ハイブリッドカーの燃費は?本当にお得なのかガソリン車と徹底比較
3級整備士の闇です!
第154回の今回はハイブリッドカーの燃費について書いていきたいと思います。
〈解説!ハイブリッドとは〉
まずは「ハイブリッド」とは何かを詳しく見ていきましょう。今では燃費の良さやエコといったイメージが定着しつつありますが、実際はそういった意味の言葉ではありません。
ハイブリッドとは、複数の異なる品種(動物、植物など)を人工的に組み合わせたものを表します。「雑種」や「混合」という言葉が意味合いとしては同じになるでしょう。
詳しい仕組みについては後述しますが、ハイブリッドカーはガソリンと電気という異なる要素が掛け合わさった工業製品であるということになります。
〈ハイブリッドカーには種類がある!〉
・1:シリーズ方式とは
シリーズ方式とは、基本バッテリーの「電気」でモーターを回して走行する方式です。電気が尽きたらエンジンで発電機を回すことでモーターを動かします。
エンジンはあくまで発電時に使い、車を動かすのはモーターです。主に電気を必要とするため、分類としては「電気自動車」に近いかもしれません。エンジン音が小さいといったメリットもあります。
・2:スプリット方式とは
スプリット方式とは、シリーズ方式と次で紹介するパラレル方式の仕組みを上手く使い分けて車を走らせる方式です。エンジンと電気(モーター)の両方を効率良く動力源として使うため、そのままシリーズ・パラレル方式と呼ばれることもあります。
発進するときや低速で走るときはモーターを使用し、速度が上がったらエンジンを併用するといった仕組みで動く車です。一番燃費効率が良いと言われていますが、その反面で構造上重量が増えてしまうというでメリットもあります。
・3:パラレル方式とは
パラレル方式とは、エンジンを主体とする方式です。エンジンが動力のメインではありますが、発進や加速といった強い力を必要とするときに、モーターがアシストしてくれます。
エンジンだけでは発進や加速で燃費が悪くなりがちですが、モーターによって燃費を向上してくれるのです。なかにはモーターのみの走行に切り替えるシステムを搭載している車もあります。
・マイルドハイブリッドについて
ハイブリッド車は一般的に、電気モーターが搭載された「ストロングハイブリッド」と呼ばれるものが主流でした。しかし、最近では「マイルドハイブリッド」という新しい仕組みを使っている車も増えてきています。
マイルドハイブリッドにはモーター機能付きの発電機が搭載されています。これは発進時などトルクの弱い回転域でアシストするもので、基本的に通常走行で使用されるのはモーターでなくエンジンなのがマイルドハイブリッドの特徴です。
マイルドハイブリッドにおけるモーターはあくまで補助のためにあるものと考えると良いでしょう。バッテリー容量が小さいため、車の重量が比較的軽い、車内空間が広めにとれるといったメリットがあります。ストロングハイブリッドよりも低コストという点も魅力です。
〈仕組みの違いを解説〉
・電気自動車と違うの?
電気自動車は外部で充電し、その電気でモーター走行を行う車です。モーターとエンジン両方を使うハイブリッド車に対し、電気自動車は100%電気を使って動くというのが一番の違いでしょう。
また、電気自動車にもいくつか種類が存在します。バッテリーの電池で駆動する純電気自動車(BEV)や水素と酸素で発電しモーターで駆動する燃料電池車(FCV)が代表的です。(プラグインハイブリッド(PHV)も外部から充電ができます)
純電気自動車はEVとも呼ばれますが、EVは電気を使う自動車の総称としても使われているためBEV表記で区別されているという点は覚えておくと良いかもしれません。
・ガソリン車の仕組みは?
ガソリンエンジンの場合は燃料と空気が混ざった混合気というものを圧縮し、そこで発生した混合ガスに点火プラグから出る火花で着火して燃焼するのです。燃焼してエネルギーを生み出すことで車は走ることができます。
この燃焼した時に発生するガスが、いわゆる排気ガス(CO2)と呼ばれるものです。排気ガスの量が多いほど車の推進力・加速力が強くなりますが、近年では環境問題のひとつにもなっています。
〈ハイブリッドカーのメリットは?〉
・メリット|静かで環境に優しい
ハイブリッドカーのメリットとしてまず挙げられるのは、静寂性の高さや環境に優しいといった点が挙げられます。ハイブリッド車はガソリン車に比べると、そこまで大きな音が出ません。エンジンをかけるのが躊躇われる時間帯でも、ご近所迷惑になることはないでしょう。
また、モーターを利用するハイブリッド車はガソリン車に比べて排出するCO2の量が少なく済みます。このことから、ハイブリッドカーは環境に優しいエコカーとして注目を集めているのです。
・メリット|下取り価格が高い
近年はハイブリッドカーの下取り価格が高い傾向にあります。理由としては、人気がある(需要がある)ためメーカーが装備を充実させているといった点が挙げられるでしょう。装備や機能が豊富な車の方が、売りに出すときの価格も高くなります。
ハイブリッド車は維持費の面でもメリットが高いため、中古車でも需要が高いのです。そのため、後のことを考えてハイブリッドカーを購入するという方は少なくありません。
・メリット|購入時のエコカー減税
上記でハイブリッド車は「維持費の面でもメリットが高い」と述べましたが、その理由はエコカー減税という制度にあります。エコカー減税とは、対象車となる車の税金が免除される制度です。燃費基準を達成した数値によって、免除される金額は変わってきます。
ハイブリッド車は最大で自動車取得税と重量税が全額免除、さらに自動車税も75%(軽自動車であれば50%)されるので、維持費を節約したい方にはおすすめです。
しかし、このエコカー減税はずっと適用される訳ではなく有効期限は2021年4月30日までなので、その点は注意が必要になるでしょう。
・メリット|ガソリン代の節約
ハイブリッドカーはモーターとエンジン両方を使用しているため、燃費効率が良いと言われている車です。そのため、ガソリン代を抑えることができ、結果として維持費の節約になります。
ガソリンの消費が遅いということは、ガソリンを入れる手間もそれだけ省くことができるということです。節約できる上に手間も減るということは、運転者によって大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
ただし、ハイブリッドカーは走行環境によって燃費の良さを発揮できないこともあります。場合によってはガソリン車とそう変わらない燃費になることは念頭に置いた方が良いかもしれません。
・デメリット|購入価格が高い
ハイブリッドカーにはメリットと言える点が多々ありますが、その反面デメリットもあります。一番のデメリットは、ガソリン車よりも初期費用が高いという点です。中古車であっても高めに価格が設定されているため、手を出しにくいと思う方も少なくはないでしょう。
しかし、ハイブリッドカーはその分維持費の節約ができますし、手放すときも高く売ることができます。そのことを考えると、このデメリットはそこまで大きいものではないと言えるでしょう。
〈中古ハイブリッドカーを選ぶ際のポイント〉
ハイブリッドカーは新車で購入すると、初期費用が高くなりがちです。高くて手が届かない、ガソリン車の方が安いからそちらを購入するか悩む……といった方も多いでしょう。そんな方は、中古車でハイブリッドカーを購入することも検討してみてください。
少しでも費用を抑えたいという方に、中古車購入はおすすめです。ただし、しっかりと選んで買わないとすぐに故障するといったトラブルも起きてしまうので注意しましょう。
中古のハイブリッドカーを選ぶ場合は、バッテリー、電池の寿命や走行距離の長さをチェックしましょう。走行距離が長いものはそれだけバッテリーが消耗されていますし、極端に距離が短いものは劣化している可能性があります。
そのため、バッテリーの消耗具合を見極めるポイントのひとつとなるのです。最近のハイブリッドカーはバッテリーの質も上がっており、交換不要のケースも多いですが確認は必要です。
そのほか燃費やバッテリー、電池の種類などが気になる場合はメーカーによって違いが出てくるので、事前に調べておきましょう。
今回はハイブリッドカーの燃費について話させていただきました。
ぜひまた見に来てください!