、優しくヘッドライトの外側を磨いて汚れを削り取っていきます。
外側の汚れ取りだけならヘッドライトを取り外す必要はなく、誰でも簡単にDIYでできます。
それでは手順を説明しましょう。
〈ヘッドライトを磨く準備をする〉
磨き作業に入る前に、水洗いでヘッドライトの表面についた埃や汚れを落とします。
汚れが付いたまま作業を始めてしまうと、小さな砂や砂利で余計に傷を付けてしまう可能性があるので、しっかりと汚れを除去することがポイントです。
次にマスキングテープでヘッドライトの周りを保護します。これは磨く際に、車のボディに傷をつけるのを防ぐためです。これでヘッドライト磨くための準備が整いました。
〈耐水ペーパーでヘッドライトを磨く〉
磨き作業には、耐水ペーパー(防水の紙やすり)を使います。こちらはホームセンターなどで手に入れることができます。
耐水ペーパーは水につけ、粗いやすりから磨き始め、徐々に細かいものに変えていきましょう。
ペーパーの目の粗さのことを「番手」といい、番手の数字が小さければ目が粗く、大きければ目が細かいやすりとなります。基本的には2、3種類の番手違いの耐水ペーパーを用意しましょう。
黄ばみが強い場合には、目安として1000番、1500番の耐水ペーパーから磨きはじめ、黄ばみが少ないヘッドライトの場合は2000番辺りからはじめるといいでしょう。
耐水ペーパーでの磨きは、水をかけながら作業を行います。
力を入れ過ぎず、ヘッドライトの全体を優しく磨いていきます。力を強く入れ過ぎて、研磨傷が残らないようにしましょう。
擦っているうちに、黄色い水が出てきます。更に続けていると白色に変化してきます。これは、黄ばみが落ちた証拠です。
黄ばみが落ちたら次に、番手が細かい耐水ペーパーに変えて同じように磨きますが、ここでのポイントは前段階で付けた傷をならすとことが目的ですので、優しく擦っていきましょう。
傷のならしが終わったら、さらに細かい番手でライトの表面を整えます。
〈コンパウンドでより細かく磨く〉
耐水ペーパーでの研磨作業が終わったら、コンパウンドを使ってより細かく磨いていきます。
コンパウンドは、耐水ペーパーだけでは取り除けなかった小さい傷を鏡面仕上げしていくことで、傷に入り込む汚れを防ぎ、ヘッドライト表面が再び劣化するのを遅らせることが目的です。
コンパウンドは耐水ペーパーよりさらに目が細かいので、よりピカピカに磨き上げることができます。
〈ヘッドライト磨きにはピカールを使うこともできる〉
ここまで耐水ペーパーとコンパウンドを使う磨き方をご紹介してきましたが、実はこれらの代わりになるクリーナーが存在します。
それが、金属用洗剤「ピカール」です。ピカールは金属用洗剤と謳われているのですが、プラスチック類にも対応しているので、ヘッドライトの黄ばみ落としにも使用することができるのです。
ピカールとはどのようなグッズなのか、後ほど改めて説明します。
〈再びヘッドライトをコーティングする〉
ヘッドライトを磨いた後は、黄ばみ取りの仕上げとして、ヘッドライトの表面にコーティング剤を塗る作業が必要です。
削った後のライトの表面はもともと塗布されていたコーティングがなくなっているため、紫外線に弱い状態となっています。
ですから、改めてコーティング剤を表面に塗ることで、紫外線からヘッドライトを保護する必要があります。
〈ヘッドライトの黄ばみ・曇りの除去に必要なグッズ〉

ヘッドライトの汚れや黄ばみを除去する手順でいろいろなアイテムが登場しましたが、改めて、黄ばみ除去に必要なグッズを紹介します。
・耐水ペーパー
前述したとおり、一番オーソドックスなヘッドライトの黄ばみを落とす方法は、防水の紙ヤスリである耐水ペーパーを手に入れて、自分で磨く方法です。
耐水ペーパーは、ホームセンターに置いてあります。お値段も安く、一枚100円以下のものもあります。
耐水ペーパーは、粗い目から細い目まで、1000番、1500番、2000番、3000番など、何種類か用意しましょう。
・コンパウンド
コンパウンドとは、耐水ペーパーと同じくヤスリのような役割を担ってくれる研磨剤のことを指します。
防水ペーパーとコンパウンドで異なるのは、目の細かさです。
防水ペーパーが全体的に目が荒いのに対し、コンパウンドは目が細かいので、防水ペーパーで作業した後の仕上げに適しています。
作業が終わったあとはコーティング剤を使って、再びヘッドライトが黄ばんでしまうのを防ぎましょう。
・金属用洗剤 ピカール
ピカールは、研磨剤が含まれている金属用洗剤です。真鍮や銅、アルミなど様々な金属への使用に適しています。
適量のピカールをつけた布で表面を磨くことで、様々な金属の汚れや曇りをきれいにすることができる優れものです。
それならヘッドライトには使えないのでは? とお思いの方もいらっしゃると思いますが、このピカールはプラスチック類にも対応しているので、ヘッドライトの黄ばみも取ることができます。
ピカールには研磨剤が含まれているので、耐水ペーパーやコンパウンドと同じ役割を果たすことができるのです。
磨いた後にはコーティング剤が必要な点も、防水ペーパーを使う場合と変わらないので、忘れずにコーティングをしましょう。
・ヘッドライト用クリーナー
お手軽なのは、各種メーカーから発売されている、ヘッドライト専用のクリーナーです。
はじめて自分でヘッドライトの汚れ&黄ばみ取り作業を行うのであれば、下地処理からコーティングまでセットになっているキットを使用するのが安心でしょう。
価格は手ごろな製品だと1000円~、高額なものだと5000円以上する商品まであり、価格には幅があります。
種類としては、シリコン系のコーティング、ガラス系のコーティング、ケイ素系のコーティングなどがあります。
・コーティング剤
最終工程に必要なのが、コーティング剤です。こちらはカー用品店でもたくさんの種類がありますので、好みによって選ぶことが出来ます。
新車時に汚れ黄ばみ防止の予防として、先にコーティング作業を施すのもスマートなやり方です。
ヘッドライトが黄ばんでしまう一番の原因は、太陽の光、紫外線です。
長期間、紫外線にさらされることで、次第にヘッドライトのコーティング塗装がはがれて黄ばんでいきます。
日焼け止め同様、早めのケアを施して汚れ&黄ばみを予防しましょう。
〈安全運転のために黄ばみのないヘッドライトをキープしましょう〉

ヘッドライトの黄ばみを単なる汚れと侮ってはいけません。見た目が汚いというだけでなく、ライトの光量が少なくなり視界が悪くなり、更に放っておくと車検も通らなくなってしまいます。
前述したとおり、大きな原因は紫外線によるものなので、車をガレージ保管することや車のカバーをかけるなど、直接、車に紫外線に当たらないようにするのが理想的です。
出かけた先の駐車場では、青空駐車場に停めるのでは無く木陰の下や、建物の中など少しでも日が当たらないように気を付けるといいでしょう。
直射日光を避けるのは、ヘッドライトを保護するだけでなく、外装部のゴム部や、タイヤ、車内のシート焼けやボディの痛みも防ぐことができます。
また、こまめな日常のお手入れも大切です。定期的にお手入れの時間をとっていれば、結果、日常のメンテナンスの時間は短縮されます。
1年に1度はプロにメンテしてもらうのもいいでしょう。見た目の美しさはもちろん、セーフティドライブ保つためにもヘッドライトのお手入れは必須項目です。
今回はヘッドライトの黄ばみについて話させていただきました。
ぜひまた見に来てください!