えもふり(e-mote)でモデルを作成するときの覚え書き
自作ゲームにえもふりで作成した立ち絵を使おうと思ってモデルを作ったときの覚え書き
せっかくなので実際に作ったpsdファイルとえもふりプロジェクトファイルも公開します、シェアゲーの素材なので有料配布ですが、ほしい方は投げ銭のつもりでどうぞ
前提
・えもふり歴1ヶ月
・イラストはCLIP STUDIO PAINTで描いてpsd形式で出力
・モデルはティラノスクリプト向けにエクスポートする
・ティラノスクリプト側のえもふりプラグインおよびティラノスクリプト本体には、後述する改造をしてある
プラグインおよびティラノスクリプトの改造
・モデルを表示するキャンバスのサイズをおよそ三分の一のサイズに縮小
・差分モーションのスロット数を6→10に変更
有料配布のファイルについて
あくまでもpsdファイルをえもふりへインポートした際の比較例として公開するものです。実際にモデルとしてゲーム等に組み込むことは想定しておりません。
psd、えもふりプロジェクトともに、実際にモデルとして作成したものから50%縮小しています。
破綻等の修正もしておりません。
CLIP STUDIOでの作業
テンプレート選択
今回はベーシックテンプレートを使用しました。
腕の差分、服装差分など、差分が多いためです。ポーズ固定で表情だけつけたい場合はシンプルテンプレートでいいんじゃないかな、でもあとからテンプレ変えるのは面倒そうなのでシンプルテンプレートで十分な場合でもベーシックテンプレート使うのはありだと思った
レイヤー名
e-moteはレイヤー(またはフォルダ)名に応じてインポート時に各パーツを判別してくれるので、名前はちゃんとつけましょう。
でも適当な名前にしておいてもインポートするときにこのパーツはこのフォルダって感じに直すこともできる。
ただパーツ数が多くなってくると面倒くさいことこの上ないので、名前で判別できるパーツは名前はしっかり付けた方がいいです。どのみち追加パーツはいちいち手作業で設定しないといけないしな
レイヤーの重なり順
レイヤーの上下というか重なり順はe-mote側で変えることもできますが、再インポートを行うとまたPSDファイル側の重なり順に戻ってしまうので、はじめからe-moteでの表示順に合わせておいた方がいいです。
例えば腕パーツとかで、腕Aは胴体より下に表示したいけど腕Bは胴体より上に表示したい、みたいな場合に、横着して腕Aも腕Bもまとめて腕フォルダに突っ込んで「腕>胴体」みたいな重なり順にしておくとあとでつらみが増すので、ちゃんと「腕A>胴体>腕B」としておきましょう、ということです。
この例の派生として、同じ腕Aパーツでも「肩~肘までは胴体の下(最下部)」「肘~手首までは胴体より上、髪の毛より下」「手首から上は髪の毛より上(最前部)」みたいな場合も、それぞれ肩~肘、肘~手首、手首から先、でパーツ分けしておくとモデルが作りやすいです。
腕そのものを曲げたり伸ばしたりして動かしたいときは、言わずもがなパーツ分け必須です。
レイヤーモード
注意したいのはレイヤーモードです。乗算とかオーバーレイとかのあれね
たとえばアクセサリの影なんかは、アクセサリ本体や胴体とは別に動かしたい場合があると思いますが、影を追加パーツとしてインポートする場合、下記に示すような状態になっているとうまくインポートされません。されませんでした。
【フォルダ/レイヤーモード:通過】追加_影A
├【レイヤー/レイヤーモード:乗算】2影
└【レイヤー/レイヤーモード:乗算】1影
レイヤーモードの「通過」っていうのは、フォルダ内のレイヤーモードをフォルダ外のレイヤーに対しても適用させるみたいなモードだったはずです。
これが「通常」(これが初期値)になっていると、フォルダ外のレイヤーに対してはたとえフォルダ内のレイヤーモードが「乗算」になっていても「乗算」はされません。
で、うまいことインポートされない条件なんかを検証した結果、「レイヤーフォルダ内にレイヤーモード【通常】のレイヤーがない」場合、インポートしてもパーツ画像が表示されないなど、正常に読み込めない状態になるようでした。
なので回避策として、少なくともひとつはレイヤーモード【通常】のレイヤーを含んでフォルダ化する必要があります。
レイヤーマスク
たとえば影を別パーツとして作る場合、胴体や脚にかかる影は後述する「(パーツ)で切り抜き」を設定することによって、パーツの形に合わせて影の形を切り抜くことができます。
が、なぜか「腕パーツ」は切り抜きの設定ができません。
なので、腕にかかる影など、腕の差分パーツの形に合わせて切り抜きたい場合は、クリスタ側であらかじめレイヤーマスクなどで影を腕の形に合わせておく必要があります。
それ以外の場合では、たぶんレイヤーマスクを使わなければいけない場面というのはないです。たぶんな
まあ必要がないだけで、使う分には大丈夫です。好きに使ってください
e-moteへのインポート作業
デフォルトパーツ
公式からダウンロードしたテンプレートをもとに、とりあえず下書きができた段階ででも一度e-moteへインポートしておくのをオススメしておきます。
結局何度かe-moteとクリスタを行き来して調整したりすることにはなるので、フォルダ名をあわせたりの作業は早めにやっておいたほうがいいです。
言い忘れてましたが、PSDファイルはレイヤー統合はせずに、フォルダでパーツをまとめて、フォルダにe-moteで指定されている名前を付けていった方が作業が楽です。いちいちレイヤー統合するの面倒だからな いやひとつのレイヤーに書き込んでいく派の人はそれでいいんだけど
で、インポート時、テンプレートにあるパーツ(追加パーツ以外のパーツ)は、レイヤー(フォルダ)の名前が合っていれば特に何もする必要はないはずです。
名前が違っていたり、同じ名前のレイヤーがふたつ以上あったりすると正しく読み込めないのでクリスタに戻って修正しておきましょう。
追加パーツ
問題の追加パーツですが、インポート画面では「新規追加パーツXX」みたいな名前になってると思います。
各パーツを選択するとパーツごとの設定が変更できます。いじる必要があるのはパーツタイプとブレンドモード自動設定くらいだと思う
ただこれらもインポート後にモーションいじるのと合わせて設定変えられるので、あんまり神経尖らせる必要はないです。
ブレンドモード自動設定
PSD側のレイヤーモードに応じて、えもふりプロジェクトのレイヤーのブレンドモードをいいかんじに調整してくれる機能
ただまあ大体各パーツ間のブレンドモードは通常(αブレンド)のままでいいはず
問題は、影を別パーツにする場合です。クリスタ側の作業の項で書いたとおり、レイヤーモードが乗算のみのフォルダはうまくインポートできないわけですが、影ってだいたい乗算つかいません? オレは使う
なので、影パーツに関しては、「ブレンドモード自動設定」のチェックを外し、インポート後に改めてブレンドモード「乗算」を選択する必要があります。
パーツタイプ
胴体の動きに同期して動くパーツとか、逆に他のパーツの動きの影響を受けないパーツとかをここで設定してやります。
詳しくはたぶん公式のマニュアル見たほうがいいんじゃないかなと思うんですが、だいたいこんな感じ
1.位置が同期するパーツの指定
・全体
・頭部
・頭部差分
・胴体
・胴体差分
・腕部
・下半身
・汎用差分
・表情
・VR用
「指定したパーツ全体の動きと同期して位置が変わる」パーツを指定します。例えば天使の輪っかは、キャラクターの頭の位置と同期して位置が変わるので「頭部」を選択します。
このうち、汎用差分、VR用はあまり使う機会はないと思います。汎用差分っていうのはあれだ、エクステンドテンプレートに入ってる追加パーツです。だった気がする。
2.パーツそのものの変形の仕方を指定
・キャラBG ※「全体」指定時のみ
…他パーツの変形の影響を受けない。
・独立
…1で指定したパーツの角度の影響を受ける。変形の影響は受けない。
・(パーツ名)枠同期
…(パーツ名)のパーツ全体の枠の変形の影響を受ける。
・(パーツ名)接着
…(パーツ名)のパーツの変形影響を受ける。
・(パーツ名)で切り抜き
…(パーツ名)のパーツのアウトラインで切り抜かれる。
・(パーツ名)差分位置同期
…枠同期とだいたい同じ
・(パーツ名)接着(手持ち用) ※腕パーツ指定時のみ
…(パーツ名)のパーツと位置が同期する。変形影響は受けない。
3.揺れの種類を指定
・揺れなし
…揺れない
・揺れ有り、揺れ(予備)
…揺れる
・胸揺れ、胸揺れ(予備)
…揺れたり弾んだりする
・(パーツ名)揺れ
…(パーツ名)のパーツの揺れと同期して揺れる
・(パーツ名)同期
…表情の変化に合わせて変形する
・fade_○揺れ
…揺れに加えて、パーツの表示/非表示切り替えができる
・(パーツ名)連動回り込み
…頭部や胴体の動きに合わせて重なり順が変わる場合に設定
具体的な例をあげると、私はこんな感じで設定しました。
・頭のアクセサリ:頭部+頭部枠同期+fade_x揺れ
・服装差分(上半身部):胴体+胴体接着+fade_s揺れ
・服装差分(腕部):腕部+腕部A接着+fade_s揺れ
・服装差分(腕部影):腕部+腕部A接着+fade_s揺れ
・服装差分(スカート):下半身+胴体枠同期+fade_s揺れ
・服装差分(パンツ):下半身+下半身接着+fade_t揺れ
・服装差分(上半身影):胴体+胴体で切り抜き+fade_s揺れ
などなど。
服装差分は、表示/非表示切り替えのため各差分ごとに「fade_s~w」でまとめています。
今回胸揺れは使わなかったので、「fade_a~e」は使いませんでした。
再インポート時
PSD→えもふりのインポートが一発で終わることはそうそうないと思います。だいたい、何度かインポート作業を繰り返すわけですが、設定した追加パーツなどはそのまま引き継がれます。
ただし、追加パーツの大きさを大幅に変える形で加筆した場合、そのパーツの「枠」(えもふり側で自動設定されるもの)(インポート画面でパーツを選択すると表示される)が最初にインポートしたパーツのサイズのままになっていることがあります。
そのままだと、もとのパーツ枠をはみ出す部分は途切れて表示されてしまうので、インポート画面でパーツの枠を現在の大きさに合わせて変えてあげる必要があります。
変え方はとくに難しいことはなく、枠の四隅をドラッグアンドドロップでできます。
インポート後
インポートが終わったら、ひとまずサンプルで用意されているタイムラインで動かしてみましょう。インポートしてそのままでもいい感じに動いてくれるのがえもふりの素晴らしいところです。
あとなんか書くことあったかな あったら追記します
まあでも実際のPSDとe-moteプロジェクトファイル見るのがいちばんはやいと思います!(露骨な宣伝)
ここから先は
¥ 100
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
サポートをしていただけると私がたいへんよろこびます。 ちなみに欲しい物リストはこちら→https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/2DBRPE55L3SQC?ref_=wl_share